『ガンプラり歩き旅』その79 ~リアルガンプラ派も必読! SDガンダムプラモにしかない、お宝パーツを備えたSDサザビー!~

『ガンプラり歩き旅』その79 ~リアルガンプラ派も必読! SDガンダムプラモにしかない、お宝パーツを備えたSDサザビー!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。 新展開では『機動戦士Zガンダム』(1985年)『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)まで、旧キットから最新のHGUCまで、商品の発売順に、再現画像と共に網羅紹介していこうという趣向になっております!


.

『逆襲のシャア』劇中より。サザビー頭部から射出される脱出ポッド

それをすかさずνガンダムがキャッチ。抵抗どころか身動きできない状態でポッドに閉じ込められたままのシャアと、そのポッドを手にしたνガンダムが、地球へ落下しようとするアクシズに向かいます。

.

『逆襲のシャア』劇中より。νガンダムが両手で抱えてこの大きさ。ジオングの頭の中だってもうチョイ小さい気が……

その時、νガンダムはサザビーの脱出ポッドを手にしたままで、ここも当然再現の上では重要なシーンになるのですが……。

.

『逆襲のシャア』劇中より。うーん。いきなり脱出ポッドのサイズが、少し小さく変化してるような気が……

実はこのシーン、よくある「二次元の嘘」なのです。
よく観てください、2枚目の写真を。サザビーの脱出ポッドをνガンダムが両手で抱えています。サザビーの頭部はνガンダムと同等程度の大きさだったはずで、画像のポッドの大きさでは、あきらかに頭の中に入り切らないのです。
ここでバンダイ、ガンプラは、未来永劫解決することが不可能なジレンマのはざまで苦しみます。
アニメの設定に忠実に、頭部に収まる大きさでサザビーの脱出ポッドを作って、頭部着脱可能ギミック優先にすると、取り出した脱出ポッドがνガンダムの指でつまめる程度の大きさにしかなりません。
逆に、νガンダムが両手で抱える大きさで脱出ポッドを作ると、今度はそれを収納すべきサザビーの頭部が「小顔・脚長」のイマドキスタイリッシュを無視してしまい、むしろ、それこそSDかってぐらいに頭部だけが大きくなってしまいます。

なので、今現在発売されている1/100 MG版、及び1/144 RG版では、「脱出ポッドが頭部に収まっている」のではなく、「脱出ポッドを核にして、頭部の各装甲が張り付いている」構造にアレンジして素知らぬ顔を決め込んでいますが、MGやRGの構造だと劇中画像1枚目のようにはポッドは脱出できません。
さぁバンダイは困りました。大河さんも困りました。

.

キット自体の出来は、児童層向けとしての良いバランスで構成されているSDサザビー

最終的にバンダイがHGUCで決め込んだ判断は「脱出ポッドの存在自体をガン無視」でした。
HGUC版サザビー頭部は、モノアイ可動ギミックに決め撃ちして、脱出ポッドは存在にすら触れられませんでした。
賢明な判断だったでしょう。例えオプションでも付属させていたら、頭部に収納できなければ文句を言われ、νガンダムに持たせたときに小さければ文句を言われ、どちらにせよ濃いマニアに吊るし上げられて散々な目にあったに違いありません。
要するに、アニメ制作当時の「二次元の嘘」が壁となって、サザビーをスケールキットで再現する時には、脱出ポッドの着脱ギミックは再現不可能なのです。
そして矛盾から逃げる道を選んだバンダイのおかげで、今現在「1/144 サザビーのアニメ設定どおりに収納される脱出ポッド」はどこにも商品が存在しないのです。

.

HGUCのνガンダムとサザビーと、この脱出ポッドとの比較

そこで大河さんはこれを見つけるまでは、クライマックスの再現での脱出ポッドには、それっぽい球体素材を「見立て」で使うというのも選択肢でした。
幸いにも脱出ポッドは基本的には余計なディテールのない球体ですし、あとはパネルラインが彫られているだけですから、写真や画像の角度や加工で誤魔化せれば御の字です。
しかし。
あったのです。
正確には「1/144 サザビーの頭部に入る脱出ポッド」ではなく、あくまで「1/144 νガンダム」が「手に持って程よい大きさ」の「サザビーの脱出ポッド」のガンプラパーツが、ここにあったのです。

.

試しに、HGUCサザビー頭部のカバーの中に乗せてみる。既にオーバースケール

確かにSDガンダムシリーズはノンスケールですし、そもそもスケールを問う性格の模型ではないです。しかし、もとからこっちの目的は「二次元の嘘」を再現する横車押しですし、なにより「その辺にあった球体素材」ではなく「正規ガンプラのパーツ」であるということはポイントが高いです。
写す角度さえ間違えなければ、ポッド表面のディテールも初めから正確に入っています。これぞまさに「1/144 サザビー脱出ポッド」と言えるのではないでしょうか?

.

しかし、先ほどの劇中場面を再現させようと思うと、νガンダムが両手で抱えるというほどの大きさではないことも見て分かるとおり

ガンプラだけではなく、バンダイはたまに「こういう仕掛け」を広い商品枠で配置します。
一時期の「装着変身」の平成仮面ライダーとサイズが合うバイクが、正規バンダイの商品内にはなく、系列会社のバンプレストのプライズ商品で出てきたバイクがサイズがぴったりだったとか。現在ウルトラマンシリーズの可動フィギュアはフィギュアーツがメインですが、2013年まで売られていたウルトラ怪獣シリーズのソフビは、宇宙人相手だとウルトラACTがサイズが合いますが、怪獣相手だと今のフィギュアーツがちょうどサイズが合うとか。

.

「たかが石ころ一つ、νガンダムで押し出してやる!」の名シーン再現も、この脱出ポッドがあればこそ

このGジェネ版サザビーの脱出ポッドも、企画した側はあくまでネタ的な、お遊び的な発想でパーツ化されたのかもしれませんが、「リアルタイプスケールガンプラ」が抱えて解消できない矛盾を、「SDガンプラ」が補完すると考えると、断絶感のあったリアル派とSD派の間に、見えない絆のようなものさえ感じられます。
広大なガンプラの歴史と商品点数です。
探せば他にも、リアルとSDを繋ぐアイテムが見つかるのかもしれません。

(追記・今回の記事本編は、RG サザビーの仕様が発表された8/8以前に執筆されました。なのでこの記事が掲載される時点では「1/144 サザビーの脱出ポッドはガンプラ化されていない」は上書き修正されるべきですが、仮に「サザビー本体はHGUC版で満足だから、脱出ポッドのためだけに5千円近くも出したくない」という方の参考になれば幸いです)

市川大河公式サイト

関連する投稿


ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムが伝統工芸「卯三郎こけし」に変身!木の温もり溢れる3体が登場。限定セットは台座付き

ガンダムの世界観を表現するアパレルショップ「STRICT-G」より、群馬県の伝統工芸「卯三郎こけし」との初コラボ商品が登場。ガンダム、シャア専用ザク、量産型ザクが、職人の手仕事による温かい木製こけしになりました。2026年1月5日から予約開始。ファン必見の「和」の逸品を詳しくご紹介します。


SDガンダム外伝の「黄金神話」のカードが、全種プリズム箔押し仕様の「スペリオルドラゴンエディション」で復活!!

SDガンダム外伝の「黄金神話」のカードが、全種プリズム箔押し仕様の「スペリオルドラゴンエディション」で復活!!

バンダイナムコグループ公式通販サイト「プレミアムバンダイ」にて、「SDガンダム外伝」シリーズより『新SDガンダム外伝 黄金神話 スペリオルドラゴンエディション』が発売されます。


放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

放送開始から40周年!『金曜ロードショー』の初代OP映像がまさかのプラキット化!!

ホビー通販大手の「あみあみ」より、メーカー「スタジオシュウトウ」が展開する『金曜ロードショー プラキット』が現在予約受付中となっています。


「パックマン」45周年スペシャルモデル!Xboxなどに対応した「ワイヤレスコントローラー」が登場!!

「パックマン」45周年スペシャルモデル!Xboxなどに対応した「ワイヤレスコントローラー」が登場!!

アコ・ブランズ・ジャパンより、アメリカのゲーミングアクセサリーブランド「PowerA(TM)」(パワーエー)の「パックマン」45周年スペシャルモデルの新商品『ワイヤレスコントローラー for Xbox Series X|S - パックマンSE』が発売されます。


50周年記念!『1/700スケールプラモデル 宇宙戦艦ヤマト[放送50周年 庵野秀明プロデュース版]』が発売決定!!

50周年記念!『1/700スケールプラモデル 宇宙戦艦ヤマト[放送50周年 庵野秀明プロデュース版]』が発売決定!!

バンダイナムコフィルムワークスより、『宇宙戦艦ヤマト』のTV放送50周年を記念し『1/700スケールプラモデル 宇宙戦艦ヤマト[放送50周年 庵野秀明プロデュース版]』が発売されます。


最新の投稿


ドラマ『俺たちの旅』50周年!中村雅俊、秋野太作、田中健、岡田奈々が再集結する2026年秋ツアー決定

ドラマ『俺たちの旅』50周年!中村雅俊、秋野太作、田中健、岡田奈々が再集結する2026年秋ツアー決定

1975年の放送開始から50年。伝説の青春ドラマ『俺たちの旅』の主要キャスト4名(中村雅俊、秋野太作、田中健、岡田奈々)によるスペシャルコンサートの2026年秋ツアー開催が決定しました。各地で完売が相次いだ熱狂を受け、内容を一新。名曲と共に、今だから語れる秘話が詰まった夢のステージが再び幕を開けます。


『eフィーバーキン肉マン』発売決定!聖地・沼津に実機展示&「なすなかにし」試打動画も公開予定

『eフィーバーキン肉マン』発売決定!聖地・沼津に実機展示&「なすなかにし」試打動画も公開予定

株式会社SANKYOから新機種パチンコ『eフィーバーキン肉マン』が登場。2026年4月の導入に先駆け、静岡県の「キン肉マンミュージアムin沼津」にて先行実機展示がスタートしました。キン肉マン好き芸人「なすなかにし」の試打企画や、QUOカードPayが当たるSNSキャンペーンも実施される注目の新台です。


連載45周年!葛飾区で『キャプテン翼』と11人のエピソード展開催。小野伸二や影山優佳も参加

連載45周年!葛飾区で『キャプテン翼』と11人のエピソード展開催。小野伸二や影山優佳も参加

漫画『キャプテン翼』の連載開始45周年を記念した特別展が、2026年2月6日より葛飾区で開催されます。小野伸二氏や影山優佳さんら「翼ファン」11名が、作品から受けた影響を名シーンと共に紹介。南葛SCの選手との交流やベイブレード大会など、聖地・葛飾ならではの多彩なイベントも同時展開されるファン必見の催しです。


全高65cmの衝撃!アシェットから『週刊 勇者ライディーンをつくる』創刊。光と音のギミックも搭載

全高65cmの衝撃!アシェットから『週刊 勇者ライディーンをつくる』創刊。光と音のギミックも搭載

アニメ放送50周年を記念し、アシェット・コレクションズ・ジャパンから『週刊 勇者ライディーンをつくる』が2026年2月18日に創刊されます。全高65cmのフルメタルボディで、必殺技の再現や「ゴッド・バード」への変形機構を実装。発光・BGM・セリフ再生など、大人の所有欲を満たす豪華ギミック満載のシリーズです。


牧伸二&立川談志の共演作も!CS衛星劇場で「映画秘宝」厳選の松竹秘蔵映画4作品を2・3月特集放送

牧伸二&立川談志の共演作も!CS衛星劇場で「映画秘宝」厳選の松竹秘蔵映画4作品を2・3月特集放送

CS放送「衛星劇場」にて、2026年2月・3月に特集『「映画秘宝」セレクション ~松竹秘蔵作品特集~』の放送が決定。雑誌「映画秘宝」が厳選したものの、諸事情により映画祭から外れた幻の4作品をピックアップ。テレビ初放送となる羽仁進監督の官能作や、牧伸二・立川談志ら豪華キャストが集結したコメディなど必見です。