次回作とセットで遊ばないと真の面白さが伝わらない!初代『アークザラッド』について

次回作とセットで遊ばないと真の面白さが伝わらない!初代『アークザラッド』について

『アークザラッド』は、ジークラフト制作のシミュレーションRPGで、本体発売から数ヵ月後というプレステ黎明期、プレステ初の大作シミュレーションRPGとして1995年に発売されました。しかしゲームの内容は事実上、『アークザラッド II』のプロローグ的に作られており、これ単品では決して良作扱いになれない悲しいゲームでもありました。今回はそんな初代『アークザラッド』についてまとめます。


概要

本編は未完のまま終わりますが、『II』の発売前後にはザ・ベスト版が週間売上チャートのトップ10内でロングヒットしました。

初代『アークザラッド』パッケージ

Amazon | アーク ザ ラッド | ゲームソフト

本作は本体発売から数ヵ月というプレイステーション黎明期の作品であり、架空の世界を舞台にした超王道なファンタジーです。そして何度も言うようですが『アークザラッドII』のプロローグ的なゲームであります。

特徴と評価点

戦闘システムとゲーム内容

フィールドがマスで、各キャラクターが駒となり、一人一人行動を決めながら進めていくオーソドックスなシミュレーションRPGです。行動順は素早さのステータスで決まります。「フリーバトルエリア」を利用した稼ぎができるために全体的に難易度は易しいです。
側面、背面から攻撃すると攻撃をヒットさせやすく、反撃も受けにくいです。逆に正面だと回避されやすく、反撃も受けやすくなります。これによりキャラの背面、距離、地形を意識した戦闘が必要になってきます。

また本作は、フィールド移動の簡略化、アイテム売買や宿屋の概念のなさ、一部を除きダンジョンが存在しないなど、全体的にシンプルな内容になっています。ゲームの展開はイベント→バトル→イベントの流れの連続であり、物語自体も短いため早いテンポでゲームが進行します。

キャッチコピー「光と音のRPG」

本作のキャッチコピーは「光(演出、エフェクト)と音(効果音、BGM)のRPG」なのですが、その名に恥じない秀逸な演出やサウンドを誇っています。
オープニングやエンディング、ストーリー中に流れるムービーは、プレイステーション最初期とは思えないほどクオリティが高く、(ぶつ切りではあるものの)良質なストーリー、演出と相まって物語を盛り上げてくれます。

これは戦闘にも言える事で、各キャラのドットグラフィックもとても丁寧に作られています。特殊能力(技や魔法)のエフェクトも迫力があります。
BGMは、後にレースゲームの名作『グランツーリスモ』を手掛ける安藤まさひろ氏が担当しており、捨てる曲がないほどの名曲揃いです。その評価は非常に高く、ほぼ全ての曲が次回作にそのまま使われたほどでした。

魅力あるキャラクター達

各キャラクターは戦闘面、ストーリー面の両方で個性あるものに仕上がっており、実力派声優を起用した音声と相まってゲームを盛り上げてくれます。
小さなキャラながらも細かな動きが多く、戦闘以外でもコミカルな動きを披露してくれます。

細かな隠し要素、豊富なやりこみ要素

本作は、やり込み要素や隠し要素が多いのが特徴です。主にレアアイテムの入手などに関係し、指定された特定の行動をしたり、闘技場や道場の試練などで最大100回以上の戦闘をこなさねばならないなど、達成条件も厳しいものとなっています。

中でも本作唯一のダンジョン「遺跡ダンジョン」は、各階層に配置されたアイテムを入手できますが、内部でのセーブができず地下50階層のフロアを降りて再び1階に戻ることが条件となっています。一度倒した敵もフロア移動を行うと復活し、下層に行くほど敵は強化されていきます。本編中は5階までしか行く必要がありませんが、任意で最下層を目指すことができ、最下層にはラスボスを凌ぐ最強のボスが待ち受けています。

なお、続編の『II』でも同じものに挑戦できますが、10階毎に回復や脱出が可能な休憩所が用意されていたり、出現する敵やボスが弱体化していたり、クリア後は地下50階まで一気に行くことが出来るなど難易度が緩和されています。また、ボスとの会話は本作と『II』で全く別のものが用意されていました。

賛否両論点

やりこみ要素が単調になりがち

闘技場も遺跡ダンジョンもボリュームはありますが単調な作業になりやすいです。

勝ち数次第で商品をもらえる闘技場はテンポが悪く、一回終わるたびにファンファーレと戦果報告画面、その後主人公たちが闘技場に入場して受付前で立ち止まる流れの繰り返しがある為、1戦1戦に時間がかかります。
こんな形式なのに、最終目標は1000勝です。やりこみ要素でしかないとはいえ、ここまで用意するくらいならもう少しテンポを良くしてほしかったですね…。

隠しキャラも仲間になる遺跡ダンジョンは地下50階まである上、イベント後にまた昇りなおす必要があります。上にも書きましたが、ショートカットはない為地道に行くしかなく、道が狭い為に一々敵を倒さなければ先に進めないフロアが多いので、適当にあしらいながら先を急ぐことも難しくなっています。
内部でのセーブができず中断が出来ないため、一気にクリアしなければならないというのも高難易度に拍車をかけています。

後に配信されたPSPのアーカイブス版なら本体のスリープ機能を用いることで疑似的な中断が可能なので、PSP環境なら多少遊びやすくはなっています。

その他

各キャラがレベルに応じて特殊能力(攻撃、回復、強化などの技)を習得、強化していきますが、特技がランクアップすると低ランクのものは自動的に消滅します。
射程や中心地点からの効果範囲が広がるので使い勝手はよくなるのですが、それに伴って消費MPも増大しているため一長一短といえます。
『II』ではランクアップしても低ランク技は消滅せず、高ランクと切り替えで使えるようになりました。

問題点

関連する投稿


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


「おかあさんといっしょ」の『にこにこ、ぷん』が令和に復活!公式YouTubeチャンネル開設&グッズ展開決定!!

「おかあさんといっしょ」の『にこにこ、ぷん』が令和に復活!公式YouTubeチャンネル開設&グッズ展開決定!!

NHK「おかあさんといっしょ」の人形劇コーナーとして1982年から1992年までの10年間にわたり放送され、累計2,000話以上の物語が制作された人気シリーズ『にこにこ、ぷん』が、令和の時代に新たなかたちで帰ってきます。


「世界・ふしぎ発見!」のミステリーハンターも務めた女優『ジュリー・ドレフュス』!!

「世界・ふしぎ発見!」のミステリーハンターも務めた女優『ジュリー・ドレフュス』!!

1991年3月にミステリーハンターとして登場されると出演回数8回で、出演回数ランキング33位となるジュリー・ドレフュス さん。2013年出演のドラマ「老舗旅館の女将日記」を最後にメディアで見かけなくなり気になりまとめてみました。


創刊20周年特集は過去20年間の国内ソフト売上ランキング!ゲーム業界のデータ年鑑「ファミ通ゲーム白書 2025」が発売!

創刊20周年特集は過去20年間の国内ソフト売上ランキング!ゲーム業界のデータ年鑑「ファミ通ゲーム白書 2025」が発売!

角川アスキー総合研究所より、国内外ゲーム業界のデータ年鑑『ファミ通ゲーム白書2025』が発売されます。発売予定日は8月7日。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。