TVボーイ‐価格:8,800円(発売元:学研)
8,800円…。ファミリーコンピュータのメーカー小売価格が14,800円という事実を踏まえると、実にお買い得価格ではありませんか。発売時期が、ファミコンの3ヶ月遅れにあたる1983年10月だったことをで、「ファミコンを買うのは勇気がいるから、まずはTVボーイから!」と考えて、家庭用ゲーム機デビューした人たちも少なからずいたはずです。
学研 TVボーイ
【即決】学研 TVボーイ本体+専用ACアダプター - ヤフオク!
この『TVボーイ』における最大の特徴といえば、ハード本体とコントローラーが一体になっているところ。機体右に大きなジョイスティックが装着されており、左には持ち手のような出っ張りがあってそこにボタンが1つだけついています。さながら、SFモノに出てくる宇宙船の操縦部分みたいです。ソフトは、『エキサイトインベーダー』『ミスターボム』『ロボタンウォーズ』『地対空大作戦』『フロッガー』『市街戦200X年』の計6本。
結局、ジョイスティックの可動域が狭くて操作が不便だったり、コントローラーの増設が不可能で2人同時プレイが不可能だったりと、ハードの規格そのものに如何ともしがたい難があったため、あえなく消えていきました。
ゲームパソコンM5‐価格:49,800円(発売元:タカラ)
80年代初頭に流行したいわゆる「ホビーパソコン」の一種。カートリッジスロットが搭載されており、そこにはゲームソフトだけではなく、BASIC-I(付属品)、BASIC-G(別売り・9,800円)といった言語カートリッジも装着可能でした。これにハマって、プログラミングオタクになり、IT系の道に進んだ子供たちもたくさんいたことでしょう。
ゲームパソコンM5
☆未使用 ゲームパソコンM5 本体 - ヤフオク!
ネズミの警官・マッピーが主人公のアクションゲーム『マッピー』(ナムコ)、“戦略的穴掘りゲーム”のキャッチコピーが印象的だった『ディグダグ』(ナムコ)、横スクロールシューティングの『スーパーコブラ』(コナミ)、スタンダードな四人制麻雀が楽しめる『ジャン狂』(ハドソン)など、ソフトが充実していたこともあり、発売初年度にあたる1982年には10万台を売り上げました。しかし、翌年にはやはりファミコンの猛威に晒され、売り上げを著しく落とし、1984年には市場からの撤退を余儀なくされます。
オセロマルチビジョン‐価格:19,800円(発売元:ツクダオリジナル)
これは斬新!たとえばWindowsのパソコンに「ソリティア」「マインスイーパー」といったゲームが内蔵されているのと同様に、この『オセロマルチビジョン』には、オセロのソフトが内蔵されているのです。ゆえに、カートリッジ要らずでオセロが遊べます。
オセロマルチビジョン
オセロマルチビジョン本体 FG-1000 | 中古 | セガSG1000ハード | 通販ショップの駿河屋
こちらのハードはセガが発売していたSG-1000シリーズと互換性があって、SG-1000用のゲームソフトをプレイすることも可能でした。代表的タイトルは、オセロマルチビジョンのイメージキャラクターでプロゴルファーの岡本綾子をモチーフにした『岡本綾子のマッチプレイゴルフ』。このソフトが同梱された本体セットも販売されていました。
TV JACK アドオン5000‐19,800円(発売元:バンダイ)
『TV JACK』は、バンダイが70年代後半に展開していたゲーム機シリーズ。『TV JACK 1000』(1977年7月発売)からはじまり、『TV JACK 1200』⇒『TV JACK 1500』⇒『TV JACK 2500』⇒『TV JACK 3000』とバージョンアップ。しかも、1200~3000は1977年10月に同時発売されています。
TV JACK 1000
TV JACK 1000 | 中古 | 体感ゲーム | 通販ショップの駿河屋
なぜ、ゲーム機をこまめに発売するなんていうめんどくさいことをしていたのかというと、当時は外付けカートリッジを交換するという概念が希薄だったから。そのため、上記の機種、すべてがゲーム内蔵型だったのです。
バンダイ テレビジャック アドオン5000
バンダイ テレビジャック アドオン5000 ジャンク カセット付(テレビゲーム)|売買されたオークション情報、yahooの商品情報をアーカイブ公開 - オークファン(aucfan.com)
このTV JACKシリーズにおいて、はじめてカセット交換式テレビゲームとして登場したのが『TV JACK アドオン5000』でした。発売されたのは1978年。ファミコンが登場する5年も前というのを考えると、かなり画期的なシステムといえるでしょう。
アルカディア‐価格:19,800円(発売元:バンダイ)
アルカディアとは、ギリシャ神話に登場する楽園の名前。その名を冠したゲーム機がバンダイから発売されたのは、1983年3月のことでした。ほぼ同時期に、世界中で30種類以上の同一のシステムを搭載した互換機がリリースされていながら、そのライセンス元は不明という謎多きハードとしても知られています。
アルカディア
アルカディア (ゲーム機) - Wikipedia
肝心のソフトはというと、全51タイトルと、黎明期にしてはまずまずの本数なのですが、如何せん、質より量を重視したためか、 『フェニックス』を模したと思しき『スペースバルチャー』や、『パックマン』インスパイア系の『スーパーカブラー』など、ゲームセンターでヒットしたタイトルのパクリだらけ。しかもグラフィックの質も粗悪そのもので、サウンドも単調でした。
1983年3月より発売された同機は、同年7月のファミコン登場を受けて、定価をこれまでの半値以下の9800円にしたり、豊富な版権を利用して『機動戦士ガンダム』『Dr.スランプ』『ドラえもん』『超時空要塞マクロス』といった、いわゆる「キャラもの」で起死回生を図るも、やはりファミコンには敵わず。結局、この敗北によってバンダイは、ゲーム機事業からの撤退を余儀なくされたのでした。
(こじへい)