「マツコ会議」に出演!魅惑のギター講師はあの『坂川美女丸』だった!!
2019年2月23日の「マツコ会議」(日本テレビ)にて、「ギター女子」が集まるというギター教室への潜入企画が放送されました。
近年、あいみょんを筆頭に注目されているギター女子。番組ではギターと歌で勝負したいと熱く語る女性歌手の方々が出演。未来のスター候補である女性陣ですが、ギターの実力は未完成の状態で、まだまだ伸びしろを残しているといった印象。
そうした歌手の夢を追いかける彼女たちに、ギターのテクニックを教える講師として登場したのが『坂川美女丸』さんでした!

「マツコ会議」にてマツコ・デラックスと共演!
番組内での坂川美女丸さんは、派手な服装と長髪をなびかせながら、ギター女子たちへの的確なギター指導を披露します。その明らかに”只者ではない”様子を見た総合演出のマツコ・デラックスさんも、坂川美女丸さんの正体が気になるご様子。
そして、マツコ・デラックスさんから年齢を聞かれた坂川美女丸さんは、「それは江戸からワープして来た関係で・・・」と言及を避けます。が、そこは察しの良いマツコ・デラックスさん!すぐさま「先生、ヒントが下手です笑」とツッコミを入れています。
「江戸からワープ」
そう、ミドルエッジ読者ならご存知!気になる坂川美女丸さんの正体は・・・

教え方に大人の色気を感じます!
イカ天でブレイク!カブキロックスのギターを担当!!
ヒントは90年代初頭に流行ったあの楽曲!歌詞は「O・EDO OEDOが空を飛ぶ」です!ってもうお分かりですね!
答えは、1990年5月に発売されたロックバンド「カブキロックス」のデビューシングル「お江戸-O・EDO」。そう、そのカブキロックスでギターを担当しているのが坂川美女丸さんなんです!!
※ 元禄3年(1690年)から現代へタイムスリップしてきたカブキロックスでは、ギターを六味線と呼んでいますが、現代人にもイメージしやすいように、本稿ではギターの呼称で統一させていただきます。

カブキロックス
日本の伝統芸能である歌舞伎をモチーフとしたメイクと和装でインパクトを与えたカブキロックス。
バンドオーディション番組のイカ天をご覧になっていた方は、当時特に衝撃を受けたのではないでしょうか。
イカ天出場時は、沢田研二の「TOKIO」を江戸時代風の歌詞にアレンジした同曲で見事完奏!その後、惜しくも正キングの座は逃しますが、氏神一番さんによるオリジナル曲「好色一代男」を披露するなど、番組内で確かな実力を証明することに成功します。
翌1990年には、次第にメディア出演が増え、前述のメジャーデビューを果たすまでの注目を集めました。

8cmシングル
世界でただ一人の「雅系ギタリスト」坂川美女丸
カブキロックスが飛ぶ鳥を落とす勢いのなか、その卓越したギターテクニックで楽曲のサウンドの根幹を支えた坂川美女丸さん。
1990年に開催された「全日本イカ天大賞」では、バンドとしては「ベストパフォーマンス賞」、ギタリスト個人としては「ベストプレイヤー 賞」を受賞されています!凄いですね!
そして、メジャーデビュー後にも「第21回東京音楽祭」「世界歌謡祭等」に出場。さらには「全日本有線放送大賞新人賞」も受賞されています。

坂川美女丸さん
80年代後半、所狭しと数多くのバンドが並び、切磋琢磨していた「第二次バンドブーム」最中の原宿。そこでいかに目立つかが最初の課題だったという坂川美女丸さん。
古着屋で見つけた安くて一番目立つ「晴れ着」に注目します。そして、それを衣装に設定すると、当然のように今度は派手なメイクをし始めます。カブキロックスの原点ですね!
当時、アマチュアながらライヴハウスや原宿のホコ天でパニックを起こすほどの人気を獲得しているんです!

坂川美女丸さん
坂川美女丸さんの秀でた才能のひとつに、ご自身を俯瞰してご覧になり、常にオリジナルのギタリスト像を維持・更新されている点があります。
セルフプロデュースに長けた坂川美女丸さんは、自身を「雅系ギタリスト」と称し、独自の和音階を駆使したフレージングを得意としています。坂川美女丸さんだけの叙情感あふれる独特の音。それをストロングポイントとすることが、唯一無二の存在感に繋がっているのではないでしょうか。
また、かつてQUEENやKISSに憧れたことも公言されています。ともすれば派手な外見が”同じ括り”にされる可能性もある両バンドからの影響を隠すこと無く、彼らのパフォーマンスやオーラへの憧れを平然と語られています。
プロとしての自負を持ちながらも、他者をリスペクトする姿勢も持ち続けていらっしゃいます!カッコいいですね。
ミドルエッジ編集部は今回、坂川美女丸さんにメールインタビューをご依頼!快く引き受けてくださいました!
下記よりご覧ください!イカ天に関するエピソードも聞けちゃいますよぉ!
インタビューで色んなことを聞いてみた!!

16歳でギターを始めた坂川美女丸さん。
プロのギタリストを目指し始めたのはいつ頃からですか?

それが困った事に”この瞬間”というのが無いんです。「目の前でスーパーギタリストの演奏を観て」なんて劇的なのが有れば良いんですが。
あえて言えば大学卒業時に就活もせず、まわりが髪を切ってスーツなんかを着始めるのを他人事の様に思って見ていましたから、初めて社会のシステムから外れたのがその時だとすればこれがそう。23~24歳の頃?遅いですね。

イカ天の審査員からは派手な見た目で判断され、プロでは通用しないと批判的な意見がありました。
そうした批判を当時、カブキロックスのメンバーは、どう受け止めていたんですか?

エッセイを読んでもらえばそのあたりの経緯がわかるんですが、カブキロックスというのはVoの氏神一番とヒステリックグラマーのVo以外のメンバーがイカ天の為だけに合体した、いわば一時的なユニットだったんです。なので心底失望したとかそういうのは無かったですね。元々イロモノ扱い上等的なノリもありましたから、むしろ予定通り。
今映画で話題のQUEENなんかもデビューした当時は「こんなバンドが売れたら帽子を喰ってやる!」とまで酷評されましたからね。ボクらの場合は「東京湾を逆立ちして渡ってやる!」でしたがw

ミドルエッジでは、同じイカ天出身のロックバンド「人間椅子」の和嶋慎治さんのインタビュー記事もございます。
坂川美女丸さんと和嶋慎治さん、さらに氏神一番さんを加えた御三方でバンド「かぶき椅子」を組まれていますが、どういった経緯で結成されたんでしょうか?

和嶋くんとは「全日本イカ天大賞」のベストプレイヤーズバンドで、武道館で共演して以来色々と話す様になりました。音楽的なバックグランドが似ていて、二人とも70年代のハードロックやプログレが大好きだったし、お互い和テイストのバンドをやっているという点でも、通じるものが有ったんでしょうね。
あとミュージシャン仲間では文学関係の話ができる人ってなかなかいないんですよね。当時二人とも高円寺に住んでいて家も近かったんで、よく一緒に飲んだりとかしました。実は今も近所なので先日も道で偶然会ったりしましたがw
90年代半ばの頃だと思いますがバンドブームも一段落して、たまたまですが両方のバンドでメンバーチェンジとかも有って活動が止まっていた時期が有ったんですよね。で、何か一緒にやろうという流れで。
氏神は元々ロックバンドのライヴで叩き上げてきたタイプでは無かったので、バンドの爆音の中で歌うのは実は不慣れでした。そこでアコースティックでやってみたらとても良い持ち味が引き出せた。それでアコギユニットなんか良いよね、なんて流れの中にうまくこの三人がはまった感じです。
実は当時和嶋くんはアコギを持っていなかったんです。なぜか偶然にもちょうどその頃ヤマハのアコギを道で拾ってw ずっとそれを使っていた。

イカ天に出演していたバンドで、今も印象に残っているバンドはいますか?

番組の最後の方に出たノアハウスというバンドはカッコ良かったですね。バンド全体がドライヴしていて、すべてが日本人離れしていて”ホンモノ”って感じがしました。チケット買ってライヴにも行ったくらい。そうそうLANPAのヴォーカルも良かったなぁ。アッ,女性Voばかりですねw
あと強烈な印象というと梅毒ジェラシーかな。番組ではサルみたいなメイクで女性の下着をかぶって「週刊秩父伝説」とかやっていたとんでもないバンドだったんですが、その後イベントで共演したら、もうホントに今時こんな人がいるのかと思うくらい純粋でシャイな連中で。有る意味衝撃的でした。

著書「ギタリストを笑え!イカ天出身バンドだった頃」では、知られざる苦悩にも触れられています。同書にご自身の半生をまとめようと考えたきっかけは?

元々ブログとかメルマガでロックのコラムを、そうLedZeppelinやDeepPurple、King Crimsonとか、自分の聴いて来たCDを一枚取り上げて、その中にそれを聴いていた当時の自分のエピソードなんかも織り込みながら書いていたんです。それがある出版関係の方の目に止まって、面白いから本にしてみたらどうかとの連絡をいただいたのが直接のきっかけです。
それで著者のバンド経歴から言えばイカ天がはずせないわけで、そのあたりのバンド結成から番組出演、デビューまでの経緯やエピソード、裏話的なものも色々書いたら面白いんじゃないかという話になって。
ただこの「イカ天出身バンド」というタイトル。今は全く抵抗はないですが、当時はやはりこのイメージを早く払拭したいと言う気持ちの方がまだ強かったですね。グレイやジッタリン・ジンみたいに、一切イカ天がらみの話を封印とまではいきませんでしたが、ソロ活動では当然白塗りメイクもしないし、正直このタイトルも気が進みませんでした。過去形にした事で自分を無理に納得させたみたいなw
まぁ書いた当時ですでに番組終了から15年経過していましたから、すでにあの番組やバンドブーム、バブルの頃の乱痴気騒ぎの記憶は完全に過去のものでした。今残しておかないと誰も書けないみたいな妙な義務感はもありましたね。

坂川美女丸 (著)「ギタリストを笑え!イカ天出身バンドだった頃」Kindle版

「マツコ会議」に出演してみて、何か反響はございましたか?

とりあえず放送翌日に入ったお店でウエイトレスさんから「昨日見ました!」と声をかけられました。帽子も無くごく普通の服装だったんで、よくわかるなぁと。
トータルではやはり番組の内容からか、新曲の音源が送られて来て何かアドバイスを下さいとか、自分たちのバンドも見て欲しいとか。今ガールズバンドのプロデュースもやっているのですが、その前段階みたいな依頼が増えましたね。自分で弾くのではなく、バックアップ的な依頼が多くなって、それがはたして良いのか悪いのかw
あと番組とは直接関係ないかも知れませんが、ヨーロッパや南米とか海外からのメッセージやオファーも何故か急に増えました。やはり和音階的なものは、彼らにはとてもエキゾチックなものに感じられるらしいですね。

ミドルエッジ読者には趣味でギターを続けてきた方も多いかと思います。中高年になってもギターは上達しますか?また、良ければアドバイスをいただけますか?

もちろん大丈夫です。学生の頃一度トライしたけど挫折して、ある程度の年齢になられて時間にも余裕ができたので、もう一度基礎からきちんとやってみようかとレッスンにいらっしゃる方は多いです。
アドバイスとしては、こちらの読者の方には経済的にも余裕があって、高価なギターをお持ちの方も世代的には多いかと思いますが、とにかくギターを身近に置いてしまい込まない事をお勧めします。弾くたびに磨いてケースに入れたりしない事。楽器は使ってナンボです。
TVを見ながらでもPCをいじりながらでも良いので、思いついた時にちょっと手を伸ばせば弾ける位置に置きましょう。それが練習なんて呼べない弾き方でもかまいません。上達度は間違いなく楽器に触れている時間に比例します。

最後に「雅系ギタリスト」坂川美女丸として、今後の展望を教えてください。

ここ数年はプロデュース業とか、アコギユニットである剣☆美☆氏とか、ソロでもギターインスト等、色々やっていますが、実は来年2020年がカブキロックスのデビュー30周年になるので、まずはここでしょうね。
また今年がイカ天出演30周年という事で、それぞれそこに向けて今から色々な企画が予定されています。おそらくメモリアル的なイベントになると思いますが、KISSの例をあげるまでもなく、見た目の劣化が一番少ないバンドですからw 当時を知っている人はもちろん、カブキロックスを初めて見る方にも充分楽しんでいただけるものになると思います。
著書や作品の発売情報
前述の著書「ギタリストを笑え!イカ天出身バンドだった頃」は、AmazonにてKindle版としてご購入できます。イカ天の以前以後を赤裸々に語られています。
感性豊かな文章表現も魅力で、レビューも高評価ばかりなので、よければご一読ください!
もちろん現在も精力的に音楽活動をされています!作品の発売もコンスタントに続けられています。
2018年には、氏神一番さんと並んだジャケット写真がファンにはたまらない「しあわせの月」をはじめ、坂川美女丸さんがサウンドプロデュース &アレンジ を担当したMercuryの1st Single「loser / in the rain」を発売。
2016年には美女丸BANDの1st ALBUM 「Tales of Astral ~天空伝説~」、2015年には「KABUKI ROCKS/NOW & BEST ~今昔詩歌集~」、2014年には「As Close As Possible」を発売しています。
「As Close As Possible」はCD未収録ながら、ライヴではおなじみだった楽曲。2014年3月から配信が開始されています。
これまでも、これからもカブキロックスの坂川美女丸さんに大注目です!!

「しあわせの月」

Mercuryの1st Single「loser / in the rain」

「Tales of Astral ~天空伝説~」

「KABUKI ROCKS/NOW & BEST ~今昔詩歌集~」

「As Close As Possible」
各リンク
坂川美女丸オフィシャルサイト | NEWS
坂川美女丸official(@Bijyomaru_offi)さん | Twitter
坂川 正美 | Facebook