80年代後半に販売された「お湯を捨てないカップ焼きそば」って覚えてる?
日本人の国民食となって久しい「カップラーメン」。その種類は豊富で「カップ焼きそば」も多くの会社が販売していますよね。カップ焼きそばの作り方ですが、「カップにお湯を入れて麺をふやかせてから、お湯を捨てる」のが一般的かと思いますが、80年代後半に「お湯すてマッタ」という名前の、お湯を捨てないカップ焼きそばがあったのを覚えていますでしょうか?
こちらは「まろやか~♪」で有名なペヤングの焼きそば。
焼きそば界の革命的商品!?「お湯すてマッタ」とは?
「お湯を捨てないカップ焼きそばを作る」という構想が生まれたのは1987年のこと。明星食品の社内において、当時カップ焼きそば界に君臨していた「ペヤング」及び「UFO」に対抗できる商品を開発しようと頭を悩ませていた時に、「お湯を捨てる手間を省いた商品はどうか?」という意見が出され、実際に作ってみようという話になりました。その背景には、こんな悲劇が繰り返されてきた事実もあるかと思われます。
焼きそばのお湯を捨てていると…

麺も一緒にぶちまける悲劇が!

イラストにもなっている、この悲劇。皆さんもやってしまった経験があるかと思います。こんな事態も、そもそもお湯を捨てる手間が無くなれば起こる心配はありません!そこで開発されたのが「お湯捨て禁止」という名前の商品でした。
「お湯すてマッタ」に改名!
「お湯捨て禁止」という商品ですが、その後「お湯すてマッタ」という名称に変更。Mr.オクレ出演のCMを流したり、味のリニューアルなどを行ったものの売れ行きは芳しくなく、結局3年半ほどで販売終了となってしまいました!
「お湯すてマッタ」のパッケージ。

Mr.オクレの名演が光る、貴重なCM!
なぜ短期間で販売終了となってしまったのか?
革命的商品と言える「お湯すてマッタ」ですが、なぜ短期間で販売が終了してしまったのでしょうか?その理由として挙げられるのは、こう言うと元も子もないですが「単純に美味しくなかった」からです!
「お湯すてマッタ」ですが、お湯捨てを不要とするためには「全てのお湯を吸いきる必要がある」ため、注ぐお湯の量を正確にしなければいけません。そのため、他のカップ焼きそばと比べてお湯の量を調節する難易度が高く「ふやけ過ぎて不味い」といった声が続出。カップの形状を変更したりするなどの改良を重ねたものの、味の面でお湯を捨てるタイプの焼きそばに勝つことが出来ず、撤退を余儀なくされてしまいました。こうして、「お湯を捨てないカップ焼きそば」という革命的商品はその歴史に幕を下ろしたのです。しかし…?
2010年代に入り、湯切り不要の「UFO」が開発される!!
販売終了後、長い間ロストテクノロジー(?)として影を潜めていた「お湯を捨てないカップ焼きそば」ですが、2018年には日清食品のUFOシリーズから「日清 焼そばU.F.O.湯切りなし 大辛あんかけ風焼そば」が発売されました。

こちらの焼きそばですが「あんかけ風」とある通り、とろみのあるソースが特徴。麺をふやかして残ったお湯に粉末スープととろみの素を入れることで、あんかけソースに仕上げています。確かにこれならお湯を捨てる必要はありません!80年代当時にこの発想は無かった!?それにしても、明星食品がライバル視していた「UFO」からこのような商品が生まれたのは、歴史の皮肉と言えるでしょうか。これに刺激を受けた明星の逆襲なるか?気になるところですね!
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