あまりにも繊細な叙情派フォークの雄、“N.S.P”。埋もれてしまうには、すっごく惜しいんですけど。

あまりにも繊細な叙情派フォークの雄、“N.S.P”。埋もれてしまうには、すっごく惜しいんですけど。

70年代後半。時代がフォークからディスコ、パンク、日本ではニューミュージックへと移行していく中で、叙情派フォークと呼ばれたN.S.Pにとっては厳しかったでしょうね。しかし、彼らの残した音楽はいまでも輝いています。むしろ今聴くべき音楽なのではないかと思うのです。


N.S.P

70年代の3人組でギター2本にベースとくれば、かぐや姫が代表だと思いますが、かぐや姫よりも繊細で詩情あふれる作品で知られるNSP(エヌエスピー)を知っていますか?!

天野 滋 (ボーカル・ギター)
中村 貴之 (ボーカル・ギター)
平賀 和人 (ボーカル・ベース)

NSP

NSPは1973年に「さようなら」でデビューしています。デビュー曲にして「さようなら」というのも一筋縄ではいかない感じがしますが、3ヶ月後にでたファースト・アルバム「NSP FIRST」がライブ・アルバムというのも変わっています。

 1. N.S.P.Cry
  2. あせ
  3. いい
  4. おひるねの季節
  5. ボーカルなんていらないよ
  6. ちょうちょ
  7. 新青春
  8. がんばれやせがえる
  9. 便所虫
10. ぼくの夏休み
11. 昨日からの逃げ道
12. さようなら

NSP FIRST

変わっているといえば、そのグループ名もユニークですよね。結成当初、アマチュア時代にはロック志向だったそうでニュー・サディスティック・ピンク(New Sadistic Pink)と名乗っていました。
しかし、フォークにそのネーミングは合わないだろうということで、頭文字をとってN.S.Pとしています。N.S.Pというのもフォークという感じはしないように思いますけどね(笑)

夕暮れ時はさびしそう

第5回ヤマハポピュラーソングコンテストでニッポン放送賞を受賞したことで、ファースト・アルバム、シングルともに注目されたのですが、続くセカンドアルバム「N.S.P II」とシングル「 ひとりだちのすすめ 」は厳しい結果となってしまいます。

しかし、神は見捨てません。1974年9月に発売されたサード・アルバム「N.S.P III ひとやすみ」とシングル「夕暮れ時はさびしそう」が大ヒットします。

1. 春はもうすぐ
2. かげふみ
3. なんて空だろう
4. 夜
5. 仲直り
6. 夕暮れ時はさびしそう
7. 雪どけ水はつめたくて
8. 一片(ひとかけら)の幸せ
9. くちづけ
10. 冬がのぞいている
11. 雪の精
12. いなかっぺちゃん
13. いい

N.S.P III ひとやすみ

かぐや姫の影響が大きかったのでしょうが、当時のフォークソングといえば四畳半フォークと呼ばれたりしていてティーンエイジャーにとっては実感が湧かない内容でした。
しかし、N.S.Pの楽曲はフォークといっても身近な内容です。優しく、繊細で。その代表曲が「夕暮れ時はさびしそう」でしょう。

ナイーブだなぁ。。。思わずこの歌の主人公になってしまいそうです。この曲、代表曲に違いありませんが、もちろんN.S.Pはこれだけではありません。この年の終わりにも、もう一曲N.S.Pらしい名曲「 雨は似合わない 」を発売します。

「 雨は似合わない 」を収録したアルバム「おいろなおし」を1975年2月に、同年8月には早くも5枚目となるアルバム「2年目の扉」を出します。
タイトルが示す通りN.S.Pは新しい扉を開こうとするのでした。

赤い糸の伝説

いま改めて聴くと胸を掻き毟られそうになるほど切ないN.S.Pの楽曲ですが、結局大ブレイクには至らなかったんです。
もっとヒットしてもよかった、ヒットしなかったのが不思議でなりません。時代でしょうか。。。
そんな中、1976年4月に発売された8枚目のシングル「赤い糸の伝説」は、久々のスマッシュヒットとなりました!

「赤い糸の伝説」に先行シングルだった「ゆうやけ」、更には次のシングルとなる「線香花火」を収めたアルバム「シャツのほころび 涙のかけら」が1976年5月に発売されます。

1. みつからないように
2. あの娘をひとりじめ
3. おはじき
4. 赤い糸の伝説
5. おもいで
6. 線香花火
7. シャツのほころび涙のかけら
8. 都忘れ
9. 始発電車
10. ゆうやけ
11. バスケット・シューズ
12. 昨日を今日までを

シャツのほころび涙のかけら

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