Japan Expo 2008での大葉健二
Kenji Ōba - Wikimedia Commons
1982~83年、特撮ヒーロードラマ「宇宙刑事ギャバン」(テレビ朝日系)で主人公を務めた大葉健二。
その鋭い眼差しと動きの鋭いアクションで当時の子どもたちを虜にした。特撮ヒーローを語るうえでは欠かせない大葉健二を出演作と共に振り返ってみた。
千葉真一に憧れJACの1期生に応募
JACのメンバー
付録付)別冊近代映画 JAC-ジャパン・アクション・クラブ-12周年記念特集号(別冊付録1点) | 中古 | 芸能雑誌 | 通販ショップの駿河屋
1971年に高校を中退して上京し、千葉真一が設立したjapanアクションクラブ(JAC)のオーディションを受ける。他の1期生は、金田治・西本良治郎・春田純一・山岡淳二など。
入所後は、新大久保のJACの事務所の近くにあったソバ屋で、住み込みで働きながら本名の高橋健二でスーツアクターとしての修行を積む。
前任の金田治氏から引き継いだ1972年のテレビドラマ『人造人間キカイダー』で、トランポリンスタントを担当。第31話で初めて「顔出し出演」を果たし、アクションが大野剣友会からJACに変更された後の『秘密戦隊ゴレンジャー』のアカレンジャーなどのスーツアクターを演じていた。
大葉健二がスーツアクターを演じたキカイダー
1979年の「バトルフィーバーJ」でバトルケニアを演じる
バトルフィーバーJで曙四郎/バトルケニアを演じる大葉健二
スーツアクターとして活躍していた大葉健二に転機が訪れたのは、1979年の戦隊シリーズ「バトルフィーバーJ」。
「バトルフィーバーJ」の『バトルケニア=曙四郎』として、俳優としてのレギュラーが決まった。しかも変身前と変身後(スーツアクター)の両方を演じる離れ業をやってのけ、野性的なキャラクターと役柄もマッチし、人気を得た。
当初は本名の「高橋 健二」で活動していたが、師匠である千葉真一「葉」の字をもらって「大葉 健二」の芸名を変更することになる。
1980年、「電子戦隊デンジマン」でデンジブルーとなる
電子戦隊デンジマン 16話より
~デデ、デンジマン デデ、デンジマン
誰かが助けを 求めてる
どこかで誰かが 叫んでる~
歌詞が強烈で印象的なオープニングが話題ともなった戦隊シリーズ「電子戦隊デンジマン」で『デンジブルー=青梅大五郎』を好演。こちらの作品でも変身後のスーツアクターも大葉自身が務めている。
デンジブルーと言えば、アンパン。アンパンが好きで中毒とも言えるほどの設定だった。バトルケニアもそうだったが、コメディ要素の強い役回りでも見事に演じていたように記憶している。
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1982年「宇宙刑事ギャバン」で一条寺烈として初主演
大葉健二の代表作となる「宇宙刑事ギャバン」
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『バトルフィーバーJ』・『電子戦隊デンジマン』で戦隊メンバーでの好演が当時のプロデューサーや監督などに認められたことから、戦隊シリーズに代わる新たなシリーズである「メタルヒーローシリーズ」の主演に大葉健二が抜擢されることになる。
この「宇宙刑事ギャバン」では、スーツアクターは大葉健二が行っていないが、変身前のアクションには過激なシーンが多く盛り込まれることになった。
フランスでは『X-OR』というタイトルで本作品が放送されており、後に大葉健二が千葉真一と共にフランスを訪れた際には、現地在住の日本人家族からレストランで声をかけられたという逸話も残っている。
特撮ヒーロー以外でも俳優「大葉健二」として活躍
「コータローまかりとおる」パンフレット 大葉健二
黒崎輝1984コンサート「コータローまかりとおる」パンフレット/大葉健二,伊原剛志ほか - 古書 ひふみや
戦隊シリーズやメタルヒーローシリーズなどでの活躍が顕著なため、特撮ヒーローとしての活躍が印象深い大葉健二だが、映画「里見八犬伝」では悪から善へ転身していく鎧武者・犬飼現八役を見事に演じておりアクション俳優だけではない一面も見せている。
また、1984年の映画「コータローまかりとおる」では、役である天光寺輝彦がスキンヘッドのため、大葉もスキンヘッドに。意外とスキンヘッドが高評価で1985年の「影の軍団IV」「影の軍団 幕末編」に伊賀忍者・がま八(スキンヘッド)でレギュラー出演することになった。