新宿の女(藤圭子)‐1969年

新宿の女(藤圭子)
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「演歌の星を背負った宿命の少女」のキャッチフレーズでデビューした藤圭子のファーストシングル。
ネオンぐらしの 蝶々には♪
やさしい言葉がしみたのよ♪
当時18歳。どこか影のある雰囲気とずしりと重みのある声ゆえか、既にこの時から「夜」の歌が堂に入っています。
命預けます(藤圭子)‐1970年
新宿三丁目駅と東新宿駅の中間地点にある花園神社。江戸時代、新宿が宿場町として栄え始めた頃から、街の守り神としてその発展を見守り続けてきたこの古き良き神社には、大都会の喧騒を忘れさせてくれる密やかな雰囲気が漂っています。
そんな花園神社付近の落ち着いた街並みが目に浮かぶような、情緒たっぷりの歌謡曲がこの藤圭子4枚目のシングル『命預けます』です。

命預けます(藤圭子)
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流れ流れて東京は♪
夜の新宿花園で♪
この歌が歌われたのは今から48年前。その頃と比べて新宿の街並みはすっかり様変わりしていますが、しかし、この花園神社付近は、賑やかなJR新宿駅の周辺や歌舞伎町と比べて、どこか寂しく憂いを帯びていて、いまだ藤圭子の歌声が良く似合います。
新宿・みなと町(森進一)‐1979年

新宿・みなと町(森進一)
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「新宿に港なんてなくない?」と思うかも知れませんが、これはあくまで物の喩え。当時、既に盛り場として活況を呈していた新宿は多くの人が離れ、戻っていく港のような場所なので、このタイトルにしたのだとか。歌詞の中でも、流れ者たちが身を寄せ合い、慰め合い、酒を酌み交わす…そんな哀愁の街として歌われています。
思い出に間にあいたくて(松任谷由実)‐1987年
TBS系でバブル期に放送された4話構成の連像ドラマ『涙日記』。若き日の山田邦子と織田裕二が出演した同作の挿入歌として使われたのが、松任谷由実のアルバム『ダイアモンドダストが消えぬまに』の収録曲『思い出に間にあいたくて』でした。

ダイアモンドダストが消えぬまに/松任谷由実
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歌の冒頭には「10番線は最終電車」という歌詞がありますが、これは新宿駅の10番線(おそらく山手線)をイメージしたのだとか。最終電車に乗れば、彼のもとに間に合ったのに、あえて電車に乗らなかった微妙な女心を歌っています。
新宿純愛物語(仲村トオル&一条寺美奈)‐1987年

新宿純愛物語(仲村トオル/一条寺美奈 )
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『ビー・バップ・ハイスクール』で人気絶頂だった頃の仲村トオルが主演を務めた映画『新宿純愛物語』の主題歌だった同曲。デュエットの相手をつとめた一条寺美奈は、中山美穂が演じる予定だった『新宿純愛物語』のヒロイン役に、中山が降板したため急きょ公募で抜擢された新人女優。映画は不発で、楽曲も大してヒットせず散々なデビューを飾った後、この年限りで引退してしまいました。
金色のライオン(川村かおり)‐1990年
1970年代から高層ビルが次々と建てられ、1990年代までには一大繁華街へと変貌を遂げた新宿。その変わりゆく街並みに一抹の寂しさを込めて歌ったのが、川村かおり6枚目のシングル『神様が降りて来る夜』に収録されていた『金色のライオン』です。

神様が降りてくる夜(川村かおり)
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新宿ももう変わっちゃったね 僕らが知り合ったあの頃は♪
ネオンサインだってもう少し 優しかった気がする♪
青春時代が遠くに霞むほどに変わり果ててしまった新宿を照らす夜の街並み…。この歌がリリースされてから28年あまり経過した今となっては、もはや、70年代頃のネオン街における情緒など、歌舞伎町のゴールデン街や西口の思い出横丁くらいにしか残ってないのではないでしょうか。
西新宿の親父の唄(長渕剛)‐1990年
長渕剛のアルバム『JEEP』に収録され、シングルカットされているわけでもないこの曲が有名になった理由は、1992年に放送されたドラマ『北の国から'92 巣立ち』において、田中邦衛演じる黒板五郎が「やるなら今しかねえ! やるなら今しかねえ!」と歌ったからに他ありません。

JEEP(長渕剛)
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「やるなら今しかねえ」以外にも「日本も今じゃクラゲになっちまった」など印象的なフレーズだらけで、いかにも「西新宿の親父」が実在したかのように感じられる同曲ですが、長渕いわく、親父のモデルはいるものの架空の人物を歌った曲なのだとか。それなのに、親父の息遣いまでありありと感じられる情景描写は、さすがの一言です。
歌舞伎町の女王(椎名林檎)‐1998年

歌舞伎町の女王(椎名林檎)
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歌詞を要約すると、「母子2代で歌舞伎町の女王様やってます」というだけの歌。しかし、淫靡な曲調とデカダンスな林檎の歌声は、この「大遊戯場」のイメージにピッタリ。ちなみに曲の中で「JR新宿駅の東口を出たら 其処はあたしの庭」と歌われていますが、実際、東口の目の前にあるのは『笑っていいとも!」でお馴染みの新宿アルタで、歌舞伎町までは交差点の待ち時間含めると、3~4分くらいゆうにかかります。
(こじへい)