2位じゃ駄目だった?スパコン「京」が運用停止。
兵庫県神戸市の理化学研究所が運用を担っていたスーパーコンピューター「京(けい)」が、16日に運用終了となりました。また、30日には電源が落とされます。
第一報はこちらです!
「2位じゃ駄目なんですか」からの1位獲得を成し遂げた「京」
およそ1100億円の国費が投入され、2011年には1秒間に1京回(1兆の1万倍)の計算速度を達成した「京」。かつて事業仕分けで「2位じゃ駄目なんですか」という名言を生み出したことでも有名ですが、その後2015年からスパコンの性能ランキングで1位を独走していました。しかし、近年は世界各国の開発競争の激化により、その順位は20位にまで低下。役目を終えたと判断され、このたびの運用終了となりました。
撤去後は「富岳」が運用開始予定となっています。
なお、「京」が運用を終了し撤去された跡地には、後継機となる「富岳(ふがく)」が設置される予定となっています。富岳の計算性能は京の100倍であり、こちらは2021年の運用開始を目指しています。
そもそも「京」ってどれくらい速いの?
スーパーコンピューターとして世間での知名度も高かった「京」。その計算速度は数値で表すと「10ペタフロップス」となります。これを実際の数字で表現すると「10000000000000000」。日本語で表現すると「1京」となります。では、「1京」の計算速度を人力でやると一体どのくらいかかるのでしょうか?
1京回の計算と一口に言ってもピンと来ませんが、具体的に言うと「地球の人口である70億人が、丸17日間一睡もせずに、1秒間に1回のペースで計算をする」と達成できる数字だそうです。24時間どころか400時間以上戦い続けないといけません!
そんな途方もない計算回数である1京回。それを、「京」はなんとたった1台で1秒間でやってのけることが出来ます。これには全人類が憧れたのはないでしょうか!
なお「京」は、理化学研究所と富士通が共同開発したスパコンです。1981年には「FM-8」、1989年には「FM TOWNS」を発表し、高い評価を得た富士通が誇るノウハウの結晶と言っても過言ではありません。日本の世界最高水準の技術が、「京」を世界最強のスパコンへと押し上げたのです。今後運用される「富岳」も期待が持てそうです!