70年代にアルバート・ハモンドが歌った美しいメロディは、今でもひっそりと日本のアーティストの楽曲の中に潜んでいます

70年代にアルバート・ハモンドが歌った美しいメロディは、今でもひっそりと日本のアーティストの楽曲の中に潜んでいます

70年代前半のアルバート・ハモンドはそれはもう光り輝いていましたが、今ではあまり語られることがなくなったように思えます。しかし、彼が生み出した美しい曲は多くの人の心に今も残っているんです。若い世代がリスペクトしちゃってますからね。


アルバート・ハモンド

アルバート・ハモンドといえば「カリフォルニアの青い空」。1972年の大ヒット曲ですね。

アルバート・ハモンド、覚えていますか?最近ではザ・ストロークスのアルバート・ハモンドJr.のお父さんという方が分かるのかもしれませんね。と言うよりも、息子の方が知られているとでも言いましょうか。
いや~、70年代、アルバート・ハモンドはカッコよかった。今見てもハンサムですよねぇ。

出生名:Albert Hammond
生誕:1944年5月18日
担当楽器:ギター、ピアノ
活動期間:1960年~現在

アルバート・ハモンド

ヒット曲が「カリフォルニアの青い空」ということもありアメリカ人と思っている方が多いようですがアルバート・ハモンドはれっきとしたイギリス人です。しかも、「カリフォルニアの青い空」だけの男ではありませんし、日本のミュージシャンにもリスペクトされています。どの程度リスペクトされているかというところを聴き比べてみましょう。

ザ・ファミリー・ドッグ

アルバート・ハモンドは大きな才能を持っていたとはいえ苦労人です。1960年にThe Diamond Boysというバンドを組んでいたものの成功にはほど遠く、1969年に加入したThe Family Doggの「A Way of Life」がヒットしたことでようやく知られるようになります。

しかし、ザ・ファミリー・ドッグと言われてもよっぽどの音楽ファンでない限り分からないですよね。しかし、この「ア・ウェイ・オブ・ライフ」という曲には、レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジにジョン・ポール・ジョーンズ、さらにはエルトン・ジョンなど、当時はまだ無名だったとはいえ豪華なミュージシャンが参加しているんです。

しかし、まぁ、それでも上手くいかなかったのでしょう。70年代に入るとアルバート・ハモンドはアメリカに移住します。

カリフォルニアの青い空

アメリカに渡ったアルバート・ハモンドは、順風満帆というわけではなく、いえ、むしろ逆。どん底の生活を送ることになります。
憧れを抱いてロサンゼルスにやってきたものの、待っていたのは仕事もなく浮浪者のような生活でした。ある日、そんなアルバート・ハモンドは偶然故郷の知り合いと出会います。落ちぶれている今の自分の現状を両親には言わないでくれと哀願するアルバート・ハモンド。
大ヒット曲「カリフォルニアの青い空」はこの事を歌にしたものなのです。

カリフォルニアの青い空

原題は「It Never Rains In Southern California」。「南カリフォルニアには雨が降らない」というタイトルは歌詞のサビの部分に使われています。そして歌詞はこう続きます。「だけど振る時は決まってドシャ降りなのさ」と。
夢と希望を持ってロサンゼルスにやってきたものの、どうしようもない現実を突きつけられているアルバート・ハモンドの心情を悲しい程見事に表現していますね。

それでは訳詞を見ながら「カリフォルニアの青い空」を聴いてみてください。

さらば恋人

1972年「カリフォルニアの青い空」は日本でも大ヒットしました。翌年には南沙織がカバーし、シングルとしてリリースしています。日本人にも馴染みやすいメロディですからねぇ。
しかし、それとは別に「さらば恋人」。馴染みやすいメロディはそのままに堺正章の代表曲となっています。

「さらば恋人」も良い曲ですよねぇ。作曲はヒットメーカーの筒美京平です。筒美京平パクッタのか?と考えるのは早計です。
実は、この曲は「カリフォルニアの青い空」よりも早く発売されているんです。「カリフォルニアの青い空」、「さらば恋人」共に参考にした元歌があるとみるべきでしょうね。

因みに「カリフォルニアの青い空」の作曲者はマイク・ヘイズルウッドという人です。

落葉のコンチェルト

「It Never Rains In Southern California」に「カリフォルニアの青い空」という邦題は見事いう他はありませんが、日本で大ヒットしたアルバート・ハモンドを代表する曲「For The Peace of All Mankind」の邦題「落葉のコンチェルト」はこれまた大金星といっていでしょう。

落葉のコンチェルト

なんとも耳触りのいいこの曲。日本人好みのメロディラインですよねぇ。実は「落葉のコンチェルト」は日本でのみシングルカットされ大ヒットしたんです。曲の良さもさることながら邦題が大きく貢献しているように思います。

Love Love Love

「落葉のコンチェルト」といえば、どうしてもこの曲を出さないわけにはいきません。1995年7月24日にリリースされたDREAMS COME TRUEを代表する曲のひとつ「LOVE LOVE LOVE」です。
「落葉のコンチェルト」がリリースされたのは1973年ですから20年以上も前の曲をリスペクトして作られた曲ですね。

では、大きくインスパイアされたと思われる「LOVE LOVE LOVE」を英語バージョンで聴いてみましょう。影響の大きさがよく分かるのではないでしょうか?

まぁ、どちらも良い曲ということで問題ないかと思います。「落葉の」も「コンチェルト」も原曲とは関係ありませんが、秋になると聴きたくなる曲ではありますね。

アルバム

アルバート・ハモンドのファースト・アルバム「カリフォルニアの青い空」は1973年にリリースされています。現行のアルバムには「落葉のコンチェルト」がボーナストラックとして収録されています。

1. 世界に平和を
2. 気儘な女
3. カリフォルニアへ愛をこめて
4. 新たなる日
5. 哀しみのミュージシャン
6. カリフォルニアの青い空
7. ネームズ・タッグズ・ナンバーズ・アンド・レベルズ
8. ダウン・バイ・ザ・リバー
9. 和解への道程
10. 安らぎの世界へ

カリフォルニアの青い空

同じく1973年にリリースされたシングル「フリー・エレクトリック・バンド」が収録されていないのが残念ではありますが、このアルバムはファーストにしてアルバート・ハモンドの魅力全開!多彩な楽曲が楽しめます。

良い曲ですよねぇ。「フリー・エレクトリック・バンド」もボーナスとしてアルバムに入れてほしかったです。

提供曲

アルバート・ハモンド自身が歌ってヒットした曲と言うのは多くはないのですが、他のアーティストに提供した曲がヒットしたというのは多数あります。
ホリーズ「安らぎの世界」、レオ・セイヤー「ウェン・アイ・ニード・ユー」、スターシップ「愛はとまらない」、ダイアナ・ロス「恋のプレリュード」などなど。
70年代、日本でも馴染みがある曲となるとカーペンターズの「青春の輝き」でしょうか。

良い曲ですねぇ。
そう言えば、この曲の歌い出しのメロディーは、福山雅治「家族になろうよ」のサビと、サビの部分は中島みゆき「誕生」のサビのあたりと似ているようないないような。
しかし、どれも良い曲。音楽はみんなの物だということですね。

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