中村晃子とは

中村晃子さんというと私の親の世代が懐かしいと思うかもしれません。
高校在学中に第2回ミス・エールフランスコンテストの準ミスに入選したことがきっかけで、松竹へ入社して銀幕デビューを果たした中村晃子さん。その2年後にはレコードデビューも果たし、1967年に「虹色の湖」をリリースしました。この当時はグループ・サウンズが全盛であり、女性ソロ・シンガーとして80万枚を売り上げました。
俳優としても歌手としても活躍されていた中村晃子さん。
今回はそんな中村晃子さんの後期の名曲「恋の綱わたり」を聴き直してみたいと思います。
ヒット曲「恋の綱わたり」
「恋の綱わたり」は1980年6月に発売された中村晃子さんの35枚目のシングルです。
TBSテレビ系列木曜連続ドラマ『離婚ともだち』の挿入歌となりヒットしました。

この曲は挿入歌として起用しているドラマ『離婚ともだち』の脚本家である福田陽一郎さんが作詞を担当しました。
中村晃子さんご自身がピアノの伴奏をひきながら歌ったこともあり、1980年の年間ヒットチャートでも第43位にランクされる程ヒットした曲です。
この曲が発売された頃、中村晃子さんは32歳でした。デビュー当時の可愛らしい女性から比べて素敵な大人の女性になっており、魅了された方も多かったのではないかと思います。
イントロのピアノがなんとも妖艶で大人っぽい雰囲気を醸し出していますね。
ドラマ『離婚ともだち』
このドラマには主演の大原麗子さんをはじめ、田村正和さん、藤竜也さん、浅野温子さんなどの俳優が出演していました。
その中で、中村晃子さんはピアノの弾き語りが出来るということで、プロデューサーの要望でクラブのママ役として出演されていました。
挿入歌を歌い、俳優としても出演されていたのですから、大変人気があったことが判ります。
歌詞について
"しがみつけば綱渡りは終わります 窓の外にあなたが幻たのはだれ?"
この"幻た"(みた)という表現が絶妙だなぁと思いました。
まさに幻だったのかもしれません。
恋には駆け引きや綱渡りがあるのだと思いますが、歳を重ねた人達に合う恋というものがあるのかもしれませんね。
作曲に携わった人達
作詞:福田陽一郎
東京大学文学部フランス文学科を卒業した福田陽一郎さんは、日本テレビに入社しディレクターや脚本家として活躍されました。
フリーに転身後も数々の脚本を執筆しました。また舞台で「ショーガール」等のオリジナルミュージカルを手がけ、日本に「エンターテイメント」を定着させた方でもありました。
2010年4月に肝臓癌の為死去。享年77。
作曲:三木たかし
三木たかしさんはもともと歌手を目指していたそうですが、師事した船村徹さんから「君は作曲家の方が向いている」と言われ方向転換した経緯があります。
その後、石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」、テレサ・テンさんの「つぐない」、「愛人」、「時の流れに身をまかせ」などの大ヒット曲を提供し、数多くの賞に輝きました。
「アンパンマンのマーチ」なんて有名ですよね。
2009年5月死去。享年64。
編曲:船山基紀

デビュー作が中島みゆきさん「アザミ嬢のララバイ」だということで、ほんとに凄い方なんだと思います。
1977年には沢田研二さんの「勝手にしやがれ」が第19回日本レコード大賞を受賞しました。
Winkや森川由加里さんなど、我々にはドンピシャで懐かしい楽曲を手掛けている方です。
個人的には五輪真弓さんの「恋人よ」の編曲を手掛けられた方として記憶しています。
「恋の綱わたり」を聴き直してみて
中村晃子さんの「恋の綱わたり」はいかがだったでしょうか?
当時リアルタイムでドラマを観ていた方は少ないかもしれませんが、テレビの『思い出の曲を特集する番組』でこの曲を聴いたことがある方もいらっしゃったかもしれませんね。

中村晃子さんは今ではご高齢になられていますが、当時は最先端を行っていた女性だったのだと思うんですよね。
現在では目立った芸能活動をされていない様子ですが、芸能界に確かな足跡を残した方だったと思います。
昭和の芸能史をよく知る方だと思いますので、いつまでもご健康でいて頂きたいと思いました。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。