【修羅の門】全日本異種格闘技選手権・羽山悟との試合を振り返る!

【修羅の門】全日本異種格闘技選手権・羽山悟との試合を振り返る!

前回の記事では第二部の始まりからキックボクサー・竹海直人との試合を振り返りましたが、今回は総合格闘技であるシュートの羽山悟との激戦を振り返っていきたいと思います。心優しき天才にして、獅子としての闘志も持ち合わせる彼との試合を掘り下げていきますので、どうぞ記事をご覧になってください。


『修羅の門』とは?

『修羅の門』

九十九を意識する本命の出場者たち

しかし、シュートの羽山悟・プロレスの飛田高明・鬼道館の片山右京・神武館館長の龍造寺徹心、優勝を有力視される選手たちの勝利にはひとつの共通点がみられ、それは上段回し蹴りで対戦相手をKOしているところにありました。
九十九はキックボクサーの竹海に対して、見事な上段回し蹴りを極めて勝利したことで、九十九の存在を強く意識する本命の出場者たちも同じ技でそれぞれの対戦相手を倒すことにこだわっていたのでした。それはそれぞれの出場者はお互いのことを気にもせず、ただ一人・九十九にだけ標準を定めていることの意思表示であり、九十九に対して叩きつけられた挑戦状だったのです。

グローブはずしていいですか?

九十九との試合前、シュートの羽山は師匠であるライガー剛に尋ねます。

「会長、グローブはずしていいですか?」

もともと気の優しい羽山は、プロの格闘家であることもあって、グローブをはずしてベアナックルで戦う出場者が現れたとしても羽山だけはグローブをはずさないと言われていました。そして、羽山の言葉にはライガー剛も驚きましたが、羽山から発せられている熱量は只事ではなく、目の前にいる羽山はいつもの穏やかな天才ではなく、獅子と化していることを察するのです。
シュートは格闘技としてメジャーではないため、いつもなら体面や体裁といったところに配慮する姿勢をみせる羽山。しかし、九十九は、羽山をここまで熱くするほどの対戦相手だということの表れでもありました。その気持ちを汲んだライガー剛は、羽山の両拳につけられたグローブをはずし、獅子としての羽山の意思を尊重して、その闘志を試合会場に解き放つのでした。

陸奥九十九VS羽山悟

対戦する九十九と羽山、お互いにベアナックルの状態で舞台に立ち、いよいよ全力をもって戦うことを約束した試合が始まります。
開始直後、両者の考えはまったく同じ。上段回し蹴りの打ち合うかたちとなり、双方ともにクリーンヒットしてしまいます。体格的に小さい九十九は派手に吹っ飛んだため、互格にみえた上段回し蹴りの打ち合いは羽山が打ち勝ったように見えました。しかし、その後、羽山も床にヒザをつき、九十九の上段回し蹴りによってダメージを受けていました。
このことでお互いの攻撃の質の違いが明らかになり、羽山は体重やパワーを活かした攻撃をするのに対して、九十九は効率性が高くて100%の力をダメージに転化するような攻撃をしていたのです。

羽山が本気のパンチを打つ

しかし、グローブをはずして試合に臨んでいる羽山は、全力のパンチを九十九に打ち込むつもりでいるようです。まずは羽山の素手の加減をしたパンチの応酬に対して、九十九はガードして凌ぎ、その攻撃を全て耐えきってみせます。
そして、とうとう羽山は九十九を殺す気で100%本気のパンチを放つのでした。これに対して、九十九も正拳を打って対応しようとしますが、リーチ差があるため、九十九の正拳は羽山に届かず、羽山の拳を額で受け止めるようなかたちになりました。完全に羽山の攻撃が九十九にクリーンヒットしたように見えましたが、その瞬間、羽山の拳の小指から腕にかけて皮膚が裂けて鮮血が吹き出しました。
九十九は「陸奥圓明流・牙斬」と言うと、余裕のある表情をみせました。相打ちを仕掛け、届かなかったように見えた九十九の正拳は陸奥圓明流の技で、羽山のパンチを見切って、その小指辺りに、ねじり込むように正拳を打つことで羽山の拳に怪我を負わせたのです。
これに対し、羽山は「面白い」と言うと、怪我して流血している拳で、再び全力のパンチを九十九に打ち込みます。九十九は牙斬で対応して、今度は羽山の拳や小指の骨を砕いてしまうほどのダメージを与えるのでした。羽山のパンチは九十九に通用しないと思われましたが、拳を砕かれたはずの羽山は「見切った」と言い放ちます。
そして、羽山は故障していない左拳で、再び九十九に全力のパンチを打ち込もうとします。

羽山が陸奥圓明流・牙斬を破る

これこそ、羽山の「見切った」という発言の真意で、羽山は九十九の打つ拳を狙い、敢えて自分の拳をぶつけて牙斬を破ってみせたのです。これで再び羽山が優勢になると思われましたが、今度は羽山のパンチに対応して、九十九は第一回戦のキックボクサー・竹海との試合でつかった蛇破山の変形をみせて、羽山のみぞおちにヒジを打ち込むのでした。

陸奥圓明流VSシュート

羽山はパンチにこだわるのを止め、シュートの技をつかって、キックや投げ技をつかった本来のシュートスタイルで九十九に挑み続けます。羽山の放った蹴りを、九十九はヒジ・ヒザではさんだ交差法で受け、その脚を叩き折ってしまいます。
それでも羽山の戦意は衰えず、まだ九十九に向かっていこうとするのでした。ここで意を決した九十九は、羽山の腕をとると背後を奪い、背負い投げのような技に持ち込みます。一般的な柔道の背負い投げと違うところは、腕をとって、相手の背後に回って、逆関節を極めるように腕を背負って投げるところです。この時点で羽山の腕は折られていますが、さらに頭部から地面に落とすように投げ、着地する瞬間に頭部へ蹴りを入れて一瞬のうちに戦闘不能にしてしまいました。
九十九の口から語られた技名は「陸奥圓明流・雷」。まさに相手の生命を奪うための技で、会場は一気に静まり返ってしまうのでした。

真の勝者・敗者

ここまで凄惨な技をつかって羽山を倒したことに、舞台袖で見守っていた羽山の師匠であるライガー剛は「ここまでする必要はなかった」と詰め寄る場面があり、その言葉に対し、九十九は「羽山悟は本物の獅子だったから雷をつかった」と答えます。
ここでライガー剛は最後まで戦い抜いた羽山の戦いぶりを思い返して、冷静さを取り戻し、それに応えて戦った九十九に感謝するような態度をとります。確かに危険な技を繰り出したのは事実ですが、ギリギリのところで手加減されていて、羽山は大怪我をしていますが、死んでしまうかもしれないといった状況ではありません。
死ぬかもしれないというところまで自分自身を追い込み、全力を出して戦い抜いたからこそ、心の奥底にズシンと響くものがあるような気がしますよね。

『修羅の門』第二部を読み直そう

残念ながら『修羅の門』はアニメ化されていませんので、原作コミックを読んで試合展開を楽しんでください。

修羅の門(6) (月刊少年マガジンコミックス) | 川原正敏 | 少年マンガ | Kindleストア | Amazon

今回の記事で紹介したのは第6巻の内容です。

第二部の大きな見せ場である九十九VS羽山戦を振り返っていきましたが、その激しい戦いぶりは如何だったでしょうか?
この試合展開も圧倒されるものがありますが、全日本異種格闘技選手権では、まだ三人の強敵との試合を残しています。これからどんな激闘が繰り広げられるのか、この先も面白い展開が続きますのでお見逃しなく。
ぜひこの機会にご覧になって、陸奥圓明流や陸奥九十九の伝説を見届けてください。

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