Panta
パンタ&ハルのことについて触れたいのですが、ご存知ない方の方が多いのかもしれませんね。パンタ&ハルとはパンタとハルの2人組ではありません。パンタは個人名ですがハルはバンド名です。
パンタ。一般的な認知度としては余り高くないのかもしれませんが、日本を代表するといっていいボーカリストです。

パンタ
デビューは1972年の頭脳警察でした。頭脳警察というとバンドっぽいですが、パンタとトシの2人組です(なんか紛らわしいですね)。頭脳警察。なんともいえませんね。哲学的なユニット名ですが、これはフランク・ザッパの曲名からとられたものです。
フランク・ザッパ。これまたなんともいえませんね。

頭脳警察1
Amazon | 頭脳警察1(紙ジャケット仕様) | 頭脳警察 | J-POP | 音楽
ジャケットに3億円事件の犯人のモンタージュを使ったこのアルバムは、いきなりの発売禁止というセンセーショナルなものでした。
内容的には1972年1月の京都府立体育館でのライヴです。後に代表曲となる「銃をとれ」などが収録されています。
再結成はするものの頭脳警察は1970年~1975年まで活動し、アルバムを6枚リリースしました。今や伝説となっている頭脳警察の解散後パンタは1975年~1977年までソロ活動を行います。
ソロ活動
頭脳警察を解散後、1975年~1977年の間パンタはソロ活動を行い、「PANTAX'S WORLD」「走れ熱いなら」という2枚のアルバムをリリースしています。

PANTAX’S WORLD
Amazon | PANTAX’S WORLD(紙ジャケット仕様) | PANTA, 中村治雄 | J-POP | 音楽
この時期の2枚のソロアルバムはどちらも素晴らしいです。甲乙つけがたいとはこのことでしょう。もっとも、甲乙つける必要もありませんが。
そしてこの後、いよいよパンタ&ハルが結成されます。
マラッカ
PANTA&HALを結成したのは1977年。最初のアルバムとなるのが「マラッカ」です。

マラッカ
HALは映画「2001年宇宙の旅」に出てくるコンピュータの名前からとられています。
さて、このアルバム。収録曲は粒揃いで、日本で最初期的なレゲエナンバーである「つれなのふりや」や、「さすが詩人」と思わず声に出てしまいそうになる程リアルな内容が素晴らしい「裸にされた街」などは聴きどころでしょう。
Panta & HAL の第1期メンバーは以下のとおりです。
PANTA/Vocal
平井光一/Guitar, Chorus
今剛/Guitar, Slide Guitar, Accousitic Guitar, Back Vocal
村上元二/Bass, Back Vocal
浜田文夫/Drums, Synth Drums, Back Vocal
1980X
1980年3月に発売されたPANTA&HALの2枚目のアルバムが「1980X」です。意外な感じがしますがプロデュースはムーンライダーズの鈴木慶一が担当しています。

1980X
アルバムからは「ルイーズ」がシングルカットされていますが、この曲がPanta & HALの唯一のシングルです。

ルイーズ / ステファンの6つ子 (7")
当時流行り出していたシンセを排除したシャープでシンプルなギター・サウンドが最高です!
Panta & HAL の第2期メンバーは以下のとおりです。
PANTA/Vocal, Guitar
平井光一/Guitar, Chorus
長尾行泰/Guitar, Chorus
中谷宏道/Bass, Chorus
浜田文夫/Drums, Chorus
TKO NIGHT LIGHT
Panta & HALを知らないのか?凄いんだぞ的な書き方をしてきて申し訳ないような気もするのですが、Panta & HALのオリジナル・アルバムは先の2枚だけです。もしかするとガックリされたかもしれませんね。大丈夫でしょうか?膝は、心は折れていませんか?
そうなんです。Panta & HALは2枚のスタジオアルバムと80年7月の日本青年館でのステージを収録したライヴ盤が1枚あるだけです。

TKO NIGHT LIGHT
ライブ盤を入れても僅かに3枚。しかし侮ってはいけませんよ。たった3枚で日本の音楽シーンに大きな足跡を残したのですから。
3枚目となるライブアルバム「TKO NIGHT LIGHT」は集大成ともいえる内容になっている大傑作です。
1枚目のソロアルバム「PANTAX’S WORLD」に収録されていた「マーラーズ・パーラー」も「マーラーズ・パーラー’80」として再演されており聴きどころとなっています。
Panta & HAL の第3期メンバーは以下のとおりです。
PANTA/Vocal
平井光一/Guitar, Chorus
長尾行泰/Guitar, Chorus
中谷宏道/Bass, Chorus
浜田文夫/Drums, Chorus
石田徹/Keyboard
この後パンタは、またソロ活動へと戻り、頭脳警察の再結成とソロ活動を繰り返し現在に至っています。
PANTA & HALのアルバムはなかなか入手が難しくなっていますので、BOXでコンプリート出来るのはありがたいです。