青春学園シリーズ
「青春学園シリーズ」をご存知でしょうか?60年代後半から70年に青春時代を送った方であれば知らない者はいないと断言できるテレビドラマシリーズです。
「青春学園シリーズ」とは俗称で、1965年から始まり1974年にかけて放映された日本テレビ、東宝、テアトル・プロによるドラマです。全部で7シリーズあるのですが、どれも主人公が熱血教師で、毎回問題を起こす生徒達との交流をスポーツを通して描くという共通点があります。
また、どの作品も主題歌がヒットしています。代表的なのは、青い三角定規が歌った「太陽がくれた季節」でしょうか。
シリーズ第5弾、「飛び出せ青春」のテーマソングですね。この曲を聴くと反射的に「飛び出せ青春」を思い浮かべるという方は少なくないのではないでしょうか。
それでは振り返ってみましょう、歴代の「青春学園シリーズ」がこれだ!
青春とはなんだ
シリーズ1作目は、青春学園ドラマの先駆けといえる「青春とはなんだ」です。放送は1965年10月24日~1966年11月13日。主役の熱血教師を務めたのは夏木陽介でした。
「青春とはなんだ」と聞かれて、「はい、これです」と明確に答えられる者はそういないでしょう。誰もがその答えに窮する。誰もがその答えを探している。ドラマの中でもみんな悩んでいるのです。
ところで、「青春とはなんだ」には原作があるんです。作者は元東京都知事としても有名な石原慎太郎。

青春とはなんだ
ドラマは2クール26話までは原作に比較的忠実に描かれています。好評の為、41話まで続いたのですが、27話以降はオリジナルな内容となっています。原作がそこまでなかったということのようです。
そして主題歌は「若い明日」、歌うのは若き布施明です。ジャケットにドラマの一場面が使われているところが嬉しいです。

青春とはなんだ
そうですね、「青春学園シリーズ」の熱血先生といえば、やはりラグビーですよね。
「青春とはなんだ」が好評だったために、シリーズ第2弾は続けて放送されることになります。
これが青春だ
「青春とはなんだ」が終了したのは1966年11月13日。シリーズ第2弾となる「これが青春だ」の放送開始は1966年11月20日です。翌週ですね。このシリーズの人気の程がよく分かります。
熱血教師、大岩雷太を演じるのは竜雷太です。竜雷太といえば「太陽にほえろ!」のゴリさん(石塚誠刑事)が印象深いわけですが、ここでの竜雷太はゴリさんとは違って随分とさわやかです。まぁ、それもそのはず、竜雷太は新人だったんです。

これが青春だ
岡田可愛や北島マヤが生徒役で続投していますが、実は夏木陽介も熱血教師役で主演の予定だったそうです。スケジュールの関係で降板が決定したのが撮影の2週間前といいますから、えらく急だったのですね。竜雷太はそれによってチャンスを掴んだというわけです。
あ、脚本に倉本聰が参加しているのもポイントですね。
でっかい青春~進め!青春
「これが青春だ」が1967年10月22日に最終回を迎え、後を受け1967年10月29日~1968年10月13日まで放送されたシリーズの第3弾が「でっかい青春」です。
主演は前シリーズと同じく竜雷太。但し、熱血教師ではなく市役所職員!主題歌は3シリーズ連続となる布施明が担っています。

でっかい青春
全41話ですが、マンネリを恐れて設定を市役所職員としたものの視聴率が思わしくなかったことから、21話目から海東高校教員(体育部長)に変更しています。
そしてシリーズ4作目「進め!青春」が1968年10月20日から放送開始。主役は浜畑賢吉で、原点に帰って熱血教師です。浜畑賢吉は劇団四季所属だっただけあり歌も上手く、主題歌も担当しています。
進め!青春 - Wikipedia
「進め!青春」には当初女学生役だった岡田可愛が養護教員役で出演しています。また、脚本に「俺たちの旅」「金曜日の妻たちへ」「男女7人夏物語」などで知られる鎌田敏夫も参加していますね。
しかし、「進め!青春」は思いのほか人気が出ずに11話で終了となり、青春学園シリーズはここでいったん終了します。
炎の青春~飛び出せ青春
青春学園シリーズが復活するのは1969年5月12日、シリーズ第5弾の「炎の青春」です。とは言え、もしかして、もしかしてですが、せっかく復活したものの、シリーズで最も日の目をみなかった作品かもしれません。主演を務めた東山敬司も振るわずに僅か10話で打ち切りとなってしまいます。
真の意味で青春学園シリーズが復活するのは次のシリーズ第6弾「飛び出せ青春」でしょう。

飛び出せ!青春
青い三角定規が歌った主題歌「太陽がくれた季節」の大ヒットも後押ししたのでしょうし、メインで脚本を書いた鎌田敏夫 も良かった。しかし、なんと言っても村野武範、酒井和歌子をはじめとする出演者たちが個性豊かで素晴らしいのです!
全43話で、映画化にもなっています。青春学園シリーズ堂々の大復活です!!!
われら青春!
中村雅俊の初主演作で、青春学園シリーズの最終作、それが「われら青春!」です。中村雅俊が歌った「ふれあい」の大ヒットでも知られている作品ですが、これ主題歌ではありません。挿入歌です。主題歌は、いずみたくシンガーズ「帰らざる日のために」です。

青春学園シリーズは、「われら青春!」と「飛び出せ青春」以外は市販のソフトになったことがないそうなので、見る機会がなく残念です。資料としても残しておく価値は高いと思うのですが。。。
ところで、「青春とはなんだ」の出演者が後に再開している動画が残っているのですが、「青春とはなんだ」の答えがそこにありそうです。
視聴者だけでなく、出演者もまた青春を体感していたんですね。