読まないと損をする、楳図かずおの70年代。日本の漫画史を塗り替えた素晴らしい作品ばかりです。

読まないと損をする、楳図かずおの70年代。日本の漫画史を塗り替えた素晴らしい作品ばかりです。

1955年に貸本漫画家としてデビュー以来、恐怖、スプラッター漫画からラブコメ、ギャグ漫画まで。少年、青年漫画から少女漫画まで。実に幅広く活躍している楳図かずお。いつの時代にも代表作と呼べる素晴らしい作品を残していますが、最高なのは70年代!70年代の楳図作品まとめました。


楳図かずお

奇才でしょう。変わり者といってもいいかもしれません。漫画家の楳図かずお のことです。個性が強すぎるとも言えますね。
しかし、その作品はご本人以上に個性的。他の追随を許さない、まさにオリジナリティといえます。

生年月日:1936年9月3日
出身地:和歌山県伊都郡高野町
職業:漫画家、タレント
活動期間:1955年~現在

楳図かずお

ホラー漫画の第一人者。日本にホラー漫画を定着させた第一人者と言ってよいでしょう。特に70年代の作品は傑作揃い!怖い。怖いけれども止めることが出来ない。読み続ける。怖い。ということの繰り返しで、ついつい夜更かししてしまうというのが楳図かずおの作品です。
では、70年代に楳図かずおが発表した連載作品をご紹介します!

猫目小僧

60年代、既に「紅グモ」「ヘビ少女」「赤んぼ少女」に「蝶の墓」といった傑作をものにしていた楳図かずおですが、70年代に入っても衰えを知りません。それどころか、ますます好調で代表作となる作品をバンバン発表しています。

先ずは「猫目小僧」ですね。

掲載誌:少年画報、少年キング、少年サンデー
発表期間:1967年 - 1968年、1976年

猫目小僧

「猫目小僧」は、1967年~1968年まで「少年画報」に連載され、その後、1968年「少年キング」、1976年「少年サンデー」に連載されました。
1976年にアニメ化されており、4月1日~9月30日まで放送されました。その際のタイトルは「妖怪伝 猫目小僧」となっています。

テレビアニメといっても、通常のものとは異なります。「ゲキメーション」。このカクカクとした動きは「ゲキメーション」といって、切り絵に特殊効果を加えたものです。奇妙です。しかし、この奇妙な感じが猫目小僧には相応しい。そんな気がします。なんとなく。。。

おろち

1969年に「おそれ」「死者の行進」といった短編を発表後、「猫目小僧」に続く連載物として「おろち」が始まります。
「おろち」も連載開始は1969年ですが、1970年まで続いています。

掲載誌 :週刊少年サンデー  
発表号 :1969年25号 - 1970年35号

おろち

「おろち」は9つのストーリーから出来ているオムニバス形式の作品です。主人公の おろち は、あまり物語に介入しません。傍観者に近い感じです。そういえば、猫目小僧もそんなところがあります。美への執着と共に、楳図かずお作品の特徴ですね。

2007年には実写版で映画化されています。

映画は9つあるストーリーの内、1話目の「姉妹」と最終話の「血」をベースに作られています。

イアラ

数ある楳図かずお作品の中で最も文学色が強い作品といっていいかもしれません。「イアラ」です。「おろち」と同じようにオムニバス形式がとられていますが、実情は随分違います。
最初の単行本化であるゴールデンコミックスで全6巻なのですが、青年誌ビッグコミックで1970年に連載されていたのは、このうち2冊分に満たないのです。

掲載誌:ビッグコミック
発表期間:1970年1月10日号 - 9月25日号

イアラ

「イアラ」という言葉の意味を求めて、第1章「さなめ」、第2章「しるし」、第3章「わび」、第4章「かげろう」、第5章「うつろい」、第6章「望郷」第7章「終焉」と続き「イアラ」という言葉の意味がこの第7章で解読されます。
では、その後は?残りの4冊は?といいますと、イアラと同じ愛をテーマにした傑作短編が収められています。そうなんです。「イアラ」とは本編と短編が合わさったものなのです。

「楳図かずお・イアラ」として、更に短編を追加した豪華愛蔵版などが出ています。その発刊記念として現在では入手困難ですが、楳図かずお直筆サイン入りリトグラフなるものが販売されていました。お宝ですね。

 額サイズ:縦約374×横約471mm
シリアル:限定500部

楳図かずお直筆サイン入りリトグラフ「イアラ」

単行本には1968年から1973年までに描かれた短編を集めて編んであるのですが、どれも素晴らしいです!ただ文学的であるがゆえにヒットしなかった。残念ですねぇ。

アゲイン

「アゲイン」。恐怖漫画の巨匠がギャグ漫画を画く。意外!それが週刊少年サンデーに1970年から1972年まで連載された「アゲイン」です。

掲載誌 :週刊少年サンデー 
発表号:1970年43号 - 1972年5号

アゲイン

実は、楳図かずお にとってギャグ漫画は初めてのことではありませんし、薬を使ってというアイデアも初めてではないのです。
1962年「なかよし」に掲載された「ロマンスの薬あげます!!」。これがベースですね。

掲載誌:なかよし
掲載年:1962年

ロマンスの薬あげます!

惚れ薬をめぐってのギャグ漫画なのですが、実はこの作品はラブコメディーの原点といわれるそうです。
で、同じようなアイデアを元にした「アゲイン」ですが、思わぬところからヒットします。薬よりも主人公の孫息子、沢田まことの人気が爆発するのです。

掲載誌 :週刊少年サンデー
発表号:1970年43号 - 1972年5号

アゲイン

脇役として登場しているこの幼稚園児は、1976年から「まことちゃん」の主人公となって更に大人気となります。

掲載誌:週刊少年サンデー 
発表号:1976年16号 - 1981年30号

まことちゃん

今では「まことちゃん」の方が有名になっていますが、実は「アゲイン」のスピンオフ作品なんです。因みに「まことちゃん」は1980年にアニメ映画化され東宝系で全国劇場公開されています。

漂流教室

主人公がひょんなことから過去に、若しくは未来に行ってしまうという話は珍しいことではありませんが、主人公を含む生徒が校舎ごと荒廃した未来に行ってしまうという未だに類を見ない秀逸な設定、それが「漂流教室」です。

掲載誌:週刊少年サンデー 
発表号:1972年23号 - 1974年27号

漂流教室

ある日、授業中に激しい地震に襲われた主人公が通う大和小学校。揺れはすぐに収まったものの、岩と砂漠だけの荒れ果てた大地に学校は移動していました。パニックに陥った教師たちは全員亡くなり、小学生だけが生き残ります。やがてここが文明の崩壊によって荒廃した未来の世界だと知った主人公たちは、互いに協力し生き抜く決意をするのでした。

「十五少年漂流記」を学校ぐるみでやってみたらどうか?というのがアイデアの元だそうです。壮大な物語ですが、描き始めるまえから既に冒頭からラストまでのストーリーは出来上がっていたとのことですよ。
「漂流教室」を含めた作品によって1975年に第20回小学館漫画賞を受賞しています。

1987年には大林宣彦がメガホンを取って映画化されました。

話題となりヒットもしたことで、早々に続編の話が出たそうですが当初は断念しています。しかし、なぜ未来の地球が砂漠化したのかを描きたいとは思ったそうで、それが1990年からビッグコミックスピリッツに連載された「14歳」です。

洗礼

老いを感じた母親が、美しさを取り戻すために自分の娘と脳を入れ替えることを企てる。という楳図かずおが持つ美への執着というテーマがよく表れている「洗礼」。そのテーマの完成形といってよい作品です。

掲載誌:週刊少女コミック
発表号:1974年50号 - 1976年?号

洗礼

この作品は、怖い。スプラッター的な、視覚的な怖さではなく、人の心というものの恐ろしさを描ききっているのです。しかも絵が丁寧で美しいので、より効果的に恐怖感を覚えることになるという、実にイヤな、それゆえに目が離せない作品となっています。

「洗礼」は、1996年には今村理恵主演で映画化されました。


監督:吉原健一
脚本:吉原健一
出演者:今村理恵、秋川リサ、田子千尋、網浜直子、吉田美江、楳図かずお
製作:東北新社、バップ、ビデオチャンプ
配給:アルゴ・ピクチャーズ
封切日:1996年2月24日
上映時間:93分

洗礼

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