円谷恐竜三部作
円谷恐竜三部作とは、円谷プロダクションが恐竜をテーマに製作した三つの作品をいいます。
恐竜探険隊ボーンフリー
「円谷恐竜三部作」の第一弾であるこの作品は、恐竜やメカ等はモデルアニメーションを含むミニチュアによる実写特撮と、人間などのキャラクターはアニメーションという「立体アニメーション」という手法で作られていました。
ストーリーとしては1996年が舞台になっており、放送当時の1976年からすると近未来という設定だったのが判ります。
彗星接近で地殻変動が起き、恐竜達が地上に現れるという内容。「ボーンフリー隊」という組織が、その恐竜達を密猟者などから保護する活動をするという作品でした。

恐竜大戦争アイゼンボーグ
「円谷恐竜三部作」の第二弾であるこの作品は、前作同様キャラクター部分はアニメ、恐竜や巨大ヒーローの活躍場面は特撮実写で製作されました。
前作で恐竜の保護を中心としたことから戦闘描写をしづらくなった反省があり、この作品では恐竜を人類の敵として描かれています。それに対して主人公のアイゼンボーグ率いるD戦隊が立ち向かうという設定でした。
七千万年前に絶滅したはずの恐竜たちが、超能力を持って蘇り人類に宣戦を布告するという強烈なストーリーであるこの作品。恐竜達から宣戦布告されたら、戦わないわけにはいかないですよね(笑)
しかも、主人公は事故によってサイボーグという設定。
兄妹愛もうかがえる内容となっています。
もうあらゆる要素が盛り込まれ過ぎていて、ある種のカオスさえ感じさせるストーリーとなっています。
これは良作ですね(^^)/

恐竜戦隊コセイドン
「円谷恐竜三部作」の第三弾で、前二作とは異なり、全て実写で製作されました。
前二作は、現代に恐竜が蘇るという内容でしたが、この『恐竜戦隊コセイドン』ではタイムトラベルで赴く設定となっています。
スター・ウォーズからの影響を受けている様子もあり、ストーリーもコセイドン隊と異星人や犯罪者などとの戦いが中心で、恐竜そのものは副次的な要素に留まっていました。
コセイドンカッコいいっすねぇ!!
なんかシビれました(^^)/

尾道三部作
尾道三部作とは、映画監督として日本の映像史を最先端で切り拓いた、映像の魔術師と呼ばれる大林宣彦監督が、尾道を舞台に撮影したファンタジー要素のあるほろ苦い青春の三部作をいいます。
転校生
1982年に公開されたこの映画は、児童文学作家の山中恒さんの作品である『おれがあいつであいつがおれで』を映画化したものでした。
男の子と女の子の心が入れ替わってしまうという内容で、次第にお互いの絆が深まっていく見応えのある作品です。
小林聡美さんの若き頃の名演技が光る作品でした。
ちなみに、この作品は2007年にリメイクされており、1982年版を「尾道転校生」、2007年版を「長野転校生」と呼び分けることもあるそうです。

時をかける少女
この映画は1983年に公開されており、原田知世さんが主演したことにより、大ヒットとなりました。
もともとは筒井康隆さんのSF小説が原作です。
時間を跳躍する不思議な能力を持つことになった少女が、未来から来た青年との出逢いなど、さまざまな経験を重ねていく物語となっています。
ちなみに、主題歌は作詞・作曲が松任谷由実さんの「時をかける少女」であり、主演の原田知世さんが歌っていました。
尾道三部作で最も有名な作品だと思います。

さびしんぼう
1985年に公開されたこの映画は、尾道三部作の完結編といわれています。主演は富田靖子さんでした。
瀬戸内の尾道を舞台に、少年の恋をノスタルジックに描いた作品であり、尾道の町を舞台に織り成す、懐かしくも悲しい初恋の物語になっています。
ショパンの「別れの曲」が全編にわたって使用されており、この作品を象徴する曲となっています。
ちなみに、『さびしんぼう』という言葉は大林宣彦監督の造語であり、子供の頃から使っている言葉で、8mmにもシナリオにも『さびしんぼう』を題名にしたのが何本かあるそうです。

新・尾道三部作
新・尾道三部作とは、大林宣彦監督が1990年代に撮影した尾道を舞台にした三作の映画をいいます。
ふたり
この映画は1991年に公開されたのですが、もともとNHKのテレビドラマとして製作され、テレビ放映後再編集して劇場公開された作品です。
新・尾道三部作の第一弾といわれており、尾道の風景が映画の随所に使用されています。
原作は赤川次郎さんの小説で、突然事故で亡くなったしっかり者の姉と、その姉を慕っていた妹の成長物語になっています。
主演を演じる石田ひかりさんと、姉役の中嶋朋子さん名演技が素晴らしいものでした。

あした
1995年に公開されたこの映画は、新・尾道三部作の第二弾でした。
この作品は、赤川次郎さんの小説『午前0時の忘れもの』が原作となっています。
尾道沖で遭難した船には9名の乗客がおり、絶望的と言われてから三か月が経った頃、恋人、夫、妻、家族のもとに「今夜午前0時、呼子浜で待っている」という不可解なメッセージが次々と届きます。そこで不思議な夜を迎えることになります。
人の死がテーマとなっている作品であると同時に、せつなくもロマンティックに描かれた素晴らしい内容となっています。

あの、夏の日
この映画は尾道市制100周年を記念して製作され、1999年に公開されました。
これまでの尾道三部作や「ふたり」「あした」とは違い、主人公にはおじいさんとその孫を登用した、幻想的な展開の作品になっています。
痴呆気味のおじいさんの心の世界を旅する様な内容で、尾道の夏を舞台に上手で丁寧に作り上げられた、尾道シリーズの最後の作品でした。

平成ガメラ三部作
1960年代に初めて公開されたガメラシリーズ。
そのガメラが平成になって蘇ったのを、平成ガメラ三部作と呼んでいます。
ガメラ 大怪獣空中決戦
栄えある平成ガメラシリーズの第一弾であるこの作品は、ガメラ生誕30周年の記念として製作されました。
怪鳥ギャオスが押し寄せる中、ガメラがが立ち向かいます。
この作品は大映の要請で金子修介さんが監督を務めました。
平成ガメラシリーズの中では、最も内容が良かったという声もありました。

ガメラ2 レギオン襲来
1996年に公開されたこの映画は、平成ガメラシリーズの第二弾でした。
この作品も金子修介さんが監督を務めました。
作品の時系列としては、前作から1年後の冬という内容になっており、宇宙怪獣レギオンと自衛隊、ガメラの戦いが描かれています。
この作品は、1996年の第17回日本SF大賞を受賞し、1997年の第28回星雲賞の映画演劇部門・メディア部門賞を受賞しました。映画として初めての日本SF大賞受賞となっています。

ガメラ3 邪神覚醒
1999年に公開されたこの映画は、平成ガメラシリーズの第三弾で、前二作を受けての完結編として製作されました。
前作から3年後の世界が舞台となっており、覚醒した怪生物イリスと世界中で大量発生しているギャオスとガメラ、そして人々の戦いが描かれています。
平成ガメラシリーズの前作、前前作とは時系列的につながりがあり、三部作の完結編ということから、今までの出来事に直接触れられるシーンも複数あり、それらがこの三作目に大きく関わっています。
迫力のあるガメラが平成で蘇ったのは、ファンにしてみれば嬉しいことだったと思いますね。

平成モスラ三部作
平成モスラ三部作とは、1961年に公開されたモスラを題材に、平成になって三部作として製作された映画をさします。
モスラ MOTHRA
この作品は1996年に公開された平成版モスラの第一弾になります。
地球規模の環境問題や家族の絆が織り込まれた新生モスラが中心となり描かれた物語で、1961年のモスラとは異なり、怪獣映画特有の破壊ではなく、ファンタジー要素の強い作品でした。
個人的なことなんですが、この作品のエリアス姉妹の三女ロラ役だった山口紗弥加さんが大好きです(笑)

モスラ2 海底の大決戦
1997年に公開された平成モスラシリーズ第二弾。
前作同様環境問題をテーマとしつつ、子供たちの冒険譚としての側面も強調されています。
ちなみに脚本の末谷真澄さんは水辺を舞台とする作品を多く手がけており、この作品も海が物語の中心となっていました。
加えて、この作品の人間側の主人公であった浦内汐里役を演じたのは、今では人気女優の満島ひかりさんであり、この作品が映画初出演作となりました。

モスラ3 キングギドラ来襲
1998年に公開されたこの映画が平成モスラ三部作の最終編となりました。
タイトルの通り、キングギドラが現れるのですが、衝撃的なのはモスラがキングギドラに敗れてしまうことなんですよねぇ・・・
そしてタイムトラベルで過去に向かい、キングギドラ幼体と戦うというストーリー。
なんとも見応えのある三部作だったと思います。

ホイチョイ三部作
ホイチョイ三部作とは、バブル景気の象徴ともいえるホイチョイ・プロダクションズが生み出した映画三作をさします。
ホイチョイ・プロダクションズのスタッフは謎が多いですが、クリエイター集団であり、当時の流行の最先端を行っていたのは間違いありません。
私をスキーに連れてって
この映画は1987年に公開されたホイチョイ三部作の第一弾にあたる作品です。
普段は冴えないサラリーマンなのに、一旦ゲレンデに出れば、誰もが舌を巻く名スキーヤーになる矢野文男(三上博史)と、スキー場で出会った池上優(原田知世)のラブストーリー。
ホイチョイ作品だけあって、お洒落な演出盛り沢山の映画で、皆さんも記憶に残っているのではないでしょうか?
スキー映画の金字塔でしたね(^^)/
とにかくユーミンの曲が最高でした!

彼女が水着にきがえたら
1989年に公開されたこの映画は、ホイチョイ三部作の第二弾として公開されました。
マリンスポーツをテーマとし、湘南エリアと東京湾内を中心にロケが行われました。但し、海の中のシーンは沖縄で撮影されています。
作中でサザンの音楽が流れていたのが印象的なこの映画ですが、ダイビングやクルージングといった、ちょっと一般より優雅な趣味がテーマだった為か、前作より興行収入は振るわなかったそうです。
とはいえ、水着姿の原田知世さんは可愛いし、織田裕二さんの出世作として、貴重な映画だと思います。

波の数だけ抱きしめて
1991年に公開されたホイチョイ三部作のラストの作品がこの映画になります。
主演は中山美穂さんと織田裕二さんでした。
神奈川県の湘南にある小さなFM局を主な舞台とした、若者の青春物語です。
切ない恋もあり、この作品も見応えのある出来栄えとなっていました。
また、映画の内容もさることながら、AORやユーミンの挿入曲も大変素晴らしいものでした。
お洒落なホイチョイ三部作を締めくくるのに相応しい映画だったと思います。

証明三部作
証明三部作とは、森村誠一さんの長編推理小説を原作に、映画とテレビドラマになった三作をさします。
人間の証明
この作品は1977年に公開された映画です。
当時の日本映画としては稀にみるニューヨークでのロケが行われたことでも有名でした。
この映画は原作である小説とは異なるエンディングを演出しており、当時は「読んでから見るか、見てから読むか」という宣伝文句も話題になりました。
ちなみに、ジョー山中さんが歌った主題歌である「人間の証明のテーマ」はベストテン入りを果たし、ヒット曲となりました。また、松田優作さんの演技も素晴らしいものでした。

野生の証明
この作品は1978年に公開されました。
内容は、東北の寒村で大量虐殺事件が起こり、その生き残りの少女と、訓練中、偶然虐殺現場に遭遇した自衛隊員の二人を主人公に、東北地方の都市を舞台にした巨大な陰謀が描かれています。
ちなみに、この作品では自衛隊が好意的に扱われていなかったので、防衛庁から一切の協力が得られなかったそうです。その為、アメリカでの撮影も行われ、実際には自衛隊に配備されていない戦車等も作中には出てきました。
作品の内容も素晴らしいのですが、高倉健さん、薬師丸ひろ子さんの熱演が見ものです。

青春の証明
この作品は証明三部作の中で唯一映画化されておらず、テレビドラマのみになっています。
暴漢に襲われたカップルを助けようとした警察官が、逆にナイフで刺されて死亡してしまいます。しかし、助かったカップルは何故か現場から逃走。その数日後にカップルは別れることになるのですが、その際女性は男性に対して「卑怯者!」という言葉を残します。その男性は汚名を晴らす為に刑事となり、一生をかけて意地を貫き通していくという物語でした。
他の二作に比べてエンターテイメント性がやや低いというレビューも見かけました。その為、映画化は難しいのかもしれませんが、流石は森村誠一さんの作品だけあって、とても重厚な内容となっています。

邦画三部作を振り返ってみて
邦画三部作をまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?
皆さんにとって懐かしい作品があれば幸いです。
尾道シリーズは、どれも心温まる内容で、日本を代表する映画だったと思います。
個人的にはホイチョイ三部作はまた観たいと思いますね。 バブル真っ盛りのあの時代を、もう一度映画を通して体験してみたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!