柔道一直線
柔道を主題にした漫画は野球に比べると非常に少ないですね。やはり柔道の人気がないからでしょうか?すぐに思いつくものと言えば、1986年から連載が始まりアニメにもなった「YAWARA!」。
YAWARA!
もしくは、1991年から連載された「柔道部物語」でしょうか。
柔道部物語
どちらも抜群に面白いです。が、とてもリアルな柔道漫画といえます。だからこそ面白いと言えるわけですが、70年代を過ごした人たちからすれば、それはちょっと物足りないと言わずにはおれません。
何故か?!それはリアルであるがゆえに必殺技がないからです。必殺技は決め技とは違います。荒唐無稽、そう必殺技とは見せるものなのです。
となると、必殺技だらけ、荒唐無稽だらけの傑作柔道漫画は「柔道一直線」をおいて他にありません。
柔道一直線
原作が梶原一騎。もうこれだけで勝ったも同然!改めて言うまでもなく必殺技の巨匠ですね。梶原一騎の原作は、野球漫画の「巨人の星」、「侍ジャイアンツ」を始め、サッカー漫画の「赤き血のイレブン」、プロレス漫画の「タイガーマスク」などなどギャグ漫画以上にとんでもない必殺技を生み出したものばかりです。
勿論「柔道一直線」もその期待を裏切ることなく、結果大ヒットしました。しかし、作画を担当していた永島慎二が梶原一騎と意見が合わず降板し、途中から斎藤ゆずるに交代しています。
柔道一直線
テレビドラマ版
柔道一直線が大ブームを巻き起こしたのは、漫画よりもテレビドラマのヒットによるものでしょう。
30分番組として1969年6月22日から1971年4月4日まで毎週日曜日午後7時から放送されていました。
桜木健一&吉沢京子
主人公の一条直也を桜木健一が、ヒロインの高原ミキを吉沢京子が演じ、この作品で二人とも大ブレイクしています。
当然テレビドラマになっても必殺技は出てくるわけですが、巨人の星などとは違い実写なだけに度肝を抜かされました。
必殺技をまとめた動画がありますので、是非ご覧ください。
如何です?度肝を抜かされましたか?大笑いされましたか?
これはもう柔道とはいえませんね。確実に死にます。
物語に最初に出てくる必殺技は上の動画にもある「地獄車」で、使い手は車周作でした。
車周作は、主人公の師匠となる人ですが、これが厳しい!車先生厳しすぎます。しかし信念を持っておられ、技術だけではなく、含蓄のある言葉で精神も鍛えてくださいます。
う~ん、柔の道は厳しいですね。
ところで、柔道一直線は車周作に限らず脇役に個性派が多く出演しており魅力となっています。現在ではもっとも有名なのが近藤正臣が演じる結城真吾でしょう。足でピアノを弾くシーンは語り草となっています。
キザ。思わずその言葉が口を突いて出てきますが、結城真吾はカッコよかったのです。そして、男同士の暑苦しい人間関係に潤いを与えてくれるのが、一条直也とミキッペこと高原ミキの淡い恋愛模様です。
高原ミキが居ればこそ、一条直也は地獄の特訓に耐えられるというものです。
主題歌
当時の柔道部員は皆口ずさんでした柔道一直線のテーマソング。ド演歌です。子供番組とは思えない、やけに大人びた曲です。何もこんなハードな曲を!と思わなくもありませんが、これによって柔道の厳しさが伝わるというものです。
さて、テーマソングを憶えたら(思い出したら)、カラオケに合わせて歌ってみましょう。歌わなくとも名場面がダイジェストで観れて楽しめますよ。
柔道一直線にはカップリングでもう一曲あります。「柔道小唄」」。今度は小唄かよと膝が折れた方もいlらっしゃるかと思いますが、タイトルは知らなくとも、この曲もテレビで流れていたので懐かしいですよ。
この曲を聴いていると、天童よしみが歌っていた「いなかっぺ大将」を思い出しました。そういえば、「いなかっぺ大将」の主人公・風大左衛門は、柔道を学ぶために青森から上京してきたんでしたね。そうでした。最初は柔道漫画だったんでした。あ、「ドカベン」も最初は柔道してましたね。
結構柔道漫画はありますね。しかし、柔道一直線を超える必殺技オンパレードの柔道漫画はなく、これからも現れることはないでしょう。