岡田有希子
デビュー当時は「ポスト松田聖子」の一番手として大いに期待された岡田有希子。その期待にそぐわぬ活躍を見せたのはご存知のとおりです。可愛かったですよねぇ。まさしくビーナス誕生といった感じでした。

岡田有希子
そんな岡田有希子が自ら命を絶ったのは僅か18歳の時です。惜しい。余りにも惜しい。残念でたまりません。さぁこれからという時でしたから尚更残念です。
しかし、岡田有希子の歌声は永遠。あの笑顔はファンの心に今でも光り輝いている筈ですよ。
ファースト・デイト
生前に岡田有希子がリリースしたシングルは僅か8曲。その多くを竹内まりやが手掛けています。デビュー曲「ファースト・デイト」もそのひとつでした。

ファースト・デイト
「ファースト・デイト」は1984年4月21日にリリースされ、オリコンでは20位、累計で10.6万枚のセールスを記録しています。
この曲は竹内まりやのベスト&レア・トラック集「Turntable」にセルフカバーとして収録されています。アレンジもほぼ同じ。竹内まりやにとっても思い入れが強い曲なのでしょうね。
リトル プリンセス
2枚目のシングル「リトル プリンセス」は、オリコンで最高14位とスマッシュヒットを記録。ジミというか、しっとりとした曲でありながら「ファースト・デイト」よりもヒットしたのは岡田有希子の存在が広く知られてきたということなのでしょう。ジャケット写真も良いですよね。

リトル プリンセス
それにしてもプラトニックといいますか、メルヘンチックな歌詞ですねぇ。現在こういった路線の曲が作られることは難しいのでしょうね。また、それを歌いこなせる歌手も少ないのではないかと思います。
岡田有希子を聴いていると、ふんわり、ほっこりした気分になりますね。声といい歌い方といい派手さはありませんが、いつまでも聴いていたくなる気持ちのいい音楽です。
-Dreaming Girl- 恋、はじめまして
これはイイ曲ですよ。ポップ!いかにも竹内まりやといった曲ですね。1984年9月21日にリリースされた3枚目のシングル「-Dreaming Girl- 恋、はじめまして」。オリコンでは最高7位という初のベスト10入りを果たし、デビュー半年にしてアイドルの座を掴みました。

-Dreaming Girl- 恋、はじめまして
編曲を大村雅朗から萩田光雄に変えたのが功を奏したようです。やはり「リトル プリンセス」はなんとなくジミでしたからねぇ。アイドルらしいメリハリのある良いアレンジだと思います。
この曲もまた竹内まりやはベスト&レア・トラック集「Turntable」にセルフカバーとして収録しています。好みとは言え、曲としてはコチラの方が出来が良いですよね。
二人だけのセレモニー
4枚目のシングルでついに聖子ちゃんカットから脱却を果たした岡田有希子。曲の方も竹内まりやから脱却して尾崎亜美へ。結果どうなったかといいますと見事オリコン第4位となるヒットを記録しました。

二人だけのセレモニー
竹内まりやが手掛けた3部作では、「ファースト・デイト」で同級生との思いがけない出会いを、「リトル プリンセス」で遊園地でのデートを描き、「-Dreaming Girl- 恋、はじめまして」ではなかなか会えない恋人を想う少女のときめきをと徐々に彼(ファンですね)との距離を縮めてきた岡田有希子のシングル。4枚目となる「二人だけのセレモニー」では卒業式の後の二人だけの食事ということで、更に深い関係になってますね。
「-Dreaming Girl- 恋、はじめまして」はいかにも竹内まりやらしい素晴らしい曲でしたが、「二人だけのセレモニー」はというと、対抗するかのごとく、これまた尾崎亜美らしく良く出来てます。
それにしても、難しい曲だと思うのですが、なんか岡田有希子は軽く歌いこなしてますね。
Summer Beach
5枚目のシングルは、前作「二人だけのセレモニー 」に続いて尾崎亜美作品「Summer Beach」です。1985年4月17日にリリースされ、オリコンで最高5位を記録しました。
「Summer Beach」は作詞だけでなく作曲も尾崎亜美が担当していますから、より尾崎亜美色が強く出た作品といえます。それにしても、これまた難しい曲ですよね。

Summer Beach
岡田有希子の歌声は特別声量があるというものでもありませんので、歌が上手いと思っていない方が結構多いのではないかと思います。しかしですね、彼女は難しい曲を実に軽やかに歌いこなしているんですよ。聴いていて気持ちが良くなる歌声、これは上手いとか下手と言うよりも天賦の才というヤツですよ。
尾崎亜美といえば、「マイ・ピュア・レディ」などのヒット曲で知られていますが、松田聖子「天使のウィンク」や杏里「オリビアを聴きながら」、高橋真梨子「あなたの空を翔びたい」といった楽曲提供者としても多くのヒット曲を生み出しています。
哀しい予感
編曲:は松任谷正隆に代わっていますが、久しぶりに竹内まりやが作詞・作曲を担当した6枚目のシングル「哀しい予感」。ジャケットの不安げな表情はまさしく哀しい予感。今となってはちょっと辛いジャケット写真です。

哀しい予感
随所に竹内まりやらしいメロディが出てきて、曲は決して悪くありません。オリコンでも第7位までいっています。ただ、なんか哀しい。。。
「哀しい予感」リリース直後に竹内まりやが岡田有希子に会った際、デビューの頃の笑顔が消えていたので心配したと後日語っています。悩んでいたのでしょうか?悩んでいたんでしょうねぇ。もう哀しい予感しかしません。
Love Fair
1985年10月5日にリリースされた7枚目のシングル「Love Fair」(ラブ・フェアー)。オリコンでは最高5位です。岡田有希子の曲はカラオケで歌ってみると良くわかるのですが、歌いにくいです。何度も言いますが難しいです(歌ったんかい!)。「Love Fair」もまた例外ではありません。と言うかこの曲は最も難しいかもしれませんね。

Love Fair
作詞・作曲は、かしぶち哲郎。かしぶち哲郎は竹内まりや、尾崎亜美に比べると一般的な知名度は高くはないと思いますが、ロックファンにはおなじみ個性派集団ムーンライダーズのメンバーです。で、ドラマーです。ボーカルもとりますし、曲も作ります。ムーンライダーズの楽曲同様に「Love Fair」もまたひとくせある風変わりな曲ですが、例によって軽く歌いこなしていますね。それにしてもこの曲、岡田有希子にすごく合ってます。
何度か練習して、カラオケでそれなりに歌えるようになった頃、この曲の良さが更に分かるようになる。そんな感じの曲ですよ。ぜひ試してみてください(歌うんかい!)。ホント良い曲だなぁ。
くちびるNetwork
ついに、ついに念願のオリコン1位を獲得っ!1986年1月29日リリースの8枚目のシングル「くちびるNetwork」です。しかし、残念ながらこれが生前最後のシングルになってしまったんですよね。

くちびるNetwork
作詞のSeikoとは松田聖子の事です。作曲の坂本龍一はYMOの教授です。そして編曲がムーンライダーズのかしぶち哲郎。異色です。異色すぎますね。そこに岡田有希子ですからファンならずとも心配になったことでしょう。しかし、結果は最高でした。誰もが素晴らしい仕事をしています。ここにまたひとつ名曲が誕生したのですよ。
岡田有希子が亡くなるのは「くちびるNetwork」発売からおよそ2ヶ月後の4月8日のことでした。絶頂期ですからね。返す返すも残念でなりません。
短すぎる人生ですが、デビュー曲から聴いていくと、作品を通して岡田有希子が大人になっていってるのが分かりますね。岡田有希子は精いっぱい生きたのですよ。いつまでも忘れません。心地よい透明感のある歌声は永遠です。