昭和21年9月、金田一は「千万太の遺書」を届けに獄門島の了然和尚を訪ねます。本家筋の千万太が戦争で死に、「分家筋の一(ひとし)が生き残った」ことになり、了然和尚は複雑な心境でした。
耕助は、戦争にも鋳潰されずに戻ってきた「千光寺の釣鐘」が積まれた船に乗り、島に向かう。しかしこの訪問こそが、前代未聞の凄惨な「俳諧連続殺人事件」の幕開けであった!…
1:寺の鐘の返還
2:本家筋の千万太の死
3:分家筋のひとしの生還
3つの条件が同時に揃った。
怖いシーン6 怖い人はハイスピードで飛ばしましょう!
鬼頭花子(一ノ瀬康子): 寺の庭では花子が足を帯で縛られ梅の古木から逆さまにぶら下げられて死んでいた。
鶯の身をさかさまに初音かな (宝井其角)
金田一は和尚が念仏を唱える中「きちがいじゃが仕方がない」とつぶやくのを耳にし、和尚は発狂した千万太の父を犯人と思っているようだが、それなら「きちがいだから」であるべきはずで、なぜ「きちがいじゃが」なのかといぶかる。
怖いシーン7 怖い人はハイスピードで飛ばしましょう!
テコの原理で棒を使って釣鐘を持ち上げる
鬼頭雪枝(中村七枝子):3姉妹の次女の雪枝が首を絞められて釣鐘の中に押し込まれていたのであった。
むざんやな冑(かぶと)の下のきりぎりす(松尾芭蕉)
解釈:3姉妹の母のお小夜は「道成寺」が得意な旅役者、釣鐘のシーンが象徴的「道成寺の鐘入りがお得意」
怖いシーン8 怖い人はハイスピードで飛ばしましょう!
通夜をしている本鬼頭家では、祈祷所で3姉妹の長女の月代が白拍子姿となり母から伝授されたという祈祷を行っていた。
鬼頭月代(浅野ゆう子):家の者が確かめに行くと首を絞められて殺されており、そこには萩の花が蒔かれていた。
一つ家に遊女も寝たり萩と月 (松尾芭蕉)
解釈
・月代がこもった祈祷所を先代が「一つ家」と呼んでいた
・白拍子=遊女という解釈
ネタバレ注意! まだ見てない人は読み飛ばしてください。
「五・七・五・・・俳句だ!!」
屏風の俳句が全てだったんですと了然に言う金田一。
三つの条件がそろいすぎたと言う了然。
「千万太の死と一の生還の知らせが同じ日にあった。そして同じ日に釣鐘が戻ってきた」
「和尚さんは釣鐘の前で、芭蕉の兜の句を呟かれた。あの句のためにどうしても釣鐘が必要だった」
「わしは嘉右衛門さんの執念が生きているのをまざまざと感じた。三つのうち、どれか一つでも欠けていたら三人娘は殺されずに済んだじゃろう」
雪枝と月代を殺したのも了然かと言う等々力に
それは違うと言う金田一。
「ただ、和尚さんは別の男を殺す必要があった。海賊です。和尚さんは海賊に花子さんを吊るしているところを見られてしまったんです」
あの男は筋書きにない闖入者だったと呟く了然。
では雪枝と月代は誰が殺したと呟く等々力。
雪枝と月代の死因は絞殺だと言う金田一。「和尚さんはリューマチだ。片手だけで絞めるのは不可能だ。そして勝野さんにはアリバイがありません」
嘉右衛門の臨終に立ち会い、そこで千万太が死に、一が帰ってきたら、一を本鬼頭の跡取りにして、三人娘を俳句仕立てに殺してくれと頼まれたことを思い出す了然。
勝野が雪枝と月代を殺したのかと呟く等々力に
わしは勝野を巻き込みたくなかったと言う了然。
そこに現れる荒木。「和尚。村役場に一の戦死の報告が入った」
「なに」
「あの傷痍軍人はひどい復員詐欺じゃったよ」
わしは何の為に地獄に堕ちることまで覚悟してやったのかと嘆く了然。
「金田一さん、本鬼頭に行ってくれ。早苗と一は嘉右衛門と勝野の間にできた子じゃ」
「そうだったんですか」
復員詐欺:最初のシーンで金田一が話しかけた傷痍軍人は その後のシーンで実は片足を不自由になったフリをした男、つまり詐欺師である事を示している。
勝野にこれを探してるんでしょうと手拭いを見せる早苗。
嘉右衛門が了然に頼んでいるのを聞いてしまったと早苗に言う勝野。
「じゃあ、戦地の千万太さんに知らせたのもお母さんだったんですか」
「千万太さんが帰ってくると恐ろしいことが起きずにすむ。そう思って便りしたんや。でも千万太さんは帰らず、和尚さんが嘉右衛門さんとの約束を果たそうと花子さんを殺した。私は和尚さんの身代わりになりたかった」
「私はお母さんが和尚さんを誰より頼りにしてることを知っていた。そして和尚さんもお母さんに優しかった」
「だから私は雪枝さんと月代さんを殺したの」
「言わないで」
本鬼頭に着いた金田一
「了然さんは花子殺しを自供しましたよ」と勝野と早苗に告げる金田一。
「金田一さん。和尚さんは私のことを」
「ええ。全てご存じのようでした」
「そうですか」と泣く勝野。
「一さんが復員するまでに何事も終わらせたかったんです」
早苗に「勝野さんはあなたのお母さんなんですね。和尚さんから聞きました」
「ええ。親子なのに親子と言えない苦しみ。でも私は二年間だけでしたけど、お母さんはずっと」
了然に「鬼頭家にいたければ秘密にしろ」と言われたと話す勝野。
勝野が子供の頃を回想するシーン
「わしらは目に見えん大きな力に動かされてきた」と勝野に言う了然。
「嘉右衛門さんかもしれん。そうでないかもしれん」
「早苗と親子の名乗ができて、こんな嬉しいことはありません」
天狗鼻から身を投げる了然と勝野。