40歳【安美錦】引退。
大相撲の名古屋場所で優勝争いが盛り上がる中、元関脇で西十両11枚目の安美錦(伊勢ケ浜)が、現役引退を表明しました。
関取在位117場所は歴代1位タイとなる40歳の大ベテランでしたが、今場所は2日目に21歳の竜虎との一番で、古傷である右膝を痛めて休場していました。
引退を決めた安美錦は「勝ち越しや十両残留の芽がなくなり、スパッと決めた。勝負師として一線を引く時だと考えた。何も悔いはない」とコメントしています。
1978年生まれ、青森県西津軽郡深浦町出身の安美錦。四股名は「故郷に錦を飾る」との意味を込めて師匠の伊勢ヶ濱親方(当時の安治川親方:元横綱・旭富士)が命名しています。
現役最後の取組となった竜虎戦。大先輩の安美錦に大怪我を負わせてしまい、「申し訳ない」と竜虎が肩を落としていることを知った安美錦は、佐ノ山親方(元幕内里山)を通じてLINEで「竜虎にそんなこと気にするなと伝えて欲しい。里山でも勝ったことがないんだから自信を持って相撲を取れ。いい相撲だったぞ」と激励。
すると竜虎は「そう言ってくれてうれしかった。気合が入りました。これから絶対に負けられないなと思いました」とコメント。十日目を終えた時点で、4勝6敗ながら奮闘しています。

安美錦竜児
そんな安美錦ですが、自身が若手の頃には”平成の大横綱・貴乃花の現役最後の相手”となり、金星を挙げています。しかし、後にそれが重圧となり、自身に過度にプレッシャーをかけてしまい苦しんだそう。
数年後、貴乃花親方がTV番組で当時の一番を振り返り「(休場明けの場所を踏まえても)あの一番はケガをしていてもしていなくても同じ結果」とコメントしているのを見て、プレッシャーから解放され、涙を流したといいます。
期待の若手である新十両・竜虎に敗れ、土俵を去る安美錦。飾り気のない口調が特徴的な人柄ですが、これからは年寄名跡・安治川として後進の育成に当たる見込みとなっています。
【主な成績】
・初土俵:1997年1月場所
・最高位:東関脇
・通算907勝(史上8位)
・金星8個(現役最多タイ)
・賞:殊勲賞4回、敢闘賞2回、技能賞6回
《引退した安美錦に関するツイート》
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