「十五少年漂流記」を学校ぐるみでやってみたらどうか?というのがアイデアの元だそうです。壮大な物語ですが、描き始めるまえから既に冒頭からラストまでのストーリーは出来上がっていたとのことですよ。
「漂流教室」を含めた作品によって1975年に第20回小学館漫画賞を受賞しています。
1987年には大林宣彦がメガホンを取って映画化されました。
話題となりヒットもしたことで、早々に続編の話が出たそうですが当初は断念しています。しかし、なぜ未来の地球が砂漠化したのかを描きたいとは思ったそうで、それが1990年からビッグコミックスピリッツに連載された「14歳」です。
洗礼
老いを感じた母親が、美しさを取り戻すために自分の娘と脳を入れ替えることを企てる。という楳図かずおが持つ美への執着というテーマがよく表れている「洗礼」。そのテーマの完成形といってよい作品です。
洗礼
この作品は、怖い。スプラッター的な、視覚的な怖さではなく、人の心というものの恐ろしさを描ききっているのです。しかも絵が丁寧で美しいので、より効果的に恐怖感を覚えることになるという、実にイヤな、それゆえに目が離せない作品となっています。
「洗礼」は、1996年には今村理恵主演で映画化されました。
洗礼
「洗礼」の連載が終わった1976年からいよいよ「まことちゃん」が 週刊少年サンデーで連載開始。連載は1981年まで続き、いよいよ最後の10年が始まります。
今までのところ楳図かずおは90年代以降の作品はビッグコミックスピリッツに1990年~1995年まで連載された「14歳」のみです。年齢を考えると今後新作の連載は難しと思われますが、出来ることならば奇想天外な作品をまだまだ読んでみたいものです!