はじめに
湾岸MIDNIGHT SUPER TUNEDCAR COLLECTION (KCデラックス) | ヤングマガジン編集部, 楠みちはる |本 | 通販 | Amazon

湾岸ミッドナイト(第1作)
「狂気の沙汰」というのはこういうことを言うのでしょう。車のスピードメーターでは測りきれないスピードの領域に簡単に飛び込んで行ってしまう人間たち。その常識はずれな人間たちと乗っている車をご紹介していきたいと思います。
余談となりますが、連載が始まり、しばらくすると同じ週刊雑誌上で「しげの秀一」氏による「頭文字D」が始まっています。実は「あいつとララバイ」の時も同じように「バリバリ伝説」が連載されていましたね。プライベート上ではこの二人、実に縁が深いようで、ライバルでもあるのでしょうが、四畳半の部屋で二人で漫画を描いていたりしていたほど関係が深いようで、ライバル以上の何かになっているようです。
今回は
第一部として(悪魔のZ編並びにイシダ編)KCコミック第一巻~第四巻P82までを中心に書かせていただきます。

テスタロッサとZ
KCコミック湾岸ミッドナイト第二巻P169
朝倉アキオ

朝倉アキオ
KCコミック湾岸ミッドナイト第一巻P46
この物語の主人公。学校での成績は悪くなく、留年となった時にはほかの教師たちが意外だと発言している。
女の子たちからはかなりモテているようだが本人は車の事しか頭にない。しかし不思議な魅力を持っているようで、この少年は男女に係わらず人を引き付けてやまない部分があり、「Z」と共に多くのチューナーやドライバーが引き寄せられるように関係してくる。

悪魔のZ
湾岸MIDNIGHT SUPER TUNEDCAR COLLECTION 監修ヤングマガジン編集部
解体所でスクラップになるのを待つばかりの状態で積み上げられていたところをアキオが過去の記憶と共に一瞬で魅入られてしまった。
エンジンはL28に「地獄のチューナー」と呼ばれた「北見淳」が手を入れたもの。北見のところに来た時にはすでにL28が積んであり、このL28を3.1Lにボアアップしツインターボ化してある。公認の手続きを正式に取得してあるので車検も通る車。
この車のボディーは他のチューナー達とは違う考えを持つ天才「高木優一」の手によるもので、アキオ自身も作業を手伝うことになるが、アキオが他の車のボディーに手を入れるとき、「高木」から受けた薫陶が大きく反映されていく。この車が「身をよじるように走る」と言われるのはこの高木の発想がそのような感覚を周りに感じさせているためだろう。時速330Km/hに耐えるボディーに仕上がっている。

実写版で使用された車
上記のスペックはノーマル仕様の数値で「悪魔のZ」とは全く別物です。
この車は実写化にあたって用意された車です。しかしやはり改造は施されているようなのですがどの程度の物かは判りません。オーバーフェンダー、アルミホイールも似ていますし、公認の改造車のようです。したがって、上記のスペックとはかなり違ったものなのでしょう。
島 達也

「湾岸の帝王」 島 達也
KCコミック湾岸ミッドナイト第二巻P114
職業柄、収入は比較的多かったはずだが、生活に最低限必要な分を除いてすべてを愛車「911ターボ」に注ぎ込んでいる。当時一緒に走っていた仲間たちは既に皆、降りており、誰も残っていない。
死んだ「朝倉晶夫」の妹で恋人だった「えりこ」の頭の中に残る兄の幻影を追い払うため、「悪魔のZ」と走る際に同乗させているとこ辺りから物語の中でも中心的な役割を演じ始めている。ある意味、もう一人の主人公ともいえそうだ。

ブラックバード
KCコミック湾岸ミッドナイト第二巻P234
地面を掴むような4WD車とは違い、地面を蹴るような走り。RR駆動は後輪に荷重が当然かかってくるのでそのトラクションは全くの別格と言えるだろう。物語の中では、「悪魔のZ」とコインの表裏の様な関係となっていくが、一つのものだとしても違うものなのだ。後述の山本 和彦は「ポルシェは知れば知るほど別格だ。」とのセリフが出てくる。
この車は最終的にモノコック構造のフレームの前後を切り落とし、新たにパイプフレームを溶接、カーボンファイバーで外見を作っている。ボディーの改造作業は高木優一と朝倉アキオが直接手作業で進め、エンジンは北見 淳によってF1タービンを搭載、リファインされている。無論、もう車検は通らない、残り一年の命となっても、拘った島 達也の覚悟の表れだろう。
ブラックバードのネーミングは、ロッキード社が開発しアメリカ空軍で採用された超音速・高高度戦略偵察機であるSR-71の愛称から。マッハ3で飛行すると言われている。島 達也自身の発言より。

ポルシェ911ターボ
【グーネット】「911ターボ」の中古車一覧(1~30件)
1975年の実際の生産車は260馬力となっている。RR駆動方式から生み出される強烈なトラクションは乗るもの全てを魅了してやまなかった。
基本的な仕様は1989年に登場する964型まで続く。ここで初めて4WD車が現れることになるが外観は930のそれを踏襲しており、あまり変化が見られないように感じるのだが、パーツの80%が新しくなっており、ボディー構造も一般的なモノコックとなった。
当然エンジンも違うものになっていて、3.3L、320馬力、45.9kgmとなった。ただ未だにこの時点では空冷式RR(一部4WD車もあり。)作り手側に何かしらのこだわりすら感じる。
北見 淳

「地獄のチューナー」北見 淳
KCコミック湾岸ミッドナイト第二巻P78
特にL型エンジンのチューンが有名で、勿論その代表作ともいえるのが「悪魔のZ」だが、何十基、何百基のL型エンジンを手掛けている。その実績は他の追随を許さない。他のどんなエンジンでも手掛けるが、この物語の第1部(コミックでは42巻)では最後はブラックバードのポルシェの水平対向6気筒ターボエンジンのみに集中していて、「もうL型はやらない」と言っている。
現在は「北見サイクル」という自転車屋を細々とやっている。
高木 優一

板金修理工場「ボディショップSUNDAY」社長
湾岸MIDNIGHT SUPER TUNEDCAR COLLECTION 監修ヤングマガジン編集部
アキオの「Z」のボディーは、この人間が手掛けたものだった。300Km/hに耐えられるボディーに仕上げるように注文されたものだった。
後に「Z」が全焼した時に修理を依頼され、330Km/hまで耐えられるボディーへと進化させている。
中学を卒業してすぐに板金屋に努めたが仕事が遅く、ニブイところから「グズいち」とよばれていた。そんな彼に北見が板金を頼んだことから人生が変わっていく。
富永 公

「トミナガスピード」代表。
湾岸MIDNIGHT SUPER TUNEDCAR COLLECTION 監修ヤングマガジン編集部
CPUチューンが当たり前の時代ではあるが、キャブレターの時代は「燃調の鬼」と呼ばれていたほど。その腕は確かなもので、数値やグラフは当然とるが、それだけではない何かがあることも知っている。やはり彼もこの分野にかけては「天才」である。
昔は彼の作ったチューン用のCPUがコピーされ販売されていたほどのスペシャリストだがエンジンのチューンに関しては超一流にはなれなかった男で、結局その分野からは手を引いている。ちょっと哲学的なモノの見方をすることがあり、物語全体の中でも重要な人物となっていく。
彼もまたアキオと「Z」に引き込まれている一人だが、そこに係わってくる人々の車もセッティングすることが多い。
イシダ ヨシアキ

石田義章
KCコミック湾岸ミッドナイト第一巻P213
この人も「Z」に引き付けられてしまった一人だろう。元来の女好きで愛車は「フェラーリテスタロッサ」メカチューンで600馬力というハイパワーを引き出したモンスターマシンである。
有名カメラマンとしては「走り」にこだわり何かあれば失うものが多すぎるにも拘らず「Z」の前を走りたい一心でテスタロッサのチューニングを北見に依頼する。実は彼は癌に侵されており、手術の必要がある状態だった。にもかかわらず、「Z」を追う。何が彼をそうまでして走らせているのかはもう本人にもわからなくなっていたのではないかとも取れるような行動である。
実は最終的には島 達也が緊急手術を行い、体は立ち直っていくのだが、「Z」とのバトル以降は北見が体の状態に合うマシンへとテスタをセッティングし直すこととなる。

フェラーリ・テスタロッサ
KCコミック湾岸ミッドナイト第二巻P8
何にしてもノーマルでさえも300Km/hオーバーと言われるモンスターマシンである。それを北見が手を入れたメカチューンで仕上げたというのだから実質600馬力を振り絞っていたのではないかと思われる。

フェラーリ・テスタロッサ
【グーネット】「テスタロッサ」の中古車一覧(1~10件)
これが本来のテスタロッサです。テスタロッサはイタリア語で「赤い頭」を意味する名前の由来からしても本当は赤い塗装であってほしいところです。
秋川 零奈

秋川レイナ
アミューズメントマシン|湾岸ミッドナイト MAXIMUMTUNE2
実は車を走らせることが大好きな、ちょっとお転婆でおちゃめな部分をもっている。選んだ車は「スカイラインGT-R(BNR32)」。
物語序盤ではドライバーとしては普通の走り屋という感じだったが、後に「最高のR乗り」と言われるほどの柔らかく、美しい走りを見せてくれるようになるまでに育っていく。
「800馬力も600馬力も関係ない」と車はパワーだけではないと言うことをよく理解している。
アキオに恋心を抱いているのだが、なかなか言い出せない、シャイなところもある。実は幼いころ、アキオを見ていた。母親に「あの白い家の子とともだちになりたい」と言っていて、そのころの記憶は後々、思い出されてくる。

スカイラインGT-R(BNR32)
KCコミック湾岸ミッドナイト第九巻P4
この車はNISMO T25タービン(小説版)ツインターボ仕様 約600馬力仕様にチューンされていて、並みのGT-Rではない。チューナーである山本は「800馬力にもできるんだよ?」と言うが、レイナの意思でこの仕様としている。

日産・スカイラインGT-R (BNR32)
【グーネット】「BNR32」の中古車一覧(1~30件)
山本 和彦

「YM(ヤマモト)SPEED」代表
KCコミック湾岸ミッドナイト第九巻P101
暴走行為を繰り返すためのチューニングというものに対して否定的だった。永くこの業界で仕事をするうちに、悲惨なものを見すぎたためと思われる。しかし過去、山本自身が手をかけた車で、死んだ人間はいないと言うことだ。
レイナを通し、「Z」に接してからやはり彼もまたアキオと「Z」にひかれていく一人となっている。後にケイの「スープラ」を手掛けてから看板を「YM(ヤマモト)SPEED」に戻してチューニングを再開することになる。
元は某車メーカーの開発部門に努めていた。基本的に真面目な人間なのだろう。その生真面目さからチューニングもとことん追い詰めていくきらいがあり、チューナー仲間からも「チョットやばいチューナー」と言われる。

YM(ヤマモト)SPEED TUNED BNR34
湾岸MIDNIGHT SUPER TUNEDCAR COLLECTION 監修ヤングマガジン編集部
この車は山本自ら乗っている車。走りやすさを重視したチューニング。
次回は
どうでしたか?楽しんでもらえましたか?
次回は「平本編」(とびっきりのGT-R編)~「マサキ編」(赤坂ストレート編)そしてできれば「圭一郎編」(モンスターマシン編)までをご紹介したいと思っています。