《夢を壊してミリオンセラー》の「空想科学読本」が文庫化!
『空想科学読本 滅びの呪文で、自分が滅びる!』発売!
マンガアニメ特撮を科学の観点から検証する「空想科学読本」。
累計500万部超を誇り20年以上続くメガヒットシリーズより、31の傑作原稿を厳選した文庫版『空想科学読本 滅びの呪文で、自分が滅びる!』が刊行されました。

空想科学読本 滅びの呪文で、自分が滅びる!
おそるべきはこの本、文庫版が出るにあたって全面改訂、すべての原稿を書き直しているところです。文庫化ってそういう意味だっけ?
【Example】例えばこんな検証が
『ポケモン』のサトシは「ポケモンより強い」という噂を科学的に考えてみる。
・20kgあるのに「なげて ぶつける イシツブテがっせん」に使用されるイシツブテ
・1回のジャンプで300mを超えるポニータ
・インドゾウを2秒で昏倒させるゴース
・体長1mもあるのに毒針で何度も刺してくるスピアー
……などなど修羅の国めいた雰囲気を持つポケモンワールドより、アニメで主人公をはるサトシ君の登場です。
彼の活躍については界隈では結構盛んに話されており、
・6kgあるピカチュウが頭上で暴れてもびくともしない
・ポケモンを助けるために自分より大きい丸太を投げた
・石化しても戻る
・前述のスピアーの群れに襲われた際、落ちていた木の棒で追い払った〟
・ちょいちょいポケモンとタイマンをはり、勝つ
と、その武勇伝を数えだすと両手指じゃ足りません。
この検証を通してですね、ぜひ彼が人間なのか否かをはっきりさせていただければな、と、こう思うわけです。人間だったらどうしようね。
なんとスバラシイのだろう。『マジンガーZ』のおっぱいミサイルを絶賛する!
科学も求めるがロマンも求める。それが空想科学読本。
威力も求めるがロマンも求める。それがおっぱいミサイル。
おっぱいミサイルについては特に説明の必要は無いと思いますが、主に女性型ロボットの胸部に装着されている武装です。
「マジンガーZ」が初出かどうかはわかりませんが「ゲッターロボ」「天元突破グレンラガン」「ヤッターマン」あたりで登場しているようです。
個人的には「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」の外伝で銀鈴ロボが撃っていたのが印象的でした。
新聞の広告でおなじみ『三国志』の孔明は、どれほど頭がよかったのか?
孔明? 知ってる知ってる。ビームだす人でしょ。
孔明と言えば諸葛孔明、または諸葛亮として知られている人です。
三国志では主人公のひとり劉備軍に途中参加し、物語の中~終盤に大活躍する軍師として書かれています。
毎度おなじみ流浪の集団でしかなかった劉備軍に戦術を授け、国を取らせ、曹操を撃退させ――と面目躍如。そもそも劉備、孫権、曹操の3人で天下を分け合う《三国志》という構図も孔明の「天下三分の計」に基づいていたとかいう逸話もあるわけです。
しかし「三国志」は脚色が多い事でも有名な本であり、おおもとの史実を描いた歴史書――いわゆる《史実》ではほとんど出てこない謎人物でもあります。
このあたりは主に史学文学などで研究されがちなのですが、この本は「空想科学読本」。文字通り科学の検証本です。
ということはやっぱりビームの研究をするのでしょうか? 孔明ビームはKOEIの「真・三國無双」シリーズのネタですが、「空想科学読本」ならやりかねない……?
まえがき より
2004年に「世界一受けたい授業」が始まってから、《学問》と《おもしろさ》のコラボレーションはだいぶ増えたなという印象がありますが、やっぱり元祖オモシロ学問と言えば「空想科学読本」でしょうか。
近頃は宝島社から角川つばさ文庫にレーベルを移し、「ジュニア空想科学読本」などが刊行されていたようです。
定番の特撮やアニメはもちろん、現在も連載中な新しいタイトルをがつがつ検証していく積極性は《大人の自由研究》といった雰囲気ですね。
目次 ※一部抜粋
・天空の城ラピュタは「バルス」の呪文で崩壊、一部だけが昇っていったが、その後はどうなる?
・『ポケモン』のサトシは「ポケモンより強い」という噂を科学的に考えてみる。
・新聞の広告でおなじみ『三国志』の孔明は、どれほど頭がよかったのか?
・『ヒロアカ』の轟焦凍は、右手で凍らせ、左手で燃やす。科学的にスバラシイ奴だ!
・子どもがよく言う「いつ? 何時何分何秒? 地球が何回まわったとき?」に、スッパリ答えよう!
・『ポプテピピック』で、ポプ子は竹書房のビルを破壊していたが、この行為を本気で考える。
・『ギャートルズ』などに出てくる「マンガ肉」は、いったい何の肉なのだろう?
・『干物妹! うまるちゃん』の家うまるが「だっらああああー」とするのは、科学的にもナットクの態度である。
・『ワンパンマン』のヒーロー・サイタマのパンチがすごすぎる。ホントに打ったら、地球が滅亡!
・不思議! 『スプラトゥーン』のインクは、なぜ色が混ざらないのだろう?
・『ドラえもん』のしずかちゃんは、お風呂に入りすぎではないかなあ。
・『文豪ストレイドッグス』に出てくる文豪たちが、モノスゴク強くてビックリだ!
・なんとスバラシイのだろう。『マジンガーZ』のおっぱいミサイルを絶賛する!
・『ドラゴンボール』で行われた「重力100倍の部屋」の修行がものすごい!
・『サザエさん』や『忍たま乱太郎』のキャラは、ずっと年齢が変わらないが、それはどうして?
・『おそ松さん』の十四松。やることが人間離れしているけど、ホントに人間なのだろうか!?
・『進撃の巨人』に登場する立体機動装置。あれがあれば、実際に巨人を倒せるのか?
著者、柳田理科雄先生について
《柳田理科雄》はペンネームなどではなく〝本名〟
「R.O.D」読子・リードマンの《こんな名前つけられたら本好きにならずにはいられないです》的な台詞を思い出します。命名の理由は《ガガーリンの宇宙飛行に感動し、科学の時代を感じたから》なんだとか。
幼い頃から科学者を志し、宇宙物理学を目当てに東大理科一類に入るものの自由に勉強できないカリキュラムに失望、中退。
学習塾講師のアルバイトをしながらその面白さに目覚め、学習塾巡りを行い、自分でも塾を開校。つけた名前が《天下無敵塾》。センスが光っています。
その名前がどういう効果を発揮したのかはわかりませんが塾はたちまち経営難に。塾を立て直す資金を得るために「空想科学読本」を出版。これが大人気となりベストセラー。なおタイミングがあわず塾は倒産した模様。
その後は「空想科学読本」の続編の執筆を続け、2000年からは専業作家として活躍されています。
書誌
『空想科学読本 滅びの呪文で、自分が滅びる!』
著者: 柳田理科雄
発行:株式会社KADOKAWA
定価:640円+税
https://www.kadokawa.co.jp/product/321803001096/