井上陽水のライブ・アルバムは僅かに5枚。しかも2枚はCDにもなっていないなんて!

井上陽水のライブ・アルバムは僅かに5枚。しかも2枚はCDにもなっていないなんて!

50年近いキャリアを誇る井上陽水。その間には多くのヒット曲を放ち、膨大な数のライブも行ってきています。それにもかかわらずライブ・アルバムは5枚しか出ていません。しかも、その内の2枚はCDにもなっていないなんて。


ライブ_井上陽水

井上陽水といえば、日本初のミリオンサラーアルバム「氷の世界」をはじめ数々のメガヒットを放ち、知らない者はこの日本にはいないと言えるほどの存在ですね。
下積み時代があったとはいえ、1973年3月発売のシングル「夢の中へ」、同年9月発売のシングル「心もよう」が大ヒットしてからは今日に至るまで快進撃は留まることを知りません。

出生名:井上 陽水(いのうえ あきみ)
生誕:1948年8月30日
出身地:福岡県
活動期間:1969年~現在

井上陽水

50年近いキャリアを誇り、ヒット曲は星の数ほどあり、信じられないほど素晴らしい声を持っているというのに、公式に発売されているライブ音源が少ないのはどうしたことでしょう?
井上陽水の歌声はライブでは尚一層輝くというのに、公式なライブ・アルバムは僅かに5枚。しかもそのうちの2枚はCDにすらなっていません。何故だ!

近年ではアルバム(音源)よりもDVD等の映像の方が主流になっているからということが考えられなくもありません。

(1)東へ西へ
2)ワカンナイ
3)ムーン
4)映画に行こう
5)全部GO
6)ネガティヴ
7)氷の世界
8)この頃,妙だ
9)飾りじゃないのよ,涙は
10)ウィ・アー魚
11)海へ来なさい
12)招待状のないショー
13)ジェラシー
14)ダンスはうまく踊れない
15)闇夜の国から
16)ホワイ
17)いっそセレナーデ
18)暑い夜
19)眠りにさそわれ

井上陽水/ライヴ’88~夜のシミュレーション

いえ、それにしたって僅かに7本。デビュー当時はテレビに出演することもほとんどなく、映像媒体自体が発達していませんでしたからねぇ。しかし、ガッカリしていても仕方ありません。残されている5枚のライブ・アルバムを振り返ってみます。

もどり道

井上陽水の最も古いライブ音源となるのが1973年7月に発売された「陽水ライヴ もどり道」です。
内容は、新宿厚生年金会館小ホールで1973年4月14日におこなわれたライブ「陽水リサイタル」から収録されており、この時点でのベスト・アルバム的なものとなっています。

SIDE A
夏まつり
いつのまにか少女は
紙飛行機
あかずの踏切り
たいくつ
人生が二度あれば
帰郷(危篤電報を受け取って)

SIDE B
感謝知らずの女
愛は君
東へ西へ
家へお帰り
傘がない
星(終りのテーマ)
夢の中へ

陽水ライヴ もどり道

初期とは言えさすがに名曲ばかりです。1973年4月といえばシングル「夢の中へ」が発売されてから一ヶ月後ですね。このアルバムには収録されていませんが半年後には「心もよう」が大ヒットするわけで、その影響でしょうか「もどり道」も売れに売れまくります。オリコンの1973年度年間アルバムランキング9位。まぁ、これだけでも素晴らしいですが、なんと1974年度には年間3位、さらに1975年度も年間7位を記録しているのです。実はこのアルバムが日本で最も売れたライブ・アルバムなんです。

「もどり道」についてTHE ALFEEの坂崎幸之助がとても面白いコメントを残しています。

東京ワシントンクラブ

2枚目のライブ・アルバムが1976年12月5日に発売された「東京ワシントンクラブ」です。古くからの陽水ファンでないかぎり聞いたことのないアルバムだと思います。実はこのアルバムは未だにCD化されていないんです。

SIDE A
1.氷の世界
2.かんかん照り
3.御免
4.小春おばさん
5.あかずの踏切り76

SIDE B
1.東京ワシントンクラブ  
2.ゼンマイじかけのカブト虫
3.子供への唄 
4.心もよう
5.招待状のないショー
6.夜のバス

東京ワシントンクラブ

ファンであればグッとくるような、実に興味深い曲が収録されています。しかし、残念ながら当時の映像を見つけることが出来ませんでした。
1979年の映像ですが、多少参考になるかもしれません。

アレンジも面白いし、声もいい。しかし、この映像は衣装に目を奪われてしまいますね。

アルバム「東京ワシントンクラブ」は、「GOING ONツアー」からのライブ音源とは別に、自宅スタジオで録音した2曲が入っているという、ちょっと変わったライブ盤なんです。
「あかずの踏切り'76」と「東京ワシントンクラブ」の2曲がそれにあたります。

陽水ライブ<ジェラシー>

デビュー前の安全地帯が井上陽水のバックを務めていたというのは有名な話ですが、その音源が3枚目のライブ・アルバムとなる「陽水ライブ<ジェラシー>」です。
1981年12月1日の東京厚生年金大ホールでの模様を収め1982年4月5日に発売されました。

SIDE A
1.御免
2.闇夜の国から
3.ジェニーMy love
4.海へ来なさい
5.いつのまにか少女は
6.神無月にかこまれて
7.帰れない二人
8.心もよう

SIDE B
1.ミスコンテスト
2.なぜか上海
3.My House
4.ジェラシー
5.氷の世界
6.Happy Birthday
7.夢の中へ
8.傘がない

陽水ライブ<ジェラシー>

写真を見て頂くとお分かりのように当時カセットテープのみで発売され、未だにCD化されていません。「I call your nameツアー」の模様が収録されているのですが、このツアーはアルバム「WHITE」〜「あやしい夜を待って」までを中心としたツアーの総括的なライブだっただけに聴くことが出来ないというのは非常に残念です。映像も残っていないようですし。

「陽水ライブ<ジェラシー>」とは関係ありませんが、安全地帯をバックにした映像で当時を偲びましょう。

バックメンバーは以下の通りです。

中西康晴 p,e.p
川島裕二 syn

安全地帯:
大平市冶 prs
穴土開正(六土開正) e.b
武沢豊 e.g
矢萩渉 e.g
玉置浩二 cho

クラムチャウダー

1986年8月27日に発売された4枚目のライブ・アルバム「クラムチャウダー」。同時にDVDとしても発売されていおり、これが井上陽水初の映像作品となっています。

1. 帰れない二人
2. ミス・コンテスト
3. 娘がねじれる時
4. ミスキャスト
5. 新しいラプソディー
6. 灰色の指先
7. ジャストフィット
8. ワインレッドの心
9. 結詞

クラムチャウダー

1986年6月のNHKホールにおけるライブの収録で、YMOのサポートとしても活躍したギターの大村憲司が編曲も担当しています。
当時は沢田研二への提供曲として知られていた「ミスキャスト」「ジャスト・フィット」をやっています。

この日のライブは、日本を代表するドラマーである村上(ポンタ)秀一が「生涯でも三本の指に入る」と言っているほどの素晴らしい出来栄えとなっています。
参加したメンバーは以下の通りです。

井上陽水…g,vo
大村憲司…g
中西康晴…pf,Hammond Organ,Rhodes
高水健司…b
村上秀一…ds,per
浜口茂外也…per,fl
小林武史…synth(Prophet-5,DX7x2)

氷の世界ツアー2014 ライブ・ザ・ベスト

日本レコード史上初めて100万枚を突破したアルバム「氷の世界」発売から40年。それを記念して行われた「氷の世界ツアー2014 」の中から選ばれた18曲が収められた現時点で最新となるライブ・アルバムが2014年9月10日発売の「氷の世界ツアー2014 ライブ・ザ・ベスト」です。

1.Love 6月13日 [神奈川]相模女子大学グリーンホール
2.あかずの踏切り 6月13日 [神奈川]相模女子大学グリーンホール
3.はじまり 6月13日 [神奈川]相模女子大学グリーンホール
4.帰れない二人 6月13日 [神奈川]相模女子大学グリーンホール
5.チエちゃん 6月29日 [長崎]長崎ブリックホール
6.氷の世界 4月18日 [大阪]大阪 フェスティバルホール
7.白い一日 5月11日 [山形]やまぎんホール
8.自己嫌悪 5月16日 [愛知]愛知県芸術劇場 大ホール
9.心もよう 4月29日 [静岡]アクトシティ浜松 大ホール
10.待ちぼうけ 4月27日 [栃木]宇都宮市文化会館
11.桜三月散歩道 6月14日 [群馬]ベイシア文化ホール
12.Fun 6月26日 [熊本]市民会館崇城大学ホール
13.小春おばさん 6月28日 [福岡]福岡サンパレス
14.おやすみ 6月28日 [福岡]福岡サンパレス
15.The Long And Winding Road 5月23日 [東京]NHKホール
16.リバーサイド ホテル 4月27日 [栃木]宇都宮市文化会館
17.少年時代 5月23日 [東京]NHKホール
18.いっそ セレナーデ 4月10日 [東京]府中の森芸術劇場 どりーむホール

氷の世界ツアー2014 ライブ・ザ・ベスト

ライブ・アルバムとはいっても初回限定盤にはDVD、Blu-ray Discの映像がまるっと23曲も付いていました。お得ですね。
年を取っても唯我独尊、井上陽水健在を強く印象付けるライブです。人間国宝、そう言っても良いのではないかとさえ思えます。

元気ですねぇ。この分だともう1~2枚はライブ・アルバムを発表できそうですね。しかし、新しいライブ・アルバムはもちろん嬉しいのですが、70年代は無理としても80年代~90年代のライブ音源、映像を是非とも発掘し発表してもらいたいです。
関係者の皆様、よろしくお願いします!

関連する投稿


『光と影』『家族』『光石の巨人』など、泉谷しげるのフォーライフ&エレック時代のデジタルリマスター音源が配信解禁!!

『光と影』『家族』『光石の巨人』など、泉谷しげるのフォーライフ&エレック時代のデジタルリマスター音源が配信解禁!!

シンガーソングライター泉谷しげるの初期作品群が、主要音楽配信サービスにてデジタルリマスター音源で現在好評配信中となっています。


【1985年】40年前に一番売れた曲は『ジュリアに・・・』オリコン年間トップ10を振り返る!

【1985年】40年前に一番売れた曲は『ジュリアに・・・』オリコン年間トップ10を振り返る!

今から40年前の1985年、歌謡界ではどのような曲がヒットしたのでしょうか。今回は、オリコンの年間シングルチャートトップ10を紹介し、ミドルエッジ世代の方にとって、誰もが知る懐かしい10曲を振り返ります。第1位は、・・・・一世を風靡したあの超人気ロックバンドの曲です。


あのねのね主演映画「冒険者たち」が登場!CS衛星劇場で「令和によみがえる。懐かしのちょいレア劇場」が放送決定!!

あのねのね主演映画「冒険者たち」が登場!CS衛星劇場で「令和によみがえる。懐かしのちょいレア劇場」が放送決定!!

CS衛星劇場にて「令和によみがえる。懐かしのちょいレア劇場」特集と題し、4月に「冒険者たち」など4作品が放送されます。


北山修、紙ふうせん、トワ・エ・モワ、岡崎友紀…ライブ「あの素晴しい歌をもう⼀度コンサート2025⼤阪」が開催決定!!

北山修、紙ふうせん、トワ・エ・モワ、岡崎友紀…ライブ「あの素晴しい歌をもう⼀度コンサート2025⼤阪」が開催決定!!

⼤阪・オリックス劇場でライブ「あの素晴しい歌をもう⼀度コンサート2025⼤阪」が2025年3⽉3⽇に開催されます。このたび、同ライブにヴォーカルグループ・LE VELVETS(ル ヴェルヴェッツ)の参加が決定しました。


B'z、小室哲哉、Mr.Children、井上陽水…国民的歌手たちの意外な側面!『J-POPの音楽的冒険』が発売決定!!

B'z、小室哲哉、Mr.Children、井上陽水…国民的歌手たちの意外な側面!『J-POPの音楽的冒険』が発売決定!!

ディスクユニオンの出版部・DU BOOKSより、TOMC著『J-POPの音楽的冒険 レアグルーヴ感覚で楽しむ日本のメジャーポップス』の発売が決定しました。


最新の投稿


世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

葛飾区商店街連合会は、2025年10月10日より『キャプテン翼』とのコラボイベント「シーズン2」を亀有・金町・柴又エリアで開催。キャラクターをイメージした限定メニューやスタンプラリーを展開し、聖地巡礼と地域活性化を促進します。


キン肉マン愛が英語力に!超人たちの名言・名場面で学ぶ『キン肉マン超人英会話』発売

キン肉マン愛が英語力に!超人たちの名言・名場面で学ぶ『キン肉マン超人英会話』発売

人気アニメ『キン肉マン』の「完璧超人始祖編」の名言・名場面を題材にした英会話学習書『キン肉マン超人英会話』が、2025年11月29日(土)にKADOKAWAより発売されます。超人たちの熱い言葉を通じて、楽しみながら実用的な英語表現をインプットできます。TOEIC満点保持者やプロレスキャスターなど、豪華プロ集団が監修・翻訳を担当した、ファン必携の英語学習本です。


【カウントダウン】あと2日!古舘伊知郎&友近「昭和100年スーパーソングブックショウ」いよいよ開催迫る!豪華ゲスト集結の東京国際フォーラムは「昭和愛」で熱狂へ!

【カウントダウン】あと2日!古舘伊知郎&友近「昭和100年スーパーソングブックショウ」いよいよ開催迫る!豪華ゲスト集結の東京国際フォーラムは「昭和愛」で熱狂へ!

開催直前!TOKYO MX開局30周年記念「昭和100年スーパーソングブックショウ」が10月16日に迫る。古舘伊知郎と友近がMC、豪華ゲストと共に贈る一夜限りの昭和ベストヒットに期待高まる!


ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂が、『鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブ~Autumn Season~』を11月13日にビルボードライブ大阪、16日にビルボードライブ東京にて開催する。今回は、1975年にリリースされた1stソロアルバム「BAND WAGON」の発売50周年を記念したプレミアム公演となる。


【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

2025年(令和7年)は、1965年(昭和40年)生まれの人が還暦を迎える年です。ついに、昭和40年代生まれが還暦を迎える時代になりました。今の60歳は若いとはと言っても、数字だけ見るともうすぐ高齢者。今回は、2025年に還暦を迎える7名の人気海外アーティストをご紹介します。