庄野真代「飛んでイスタンブール」は野口五郎の為に作られた曲だった

庄野真代「飛んでイスタンブール」は野口五郎の為に作られた曲だった

庄野真代最大のヒット曲である「飛んでイスタンブール」は最初から彼女に用意されていた曲ではありませんでした。ヒットメーカー作曲家筒美京平が誰のために作ったのか。また「飛んでイスタンブール」の誕生秘話や1978年当時の時代背景も合わせてご紹介します。


飛んでイスタンブールの誕生秘話

”おいでイスタンブール〜うらまないのがルール〜”とサビのフレーズが特徴的な「飛んでイスタンブール」は1978年4月1日にリリースされた庄野真代の代表曲で未来の日本に伝えたい名曲100選に選ばれるほどの素晴らしい曲です。

野口五郎に用意された?

実はこの「飛んでイスタンブール」は最初から庄野真代のために作られた曲では無いのです。希代のヒットメーカー作曲家の筒美京平は、新御三家と言われ、郷ひろみ・西城秀樹とともにルックスと歌唱力も抜群だった野口五郎のために作られた曲でした。

野口五郎は甘いマスクだけではなく、声も甘くスローテンポな曲調で、野口五郎の歌唱力を活かす音域で作曲された曲が多く、野口五郎と筒美京平のコンビの曲は、デビューから当時まで10曲以上あり、1977年代にも「沈黙」「季節風」「風の駅」と筒美京平とのコンビでリリースされていました。

筒美京平は野口五郎に少しアップテンポの曲を提供しようと、「飛んでイスタンブール」の曲を書き上げました。このときは、タイトルは決まっていませんでした。「風の駅」を聞いて飛んでイスタンブールを聞くと、サビに入る感じとか似ていると思いませんか。曲を書き終えた筒美京平は、「この曲は女性ヴォーカリストに合っている」と判断し、一度ストックされました。

庄野真代との運命の出会い

1976年にシンガーソングライターとして洗練された都会派シンガーとして注目されていましたが、デビューして4曲リリースするが、ヒット曲に恵まれず5曲目はヒットメーカーの筒美京平にお願いすることになりました。

レコード会社の日本コロムビアの三野ディレクターは「無国籍なイメージ」の曲を提供して欲しいと提案しました。筒美京平は庄野真代のデビューからの4曲を聴いて、野口五郎のために作ってストックしていた曲が合うと感じました。

筒美京平は作詞家ちあき哲也に依頼し、サビの部分にイスタンブールと、語呂が合うように詩をつけました。そして3曲のデモテープを庄野真代やスタッフ一同に提供し試聴しました。

想像すると面白いですよね。朝歯磨きしながら、「おいでイスタンブール〜」なんて思わず口ずさんでしまったのかも知れませんね。庄野真代にとって運命の出会いでした。それですぐに「飛んでイスタンブール」は発売され、リリースから3ヶ月後には、オリコンヒットチャートのトップ10入りをしました。

ヒットしてからレコードジャケットを取り直し、さらに別バージョンも取り直し、レコードジャケットは実に3種類あります。

飛んでイスタンブールの時代背景

円高が進んで海外旅行が増える

1978年当時は1ドル360円の時代が長く続き、1977年には293円、240円となり、1978年には195円と円高が進み、海外旅行に出かける人も増えました。1977年には300万人が出国し、1979年には400万人を超えるなど、1978年には成田に新東京国際空港が誕生したこともあり、どんどん海外へ出国する時代背景がありました。

トルコへの直行便は無かった

しかしこの時代にはトルコ・イスタンブールには空港はありませんでした。ですから当時「飛んでイスタンブール」を聞いて、トルコのイスタンブールに思いを馳せても、イスタンブールに飛ぶことはできませんでした。

1989年になって日本とトルコへの直行便が就航し、その後、2018年にトルコもイスタンブールに新空港が誕生しました。

外国への思いを馳せる

成田空港ができたこともあり、海外旅行者も増え、海外がぐっと身近に感じる時代になりました。そんな中でヒット曲のタイトルには、外国名や都市名などが入った曲が多くリリースされました。「カナダからの手紙」「ガンダーラ」「魅せられて」「カサブランカダンディ」「アメリカン・フィーリング」「異邦人」などがあります。

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