『ガンプラり歩き旅』その44 ~こういう時、慌てた方が負けなのよね! ガンキャノン!~

『ガンプラり歩き旅』その44 ~こういう時、慌てた方が負けなのよね! ガンキャノン!~

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をする大好評連載の第44回は、ホワイトベースV作戦トリオの一角、ガンキャノンです!


『めぐりあい宇宙編』で、ア・バオア・クーに取りついたカイとハヤト

確かに、相対的に古くなってしまったモビルスーツを、再生という名目で新たに最新技術で作りなおせば、商品化のネタは二週、三週と無限にビジネスを続けることができるようになる。
擁護ではないが、この時期既に、HGUCはシリーズ開始15年を経過していて、それは初代ガンプラから、『新機動戦記ガンダムW』(1995年)までの時間経過に匹敵するのだ。ガンプラファンであれば、その間のガンプラの技術革新を覚えているだろうし、その間においても、正式なリファインではないが、ザクやドム、ガンキャノンなどを含めた初期のモビルスーツ達は、既にOVA版デザインなどで、リファイン、リメイクはされて当然のスパン、それが15年という時間であることは理解できよう。

REVIVE版ガンキャノンの上半身。ゴーグルがクリアパーツ化されたことと、キャノン砲の接続が、肩幅よりもオフセットされたことで、頭部の可動のクリアランスと、キャノンのボリュームを確保していることが分かる

そこまでのエクスキューズがあって、まるでネタのように、HGUC REVIVEも、この年、ガンキャノンから再始動した。
それはおそらく、主役のガンダムを再々リファインするためのアリバイでしかなかったのかもしれないが、それでもこの“REVIVE”というビジネスターンは、ガンキャノンというキャラクターにとっては僥倖であったと言えるだろう。

1stガンダムのモビル・スーツにはあまり似合わないが、イマドキ風アクションポーズを取らせてみてもしっかり決まってくれる

REVIVE版のガンキャノンは、既にガンプラの素材世代が、ABS樹脂を排してKPSを導入し始めていた時期なので、このキットもその恩恵を十二分に受けこんでいる。
プロポーションこそ、頭身が高くなり、足も伸びて、ヒーロー体型になりすぎて、大河原邦男氏デザインとも、『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』(1982年)などでの、安彦良和氏作画版とも違った現代的シルエットになってしまったが。
その代わり、HGUC 001版で、違和感のある六角形アレンジにされてしまっていたバックパックのダクトの形状が治された他、全身の可動範囲が劇的に向上。

REVIVE版のバックショット。バックパックのダクトがちゃんと円形に直されているのがわかる

HGUC 001版では付属していたスプレーミサイルランチャーがなくなったが、その代わりにゴーグルはクリアパーツになり、ビームライフルのサイトもイエローで別パーツ化され、HGUC 001版の金型流用は一切ないなど、15年の技術差をこの商品一つで知らしめて、REVIVEシリーズのインパクトを、強烈にガンプラユーザーに焼き付けることに成功した。

肘関節のアレンジの仕方は、好みが別れるかもしれないが、二重関節で120度以上曲げられるメリットの方が高いと感じる。

確かに、アニメプロポーションに近かったのはHGUC 001版ではあるし、機体色の関節部分の成型色も、個人的には今回のダークグレーよりも、HGUC 001版のダークグリーンの方が“昔のアニメ版っぽい”という意味では好みである。

もちろん膝関節も二重関節構造

なので今回は、この傑作REVIVE版をストレートに組みつつ、もうABS樹脂に気を遣う必要もなくなったので、全身のグレーを濃緑色に全塗装して、ライフルとキャノン、そしてバックパックを、ミディアムブルーで塗装して仕上げた。
あ、あと、ここだけはさすがにパーツ色分けが無理だった、こめかみのバルカンのイエローは、しっかりと塗り分けておいた。

フロントアーマースカートは、HGUCでは基本左右1パーツだが、定番のお手軽改造として、パーツの真ん中で左右を切り離すだけで、こうして独立可動が可能になる

当初から、HGUC 190 REVIVE版ガンキャノンは2機用意しておいたが、劇場版Ⅱまでの再現ではナンバリングシールを貼らずに撮影し、『めぐりあい宇宙編』撮影クランクイン時に、2つのガンキャノンにそれぞれ、108、109のシールを貼って、カイ機、ハヤト機に設定して撮影で使い分けた。

カイ・シデンの108、ハヤト・コバヤシの109。2機のガンキャノン

オールガンダムプロジェクトと新生REVIVE、共にガンプラの方向性を一気に広げるカンフル剤的効果があると同時に、縦横無尽な商品化可能性を、2つの枠に閉じ込めてしまう危険性を孕んだ企画ではあるが、一方ではやはりこちらも2013年からスタートした『ガンダムビルドファイターズ』なるアニメ連動ガンプラ企画とも、絶妙なコラボレートを見せているシリーズも生まれていて、バンダイの柔軟さを味わうことが出来る。

とりあえず、最初の『機動戦士ガンダム』が好きな人は、HGUCシリーズから、これとガンダム(お好きなのを)とガンタンクとザクとドムとズゴックの、敵味方で6つ程度を買っておくだけでも、充分「良い時代になったなぁ」と、感慨に浸れるということ請け合いである。

市川大河公式サイト

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