「復活の日」は角川映画にとって最後の大作となりました。巨額の製作費をかけると角川映画と言えども採算があわなくなったんですね。以降、角川映画はアイドルを中心としたスター・システムによる2本立て上映へとシフトしていきます。
1位 影武者
さていよいよ1980年の配給収入第1位、「影武者」の登場です。配給収入26.8億円の大ヒットを記録したとはいえ、黒澤明でさえも資金調達に苦しみながら完成にこぎつけた作品です。前作の「デルス・ウザーラ」も日本で撮ることが出来なかったんですよね、誰か資金を提供しろっ!世界の黒沢だぞっ!と声を大にして言いたい。で、それに応えたのが黒澤明を敬愛するフランシス・フォード・コッポラとジョージ・ルーカスでした。ありがとう。貴方たちのおかげで名作が形になりました!
影武者
面白い!これはやっぱり面白いです。黒澤明最後の傑作と言ったら怒られるかもしれませんが、そう言いたいほどに面白い作品です。まぁ、何と言っても設定がいいですよね。影武者とはね。
配給収入と作品の出来が見合った映画。そう言って良いでしょう。素晴らしい作品は多くの人に観てもらいたいですからね。
ところで、キネマ旬報のベスト10に入っているのは「影武者」だけですね。ヒットした映画が悪いわけではありません。かと言ってそれが名作として後世まで残る作品かと言えば、それも疑わしい。
「影武者」は、第33回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール(グランプリですね)をはじめ、世界各国で多くの映画賞に輝きました。しかし、日本アカデミー賞はひとつもとっていないんですよね。「二百三高地」がたくさんとったからでしょう。そこらあたりは大人の事情というヤツが絡んでいそうです。
映画をヒットさせるのは難しい。評価されるのも難しい。しかし、結局良い映画というのは残るってことですね。