膝関節も可動するが、劇中では殆ど、この前のめり姿勢で板野サーカスで舞い飛んでいた
通常の1/600シリーズだと、殆どのメカがアニメスケールより大きくなるので、その分ギミックやディテールが進化するのだが、アディゴはアニメスケールでは1/350版が1981年8月に一度発売されており、単体での出来も悪くなかった。
そこで、統一スケールでダウンサイズで出し直す1/600シリーズでは、膝関節を簡素化して、飛行形態と着陸形態のコンパチにした上で、一箱に2機分のパーツを揃えて300円での販売になった。
再現画像より。群れを成してイデオンに襲いかかる小型機動メカの群体
キットの出来的には、2脚の付け根の関節部分の形状が設定とは異なるが、足首の可動がアニメ演出を再現して、ほぼ90度折りたためるので、股関節が開かなくてもあまり問題はない。
メインボディ後部の白と、バーニア内部の赤が印象的
上では小型と書いたが、『イデオン』は、そもそも主役のイデオンが100m級なので、対比する敵メカも基本的に小型と言えど巨大で、このアディゴも劇中だと小型メカに見えるが、サイズ的には『ガンダム』の巨大モビル・アーマー、ビグ・ザムに匹敵する。
比較写真。左からジグ・マック、真ん中が『機動戦士ガンダム』(1979年)の1/550 ビグ・ザム、そして右側がアディゴ
この写真では、アディゴとジグ・マックが1/600で、ビグ・ザムが1/550なので、ほぼ同スケールの対比と思ってもらえばよいだろう。
塗装では、アディゴのオーメだけなぜか赤茶色に黄色の配色なので、そこだけシャアザクの赤茶色とイエローで塗装。あとはクールホワイトとザクグリーンで細部を塗り分けた。
1/600 ザンザ・ルブ 1982年6月 1500円
劇場版用特別なメカらしく、純白で幽鬼的なシルエットが描かれているボックスアート
1/600シリーズで最後に選んだのは、映画版オリジナルメカのザンザ・ルブ。
今回、再現画像を作るに当たっては、イデプラをどの程度揃えるかで悩んだが、全てのメカが個々に見せ場があるテレビ版ではなく、劇場版の、それも『発動篇』だけから抽出すると、そこで登場するバッフ・クランの重機動メカは、今回の4種類が殆どであることが分かった。
完成したザンザ・ルブ。相似形のガンガ・ルブと比較しても一回り大きく、想像よりでかい。迫力も満点
このザンザ・ルブは、富野監督が『ガンダム』の主役ロボで登場させたかった(そして、主役ロボとしては後の『重戦機エルガイム』(1984年)で達成される)「全身純白のロボット」としてデザインされており、それが予め決まっていたことを示すかのように、全身が曲線と曲面で「骨」からデザインされていることが、手足の構造からみてとれる。
関節可動箇所自体は多いが、保持力の問題と関節の位置の問題から、ポージングは限られている
また、『イデオン』劇中で「白」は、バッフ・クランにとって「徹底抗戦の意思表示のカラー」でもあり、ガンガ・ルブをモチーフとしながら、優雅で幽鬼的な見事なデザインに仕上がった。
真横から見たザンザ・ルブ。やはりガンガ・ルブの基本構造を基にしながらも、禍々しいラインへと変更されている
アオシマとしても、このメカは映画版『イデオン』のメイン商品たりえるわけで、造形的にも、ほぼ同時期のバンダイの『聖戦士ダンバイン』(1983年)のオーラバトラープラモよりも、曲面のデザインの、立体への落とし込み方などはこちらの方が勝っている。
ザンザ・ルブの頭部(?) 水玉模様部分はガンガ・ルブ同様にクリアパーツで作られている。意外とパーツ同士の組み合わせ方は複雑
もっとも、当時『イデオン』ブーム自体が、商品展開的にはピークを過ぎており、発売予定で発表されていた1/600 ゴンド・バウや、アニメスケールシリーズのガンド・ロワ等が未発売に終わったばかりか、このザンザ・ルブでも、オーメ部分をクリアパーツで作っているため、ひょっとしたらアオシマ的には、勢いさえ衰えてなければ「光るザンザ・ルブ」を別個に売りたかったのかもしれない。
再現画像より。イデオンに対して大型のザンザ・ルブが3機編隊で襲い来る!