国鉄が運輸省に「陳情」したという異例の事態。
いくら経営に影響が大きいとは言え、地元住民にとって「便利で安いもの」を「頼むから作らないでくれ」と陳情するというのは、やはり無理がありますね。
いかに当時の国鉄が切羽詰まっていたかがわかるようなエピソードです。
南アルプス・中央アルプスに囲まれた駒ヶ根市。
駒ヶ根市 アルプスがふたつ映えるまち
その後、急行こまがねは廃止になり、中央高速バス飯田線は前述のように、ラッシュ時30分に1本発車という、ベストセラー路線に成長しました。
そして、この時代を境に、高速バスは徐々に日本に浸透していき、替わりにブルートレインがすべて廃止に追い込まれるということになります。
一方で、同じ中央高速バスでありながら、新宿ー甲府、新宿ー松本間は、JR特急と高速バスとが完全に共存しており、鉄道とバスとは、必ずしもどちらが有利ということは言い切れません。
バスは大渋滞に巻き込まれると、際限なく遅れるということもあります。
この1980年頃から始まった、高速バスの急速な発展は、利用者には明らかに便利で快適なものになりました。選択肢が増えるのはいいことでしょう。
そして、「ここをかつては急行電車が走っていたんだなあ」という思いで、美しいアルプス山脈を見ながら旅行するのも、なかなかオススメだと思います。
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