「スターウォーズ」旧三部作の日本版コミカライズ列伝・前編:エピソードⅣ「新たなる希望」

「スターウォーズ」旧三部作の日本版コミカライズ列伝・前編:エピソードⅣ「新たなる希望」

いよいよ12月15日より、シリーズ最新作「最後のジェダイ」が公開される映画「スターウォーズ」シリーズ!日本に初めて上陸した記念すべきエピソードⅣ「新たなる希望」の、日本公開当時発表されたコミカライズ版を紹介!


いよいよ12月15日より、シリーズ最新作「最後のジェダイ」が公開される映画「スターウォーズ」シリーズ!
そこで今回はその公開を記念して、旧三部作公開時の日本におけるコミカライズについて、もう一度振り返ってみようと思う。
「スターウォーズ」のマンガ版?そんなのあったっけ?という方も、当時読んだ!という方も、是非この作品に触れて頂いて、当時のブームの熱気を感じて頂ければ幸いです。
それではまず前編として、日本に初めて上陸した記念すべきエピソードⅣ「新たなる希望」の、日本公開当時発表されたコミカライズ版を紹介することにしよう。

エピソードⅣ日本公開時におけるコミカライズの概略

「新たなる希望」日本版ポスター

実はスターウォーズの日本初上陸時の宣伝展開においては、残念ながら日本独自のコミカライズ版は製作されていない。
その代わりに選ばれたのが、全米公開時にマーベルコミックスが全6話で出版したアメコミを、日本語に翻訳して週刊少年マガジンの巻末に掲載するという手法だ。まだ映画館に行けなかった年齢のミドルエッジ世代には、もの凄く有り難かったこの連載!
そこで今回は、この週刊少年マガジン掲載版を中心に紹介して行こうと思う。

古本市場でも、比較的入手し易い。

後に1冊にまとめて発売された再録本の表紙

冒頭部分がアメコミと同様にフルカラーで収録されていた。

再録本の中身の様子

合計6週に渡って連載された、このアメコミ翻訳版「新たなる希望」。
ちなみに上の画像は、雑誌での連載終了後すぐに1冊にまとめられ、少年マガジン別冊として同じ版型のB5サイズで発行された再録本だ。画像でお分かりの通り、当時販売されていたキャラクター商品の広告が満載なので、それらを見るだけでも楽しいし資料的にもかなり貴重!ミドルエッジ世代の方なら、きっと一つくらいは当時買われた記憶があるのでは?
しかも、雑誌掲載時には2色カラーだった冒頭の7ページが、この再録本ではオリジナルのアメコミと同じフルカラーで収録されているので、入手されるなら断然こちらをオススメする。。

発行からほぼ20年が経過しており、現在では非常に入手困難となっている。

メディアワークス版「新たなる希望」表紙

更にその後、1997年に製作された三部作の特別編公開に合わせ、メディアワークスから旧三部作全ての日本オリジナル版コミカライズ作品が、上下巻で合計6冊刊行された。
だが、発行部数の関係もあってか、現在では非常に入手困難となっており、古本市場でもかなり高額で取り引きされているのが困り物・・・。発行から20年が経過している現在、是非この日本版コミカライズの復刊が待たれるところだ。

少年マガジン掲載版「新たなる希望」内容紹介

第1回が掲載されたのは、「週刊少年マガジン」1978年4月30日号だった。

初回掲載号の表紙とグラビア

オリジナルのパノラマイラストだが、何故かハン・ソロがメインでルークは脇の方に・・・。

初回掲載号の巻頭グラビア、その1

初回掲載号の巻頭グラビア、その2

こちらのキャラクター紹介でも、レイア姫の方が上とは!

初回掲載号の2色カラー、その1

「ストームトルーパー」が「突撃隊員」と訳されているのに注目!

初回掲載号の2色カラー、その2

初回掲載号の2色カラー、その3

初回掲載号の2色カラー、その4

ちなみに、セリフの翻訳はアメコミの第一人者である小野耕世先生。
巻末掲載が2色カラーなのは非常に珍しい。

第1回の扉絵と1ページ目

更に、全ページ2色カラーというのも非常に珍しかった。

第1回の最終ページ

エピソードⅣ「新たなる希望」コミカライズ版の記念すべき第1回が掲載されたのは、週刊少年マガジンの1978年4月30日号。
ご覧頂ければ分かる様に、表紙とカラーグラビア、そして続く2色カラーまで、全てが「スターウォーズ」一色!
実は巻末から逆開きで始まるコミカライズ版も、全編2色カラーで掲載される程の力の入れようだったのだ。

第2回の扉絵と1ページ目

第3回の扉絵と1ページ目

第4回の扉絵と1ページ目

第5回の扉絵と1ページ目

最終第6回の扉絵と1ページ目

この後も巻末ページからの逆開きの形で、残りの5回が連載形式で掲載された。
ただ残念ながら、2回目以降はカラーページは無し。基本的に全編フルカラーが普通なアメコミだけに、単行本の様にとまでは言わないが、せめて全6回とも2色カラーにして欲しかった・・・。

実は70年代以降の講談社のマンガ誌は、マーベルのヒーロー物コミックスの日本オリジナル版がいち早く掲載されたり、週刊少年マガジンの巻頭グラビアでも、女性スーパーヒーロー大流行!の特集が掲載されるなど、アメコミに対しての意識が非常に高かった。中でも有名なのは、1970年2月号から月刊別冊少年マガジンで連載が始まった、池上遼一先生版の「スパイダーマン」だろう。

池上遼一先生の名作「スパイダーマン」の新連載が始まった号。
何と初回は100ページ一挙掲載!

「月刊別冊少年マガジン」1970年2月号表紙

その流れがあったからこそ、この「新たなる希望」でも当時マーベルから出版されたアメコミを、そのまま翻訳して掲載したと思われる。
ちなみに、翌年の1979年に公開された映画「スーパーマン」に対しては、月刊少年マガジン誌上に日本オリジナル設定の「スーパーマン」のマンガが掲載されたが、残念ながら映画自体のコミカライズ版が掲載されることは無かった。

最後に

日本初公開当時、残念ながら日本オリジナルのコミカライズが行われなかった、この「エピソードⅣ・新たなる希望」。
思えばこの年1978年こそ、日本におけるアメコミ文化定着の始まりの年となるのだが、このマーベルコミックス翻訳版掲載も、その重要な役割の一端を担う物だったと言える。ミドルエッジ世代の方の中にも、このエピソードⅣ「新たなる希望」が劇場で初めて見た映画だった、という方が多いはずだ。

この後、1980年に公開された続編「エピソードⅤ・帝国の逆襲」では、ついに日本オリジナルのコミカライズ版が掲載されることになるのだが、それは次回の後編で紹介することにしよう。

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