アーケード初となった「GUILTY GEAR X -BY YOUR SIDE-」
1998年にプレイステーションのみで発売された2D格闘ゲーム「ギルティギア」の続編、「ギルティギア ゼクス」。通称「ゼクス」と呼ばれ、表記は「GGX」。現在では業界の有名人となる石渡太輔のシリーズで、更に新しい感覚を乗せ2000年にアーケードで稼働されました。グラフィック処理が高くアーケードゲームの主流となったNAOMI基板で、2D格闘ゲームとしては鮮明で新しい印象がありました。業界の中心であるカプコンやSNKに肩を並べるほどの人気となり、現在では新作「GUILTY GEAR -STRIVE-」の発表で話題を呼ぶシリーズとなります。
当時は格闘ゲームの衰退期でプレイヤーは離れる一方でしたが、独自のシステム・キャラクター・デザイン・BGMと新たなファンを呼び、現在では続編の「GUILTY GEAR Xrd REV 2」がeスポーツ公認タイトルとされています。
GGXでしか味わうことができない多彩なシステムとスピード感
グラフィックだけではなく、独自のシステムや操作性も斬新です。若干の変化はありますが、多彩であった初代のギルティギアに加え、大きく3つの要素が追加されます。1.ガードをすればする程に高ダメージやカウンターとして受けてしまう「ガードバランス(GB・GG)」。2.テンションゲージを50%消費することにより打撃技をキャンセルしてニュートラル状態にさせる「ロマンキャンセル(RC)」。3.足払いの発生を強制的にFDでキャンセルをし硬直をなくす「フォルトレスディフェンスキャンセル(フォルキャン・FDC)」」。
※3の「フォルトレスディフェンスキャンセル」は公式の仕様ではなく稼働後の前~中期に見つかったバグとされ、キャラの強さや有利・不利の相性などが一気に変わりました。
対戦での流れとしては「ストリートファイター」の様にジリジリと慎重に立ち回るというよりかは、2段ジャンプ・空中ダッシュ・ジャンプキャンセル・ダウン追い打ち・起き攻めなどで撹乱して攻め合うシーンが多いです。よって、画面位置の入れ替わりは多く、スピーディーな攻防が人気に火を付けた理由かと思われます。逆に、正統派な格闘ゲームプレイヤーには邪道とされ、受け付けられないこともありました。
魔法と科学をイメージした近未来の世界

人気の理由はシステムや操作感だけではなく、ゼネラルディレクター石渡太輔のデザインや世界観にもあります。格闘ゲームといったら道着に拳とイメージする方が多いかもしれませんが、ギルティギアは独特で、簡単に表現をすると「SF+ファンタジー+ロックテイスト=ギルティギア」。他にはない特徴のある外見と武器を持つ姿が印象的ではあるものの、未来を意識した造形物や国旗を目にすることもあります。
実際にプレイをせずともストーリーやキャラクターを知り、文庫本やコスプレを主とするファンも多く存在します。
旋律が走るアップテンポなHeavy Rock
サブタイトルやキャラクター・必殺技名から感じ取れる様に、洋楽ロックから由来した名称がいくつもあります。実際のBGMも爽快感のあるハードロック・メタルな曲調で、現在ではサウンドラック以外にもボーカルを乗せたアレンジ版の発売やライブまで行われる人気となります。GGXのアーケード版のみ生演奏ではなく基盤の内蔵音源となりますが、それはそれでゲームのBGMらしい音という声もあります。
ギルティギアシリーズ楽曲人気投票
公式サイト「ベストオブギルティギアミュージック!」の投票で一位となった曲「Holy Orders (Be just or be dead)」は以降の作品「GUILTY GEAR XX(GGXX)」のものとなりますが、GGXの頃から最もな人気がありました。アーケード版と家庭版がこちらです。
強さでのキャラクターランキング
シリーズにより対戦でのキャラクターの強さや相性は変わりますが、GGXでの順位としては一般に
ミリア>ジョニー>紗夢>ディズィー>ソル>チップ>ヴェノム>ザトー>メイ>ファウスト>梅喧>闇慈>カイ>アクセル>テスタメント>ポチョムキンとされています。
大きなポイントはやはりFDCと起き攻め。ガードバランスの上昇率は高く、現在の様にサイクバーストは存在せず、ダウン追い打ちを受けても受け身を取ることができないためです。アーケード初の作品だけに、驚く様な攻撃レベルや発生・判定も多く見られます。
120917 a-cho GGXX関西ランバト開催10周年記念祭 3日目大会終了後 GGX野試合 - YouTube
稼働数は僅かの「GUILTY GEAR X ver1.5」
日本では2003年に新作として「GUILTY GEAR XX」が稼働されましたが、ATOMISWAVE基板を海外へ普及させることを目的に「GUILTY GEAR X ver1.5(GGX1.5)」が発売されました。日本版のデータも入っているため、国内ではごく僅かの店舗のみで稼働されていました。GGXと大きく違う点は、FDCが使用不可、ダウン追い打ちを受けた際に受け身が可能、一部の必殺技がGGXX仕様、ポチョムキンが移動起き上がり可能であることです。分かりやすく表現をしますとGGXとGGXXの中間の様な作品です。
GUILTY GEAR X Ver.1.5 ソル アーケードモードプレイ - YouTube
2020年秋以降発売予定「GUILTY GEAR -STRIVE-」
最近では新作「ギルティギア ストライヴ」が発表され、β版が話題を呼んでいます。「GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-」でのグラフィックの進化には驚きでしたが、今回も別作品といっても過言ではない程に高いクオリティとなりそうです。映像だけではなくシステムの変更も同様で、開発側は「今までのギルティギアを全て忘れてプレイする必要がある」とのことです。現在のβ版では、P・Kなどの小技からのガトリングが制限、通常投げが前Dとなり空振りモーションの追加、直前ガードでの硬直軽減が削除、空中で地上通常攻撃を通常ガードができる、受け身は手動ではなく自動化、ガード中にRCが可能…等々と、長年プレイしているプレイヤーも驚く程に変わり、新しい感覚で楽しむことができそうです。