1979年
1979年に日本で起こった最も大きな出来事といえば、それはもう一にも二にもなく9月にハウス食品工業が「うまかっちゃん」を発売したってことでしょう。

うまかっちゃん
インスタントラーメンは今や日本にはなくてはならない存在。「うまかっちゃん」はその代表的な商品として愛され続けています。
さて、1979年の音楽はというと、どのような曲がヒットしていたのでしょうか?1978年は演歌が1曲も年間ベスト10には入ってませんでしたからねぇ。また、77年、78年とブームを巻き起こし続けているピンク・レディーはどうなったのでしょう?興味が尽きない1979年の売上枚数「年間ベスト10」いってみましょう!
第10位 カメレオン・アーミー
さぁ第10位です。年間売上枚数70.8万枚、ピンク・レディーの「カメレオン・アーミー」。

カメレオン・アーミー
1976年にデビューして77年、78年と空前のブームを巻き起こしたピンク・レディー。1979年も10位にランクインしているから流石です。
しかし、ピンク・レディーが年間売上ランキングに登場するのは、残念ながらここまで。時代は新しいスターを求め動き出すのでした。
第9位 みちづれ
来た!来ました!1978年には1曲もランクインしていなかった演歌です。第9位は牧村三枝子の「みちづれ」です。年間売上枚数は74.3万枚、堂々たる第9位ですね。

みちづれ
牧村三枝子は1972年にデビューしていて、「みちづれ」は12枚目のシングルです。苦労したんです。美人ですからねぇ、もっと早くにブレイクしてもよさそうなもんですが、そこがミュージック・ビジネスの難しいところですよねぇ。
「みちづれ」は、そもそも渡哲也がシングルリリースしていた曲です。そう、オリジナルは渡哲也。だったのですが、牧村三枝子のたっての希望でシングルとして発売したのだそうですよ。その判断は正しかった。今では牧村三枝子の代表曲となりましたね。
第8位 チャンピオン
フォークというには違和感を感じる。かと言ってニューミュージックと呼ぶには余りにバタ臭い。もちろんロックとは言い難くもあり、カテゴリーの落としどころが難しいアリス。年間売上78.0万枚、「チャンピオン」が第8位にランクインしました!

チャンピオン
前年、堀内孝雄が一足早く「君のひとみは10000ボルト」でブレイクしていますから、谷村新司も負けじと「チャンピオン」を書き上げた感じですかね。
第7位 YOUNG MAN(Y.M.C.A)
西城秀樹がこの世にもう居ないなんて、いまだに信じられない思いです。第7位は「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」で、年間80.8万枚の売上でした。

YOUNG MAN(Y.M.C.A)
オリジナルはヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A.」。カバーとはいえ、西城秀樹のオリジナルように感じますよね。それは何と言っても人文字アクション(?)でしょう。強烈な印象を残しました。
第6位 ガンダーラ
堺正章が主演し大ヒットしたテレビ・ドラマ「西遊記」のエンディングテーマということで注目され、これまた大ヒットしたのがゴダイゴの「ガンダーラ」でした。年間売上枚数82.1万枚で第6位です。

ガンダーラ
ゴダイゴはこの曲で知られるようになりましたが、キーボードのミッキー吉野をはじめ、メンバーは実力者揃いです。「ガンダーラ」に限らず、本当に上質なポップ・ソングを作ってるんですよね。
ゴダイゴは、もっと評価されてもいいバンドの筆頭かもしれないです。もちろん評価はされています。それでも過小評価されている!と言いたい。もっと売れてもいいのになと思わずにいられません。
第5位 北国の春
第5位は千昌夫の「北国の春」です。1979年、2曲目の演歌で年間売上枚数は92.8万枚です。演歌強し!ですね。

北国の春
コート姿に丸メガネ、トランクを持ったステージ衣装が当時は話題となりました。似合ってます。というよりも、もうこれしかないという感じですよね。千昌夫はこれだろう!みたいな。
大ヒットした「北国の春」ですが、実は発売は1977年です。1977年の年間シングルチャートは139位で、それが、1978年には55位となり、1979年、めでたく第5位となったという、超ロングセラーなんですよ。
第4位 関白宣言
第4位は年間売上枚数99.0万枚、さだまさし「関白宣言」。ですが、この頃の さだまさし という人は、好き嫌いがはっきり分かれたように思います。

関白宣言
さだまさし は面白い人だということを再認識した曲。男尊女卑の代名詞ともいえる亭主関白を声高らかに宣言するものの、上手くいかない優男をいかにも さだまさし らしく演じています。
1994年には「関白宣言」の後日談となる、「関白失脚 」をリリースしています。
第3位 おもいで酒
さぁ、いよいよベスト3の発表です。第3位、小林幸子で「おもいで酒」。年間売上枚数は99.7万枚、ほぼミリオンですね。

おもいで酒
小林幸子といえば、曲よりも紅白歌合戦の派手すぎる衣装の印象の方が強いわけですが、苦労人です。牧村三枝子どころではありません。デビューはなんと1964年で、「おもいで酒」はといえば実に28枚目のシングルです。その間、小林幸子→小林さち子→岡真由美→小林幸子と名前を変えていることからも苦労が忍ばれますね。
第2位 魅せられて
第2位は正真正銘のミリオン、年間売上枚数120.4万枚、ジュディ・オングで「魅せられて」です。これはイイ曲ですね。作詞:阿木燿子、作曲:筒美京平、流石の出来栄えです!

魅せられて
映画「エーゲ海に捧ぐ」のイメージ・ソングですね。ジュディ・オングの衣装がまたエーゲ海をイメージさせる、とても美しいものでした。
それにしてもこの曲、ホントに多くのカバーが存在しています。奥村チヨ、石川さゆり、島谷ひとみ などはともかくとしても、野口五郎、五木ひろし、デーモン閣下などの男性にまでカバーされているのには驚きです。ましてや明石家さんま にまで!まぁ、名曲とはそうしたものなのでしょうね。
第1位 夢追い酒
1979年度、年間売上枚数第1位は、145.4万枚「夢追い酒」、渥美二郎でした!演歌強し。昨年のうっ憤を晴らすかのようですね。
「夢追い酒」は、渥美二郎にとって5枚目のシングルで、初のヒット曲となりました。

夢追い酒
「夢追い酒」がリリースされたのは1978年です。1979年にブレイクするのですが1980年に入っても売れ続け、トータルでは280万枚以上の大ヒットとなっています。
1979年は演歌が盛り返しましたねぇ。しかも、苦労人の演歌歌手による息の長いヒット曲という共通点がありました。
さぁ、いよいよ時代は80年代へと入っていきます。ピンク・レディーに変わるスーパーアイドルの登場に期待したいところですね。それでは次回の1980年の邦楽ヒット曲ランキングをご期待ください!