『修羅の門』とは?
『修羅の門』
アリオスとの試合に向けての調整相手
アリオスとの試合に向けたトレーニングとして、九十九のトレーナーであるテディは調整相手になってくれるスパーリングパートナーを探していました。
しかし、ヘビー級・統一王座決定戦のプロモーターは、自分自身がマネージメント権をもつアリオスを優勝させたいと考えており、九十九にとって不利になるようにスパーリングパートナーになってくれるようなボクサーに圧力をかけており、引き受けてくれる調整相手はいませんでした。
手を差し伸べる舞子の母親
ボクシングの本場であるアメリカで空手道場を営んでいることもあり、巌は器用にアリオスのファイトスタイルを模倣してみせます。スパーリングとして、拳を交わしていた九十九と巌。すると、底知れぬ強さをみせる九十九に対し、巌は格闘家としての本性を見せ、ボクシングの調整相手をしているのにヒザ蹴りを繰り出してしまうのでした。
陸奥九十九VS龍造時巌
格闘家としての強い男と戦いたいという本分を隠しきれなくなった巌は、「若かったころの龍造寺徹心と戦いたいと思わないかい?」と聞き、その言葉を聞いた九十九は頷くようにニヤリと笑みを浮かべるのでした。
「アリオスとの試合後だと不敗神話を止めるのが俺じゃなくなってしまうかもしれない。」
九十九は巌のこの言葉を聞き、仕合いを受け入れてしまいます。
やはり巌の空手家としての実力は達人クラスで、九十九の正拳をかわしつつ、下段蹴りを入れ、その足をそのまま上段蹴りにつなげるといったテクニックを見せます。
しかし、若さで勝る九十九の勢いを止められず、次第に巌の表情が変わっていくのでした。
「恐怖と歓喜で寝かしつけていた鬼が起きてきた」
この技は、かつて全日本異種格闘技戦で対戦したプロレスラー・飛田がつかった技であり、
龍造時徹心が九十九の祖父である真玄を倒すために編み出したもの。師弟の間で受け継がれた技が再び九十九を襲ったのでした。
この攻撃によって、九十九のあばらは折れてしまいます。
そして、その様子を見守っていて、残念そうな表情を浮かべているテディとフランク。
あばらを骨折してしまった九十九は、これによりアリオスとの試合を諦めざるを得ないといった状況となってしまいました。
九十九と巌の戦いの決着
しかし、巌は勝機があるから仕合いを続けるのであって、九十九に向かって、
「陸奥圓明流の技・虎砲を破る」
と言うではありませんか。 このまま、まともに打撃の乱打戦になると、巌にとっては厳しくなりますが、このように言い放つことで九十九は虎砲を使わざるを得なくなります。 ただ天才と名高い神武館の海堂晃すらも、破ることは叶わず、かわすだけで精一杯だった陸奥圓明流の拳技。果たして、巌は九十九の放つ虎砲に対し、どのような対応を見せるのでしょうか。 いよいよクライマックスではありますが、今回の記事はここで締め括りたいと思います。続きが気になるようであれば、ぜひ原作コミックを読んで、二人の仕合いの結末を見届けてくださいね。
『修羅の門』第三部を読み直そう
残念ながら『修羅の門』はアニメ化されていませんので、原作コミックをじっくり読んでストーリー展開を楽しんでくださいね。
九十九はアリオスとの試合を最優先に考えなければならない時期。しかし、龍造寺巌からの挑戦を躊躇なく受け入れるところに、馬鹿だけど男のロマンがあるように思えます。
フランクから飛田、徹心から巌と、脈々と受け継がれる陸奥対策の技の存在も感慨深いですよね。九十九自身も語っていますが、飛田よりも遥かに動きが鋭かったため、飛田から一度受けていなければ、巌の攻撃によって死んでいたかもしれません。この場面も、思わず仕合いの展開に惹き込まれてしまうポイントですよね。
この機会に、ぜひ原作コミックをご覧になって、熱い展開続きのボクシング編でワクワクドキドキしましょう。