20世紀最大のシンデレラ・ストーリーを実践したグレース・ケリーのよもやま話

20世紀最大のシンデレラ・ストーリーを実践したグレース・ケリーのよもやま話

私は、血気多感だった頃から、”結婚するなら、グレース・ケリーのような人と、恋愛するなら、マリリン・モンローのような人と・・・”が一つの夢であった。あいにく残念ながら、両方とも果たせぬ夢に終わりそうな今日この頃なのだが、すこしでも心のうさを晴らすべく、前回はマリリンに関する記事を書き、今回はグレースに関する記事を書こうかと思う。


これが”オスカー”受賞作だ!!

かつてミュージカル・スターとして活躍していた俳優のフランク。だが今では酒に溺れ、演技に精彩を欠いていた。そんなある日、彼に舞台演出家バーニーから新作舞台の出演要請が入る。しかし、稽古に参加するものの落ち着かないフランク。彼は、数年前に自らの不注意で当時まだ幼かった一人息子を事故死させてしまったことと、それが原因で献身的だった妻ジョージーが何度も自殺未遂起こし、いつも悩まされていることを打ち明けた。こうしてフランクは、複雑な心境が払拭されないままカムバックを果たすのだが…。
 クリフォード・オデッツの舞台劇の映画化。自らの不注意で子供を事故死させてしまった男優、その妻、そして男を舞台にカムバックさせようとする演出家の人間模様をドラマチックに描いている。三人の俳優がそれぞれ存在感のある素晴らしい演技を見せており、またG・シートンのとことん正攻法の演出も抜群にいい。音楽担当は巨匠ヴィクター・ヤング。

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父親はグレースが女優となって大成し、オスカーを受賞しても、「姉のペギーのほうがもっといい女優になれたにちがいない」などと公然とマスコミに発言し物議を醸し、グレースはいつも満たされていなかったはずだ。また、次から次へと違う男性と恋愛関係になるが、両親に結婚相手として紹介しても、相手にもされなかった。だが、彼女はそれでも父に認められようと、必死になる。要するに典型的な「ファザコン」だったのだ。

グレースの”運命”の出逢い!!

史上最大のシンデレラ・ストーリーの1つである、グレース・ケリーとモナコ公国レーニエ大公の出会いを実現させたのは、2人の未来を予見したある人物の計らいだった。

グレースとモナコ公国のレーニエ大公の馴初めは、たまたまグレースと、パリからカンヌに移動する夜行列車の中で同乗していた、アカデミー賞受賞女優であるオリヴィア・デ・ハヴィランドが夫のピエール・ガラントの勧めでモナコ公国の大公を紹介したいことをグレースに話したのが始まりだった。
ガラントはモナコに近い、ニースの生まれで、雑誌『パリス・マッチ』の編集の仕事を通じて、モナコのレーニエ大公とつながりがあったためだった。オリヴィアは、車両の間の狭い通路で二言三言、言葉を交わした。オリヴィアは彼女を追いかけて、レーニエ大公と会う気はないかと聞きいたそうだ。また、彼女を一目見て、グレースはかなり控えめで、落ち着きがあり、『きちんと育てられたお嬢さんなんだ!!』と思ったという。

オリヴィア・デ・ハヴィランド(Dame Olivia De Havilland, DBE)

そんな折、モナコに危機が訪れる。戦争でお金が必要になったフランスが、無税のモナコに対して、税金を徴収し支払うように圧力をかけてきたのだ。軍を持たないモナコは攻め込まれれば、一瞬で占領されてしまう。

グレースは決心する。『私は愛を守り抜く!!』と

モナコ公妃として、夫と子供たち、そしてモナコを愛し、守ってみせる。厳しい言葉で言えば、映画女優としてではなく、「モナコ公妃」を演じ切ることを決めたのだった。

グレースのこの変化によって、夫、また、国民との関係も徐々に回復していったそうだ。

結婚後は3人の子どもに恵まれ、公妃としても病院を設立したり、自身の名前を冠したバレエ学校を支援するなど精力的に活動した。

1982年9月13日、自らハンドルを握りローバー3500を運転して南仏のロックアジェルの別荘からモナコに戻る途中に脳梗塞を発症。そのまま急カーブの坂道でガードレールに激突し、道路横の崖を40メートルほど転落して自動車は大破した。事故後すぐに病院へ搬送されたが意識が回復しないまま翌日に死亡(52歳)。この事故死を受けてモンテ・カルロでは1日全てのカジノの営業を中止して喪に服した。

カロリーヌ(左)、ステファニー(中央)、アルベール(右)、夫レーニエと (1966年)

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