名物マンションについて
先日のニュースで赤羽にあるスターハウスの保存が決定したと知りました。
そういえば昭和に建てられた個性的な住宅って、他にもありましたよね(^^)/
今回はそんな面白い住宅をまとめてみました!
まさに昭和の遺産であり象徴でもある住宅です。
さっそく確認してみたいと思います。
スターハウス
今回保存が決定したのは赤羽のスターハウスですが、貴重な昭和の遺産ですよね(^^)/
スターハウスは主に日本住宅公団・日本電信電話公社・地方公共団体が建設を推進した昭和の住宅です。上空から見るとY字型をしているのが特徴です。
大型のスターハウスも存在はしますが、主に公団・電電公社によって建設されたスターハウスは4~5階建てであり、基本的には1フロア3室になっていました。
どの部屋も角部屋であることが売りであったスターハウスですが、実際はもっと広く大きな建物が建てられる敷地にあるので、勿体ないということや老朽化の為に取り壊しが進んでいました。
今回そのスターハウスの保存が決定したことは、古い建物好きな方には嬉しいニュースだったのではないでしょうか?
とにかくユニークなスターハウス。一度直接見てみたいですね(^^)/
中銀カプセルタワービル
中銀カプセルタワービルは東京都中央区銀座8丁目にある集合住宅で、建築界のノーベル賞と言われるフランス建築アカデミーのゴールドメダルを受賞した黒川紀章さんの初期の代表作であると共に、メタボリズムの代表的な作品であるといわれています。
この住宅は見事な構造になっており、それぞれの部屋の独立性が著しく高く、部屋(カプセル)ごとに交換することも、技術的には可能な設計になっています。
ただ、実際には一部のカプセルのみを交換することが困難なので、現在に至るまで一度も交換されたことはないそうです。
芸術的価値な価値としても重要な中銀カプセルタワービルですが、老朽化の為に取り壊しの検討がなされているとか。
保存に向けクラウドファンディングで寄付を集めたりするなどの根強い人気のある建物です。
建築家:黒川紀章
軍艦マンション
東京都新宿区大久保1丁目にある軍艦マンションは、狂気の建築家、異端の建築家と呼ばれた陸軍船舶兵出身の渡邊洋治さんによって設計された全体に軍艦をイメージしたデザインの建物です。
各階のY字状の廊下に6畳の鉄製居室ユニット150基が取り付けられ、エアコンの室外機の設置を目的とした小さなベランダが設けられています。また艦橋のミサイルのように塔屋に取り付けられた円筒形の物体は受水槽です。
40年以上が経過し取り壊しが検討されたのですが、2011年にリノベーションがなされ、シェアハウスやSOHO、オフィスとして使用されることになりました。
設計を担当した渡邊洋治さんが残した建築物はそれほど多くありませんが、、力強くて大胆なデザインが特徴であり、この軍艦マンションも艦橋のような塔屋、まるで船の中に居る様な窓、メタリックな塗装、全体に漂う重厚感などがまさに渡邊洋治さんの遺したものだと思えます。
建築家:渡邊洋治
沢田マンション
高知県高知市薊野北町1丁目にあるこの沢田マンションは、驚くことに建築家の手によるものではなく、素人が独自に建てた鉄筋コンクリート造の建物であるというところです。
建築素人の沢田嘉農さんが44歳(1971年)に建設の着手をしたそうです。その頃の役所の対応は「強度に文句は言わないが、手数料の用意が出来たら許可は取ってくれ」という程度の、非常に大らかなものだったといいます。そして「設計図はわしの頭の中にある」として、きちんとした図面もなく独自に工事をしていったそうです。驚きますね。
現在では増築はせず改装や補強など現況維持にとどまっています。また、住民で自主防災組織を結成し、年に1度の避難訓練を行なうなどして、行政との関係も概ね良好であるとか。
耐久性にどこまでの信頼を持てるのか判りませんが、行政からの取り壊し命令が出ていないところを見ると、まだまだ大丈夫なのかもしれませんね。
まさに軍艦島とともに並んで「日本の九龍城」とも呼ばれ、建築物探訪の名所のひとつと呼ばれるだけある建築物だと思います。
三鷹天命反転住宅
三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller は、芸術家/建築家の荒川修作+マドリン・ギンズによる、世界で最初に完成した「死なないための住宅」です。
http://www.rdloftsmitaka.com/concept/三鷹天命反転住宅について | 三鷹天命反転住宅 - 荒川修作+マドリン・ギンズ
東京都東京都三鷹市大沢2丁目にある「三鷹天命反転住宅」は、岐阜県養老郡養老町高林にある「養老天命反転地」を建築したことでも有名な美術家である荒川修作さんの遺した建物です。
もともと1995年にテーマパーク「養老天命反転地」が作られ、その空間で日常生活を営めるようにと2005年に「三鷹天命反転住宅」が作られました。正式には「三鷹天命反転住宅~In Memory of Helen Keller~」という名称です。
全部で9戸の集合住宅は瀬戸内寂聴さん曰く「極彩色の死なない家」であり、三鷹市のランドマーク的存在にもなっています。
一見奇抜な住居ですが、そこで暮らす人達のことを考えた思いやりのある作品だと感じました。また、景観にそぐわないとしてトラブルも起きようなものの、環境に溶け込み認められているところが最も素晴らしいなぁと感じました。
尚、建築家の荒川修作さんは、紺綬褒章受章、紫綬褒章受章、フランス文芸シュヴァリエ勲章受章など、様々な章を授章された偉大な美術家であり、共同制作者であった奥様であるマドリン・ギンズさんと共に、素晴らしい芸術作品を世に残しました。
建築家:荒川修作
名物マンションをまとめてみて
名物マンションをまとめてみて、どれもこれもユニークであり、また挑戦的な作品であったなぁと思いました。
昭和を代表する建築家や美術家が残した貴重な遺産。これらの建築物は、昭和の大切な遺産として、これからも残っていってもらいたいと感じました。
今回ここには載らなかった建築物はまだまだあると思います。
興味のある方は、是非検索してみてください。
アッと驚く様な建物に出会えるかもしれません。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。