「ゲームセンターあらし」
ゲームセンターあらし
「ゲームセンターあらし」どんな話だった?
それはもう、なかなかにぶっ飛んだ展開でしたよね。
テレビゲームが題材でしたが、その域を超えていきました
初期はタイトル通り、ゲームセンターで『インベーダーゲーム』の対決をしたりするもので、100円玉をコイン投入口に投げ入れる技をあらしが見せたりしていたが、当時小学生がゲームセンターにたむろして不良化するという現象が問題になっており、それを考慮して漫画でもあらしが行きつけのゲームセンターに出入りできなくなるという展開になってしまう。
駄菓子屋の店頭のミニ筐体でのバトルや、ゲーム大会、二枚目でお金持ちのライバルであるさとるの家のパーティーでの巨大『ギャラクシアン』など、初期の数話を除いては結局ゲームセンターで対決する話はなくなり、舞台も徐々に荒唐無稽になってゆき、スケールアップ!
とんでもない秘技(必殺技)もこの作品の売りである。最初のうちはゲームに必須な動体視力を鍛える、バランス感や筋力を鍛えるなど現実的なものであったが、次第にエスカレートしていき、「月面宙返り」や、スティックを高速で操作することでプレイヤーのキャラクターが敵からの攻撃を潜り抜けるという「炎のコマ」、静電気でゲーム機の電子回路に干渉して異常動作を発生させて有利に導く「エレクトリック・サンダー」などが登場。これらは実現可能かどうかはともかく、一応ゲームに役立つ理屈がつけられていたり、「理論上は可能」と書かれていたりしたが、次第に派手だがよくわからない状態の「レインボーバズーカ」や、一生に一度しか使えないとして編み出したが何度も使っていた「スーパーノヴァ」など、理由付けもゲームプレイとの関係も無い技が頻出。一般レベルから逸脱し、それに伴い話のスケールも拡大して、核戦争の危機や異次元からの侵入者をゲームによって解決するにまで至った。
また、この作品のもう一つの売りでもあった実在のアーケードビデオゲームでの対戦も、後半は「戦車ゲーム」などかなり適当でよく分からないゲームで戦うことになり、ゲーム内容よりも派手な舞台や敵キャラクター、秘技への依存が高くなってくる。これはすがやによると、新作ゲームに登場するキャラや設定が記号的なものから、どんどんゲーム独自の世界観が加味されたものになってしまい、『あらし』固有の非現実な世界を描きにくくなったためだという。
『月刊コロコロコミック』が、『ドラえもん』を核とした雑誌から、現在の少年向け対決物路線に軸足を移していく道筋を付けた作品の一つ。
必殺技の数々
水魚のポーズ
月面宙返り(ムーンサルト)
エレクトリックサンダー
真空ハリケーン撃ち
他、多数。
どの技も、あまりに現実離れし過ぎていてマネすることが出来ませんでした。