名作はコレがないと生まれなかった!『バブルボブル』について

ゲームボーイ版『バブルボブル』
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当時だってけっこうヒットしたはずなのに私の知り合いに聞いても誰も知らないという…。
『パズルボブル』誕生のきっかけとなった『バブルボブル』は、泡を吐いて敵を閉じ込めそれを割る事で敵を倒すステージクリア型アクションゲーム(全100面)です。敵も味方も可愛い雰囲気ながら、無敵状態で無い限り一度でも敵に触れればミスとなるシビアな難易度を併せ持っていました。特殊な進め方をしないとラスボスに会えないなど、当時のゲームならではのイジワルな仕掛けもありましたね。
この作品もそこそこのヒット作でしたが、この後紹介する、この作品のキャラを使ったパズルゲーム『パズルボブル』はタイトーの定番シリーズとも言うべき存在にまで昇華しました。
時は流れて『パズルボブル』誕生

いまではこっちの方が知名度も高い!?
Amazon.co.jp: パズルボブル NCD 【NEOGEO】: ゲーム
アクションゲーム『バブルボブル』のキャラクターを利用し、パズルゲームとして生まれ変わった『パズルボブル』。タイトルも同作のパロディです。
パズルと言えば『テトリス』や『ぷよぷよ』等の落ち物パズルゲームが主流であった当時において、パズルにシューティングの要素を合わせる事でそれらとは正反対のゲーム性を打ち出しました。
『パズルボブル』ってどんなゲーム?
単純明快な操作性とシステム
動画を見た方が早いですが、一応説明を…。
『パズルボブル』は全30面の1人プレイ&3試合2回勝利の2人対戦プレイ式の作品です。2人で対戦する2P対戦があります。
プレイヤーは4方向レバーとボタンで、画面最下部に固定されている発射台を操作します。
画面の上部には「バブル」と呼ばれる球体状の物体が集まっており、それを全て消す事が目的となります。バブルは同色のものが3つ以上繋がると消滅します。また、上方のバブルを消滅させて支えを失ったバブルは落下して全て消滅させられます。
画面下部中央にバブルの発射台があり、そこから上部に向かって一定の角度内でバブルを撃つことができます。レバー左右または上で発射角を調整し、ボタンでバブルを発射します。
放たれたバブルは他のバブルや天井、障害物に触れるとそれらにくっつく形で停止し、画面の左右にある壁にぶつかった場合は反射します。
発射台のすぐ上に1本のラインが引かれており、積まれたバブルがそれを超えてしまうとゲームオーバーとなります。
バブル1発の発射にも時間制限があり、更にラウンドクリアが長引くと天井がどんどん下がってきます。また、ラウンド1は反射角度がわかるようガイドラインがひかれていますが、次のラウンド以降はコンティニュー直後のラウンドを除いてガイドラインが無くなり、プレイヤーの射撃能力が問われるようになります。
1人プレイと対戦プレイでゲーム要素が大きく異なるのがこのゲームの特徴ですね。1人プレイ時はブロック崩しの要素が強いことに対し、対戦時はバブルを消すたびに相手側に固定バブルが送られるという『ぷよぷよ』シリーズ似たシステムとなっていました。
評価点
登場キャラクターの魅力
登場キャラクターは、言ってしまえば『バブルボブル』からの流用ですが、元々外見が可愛らしいものだったので見た目で敬遠されるようなことが少なく、女性受けも良い作品でした。
続編ではオリジナルキャラも多く登場するようになりましたが、可愛らしさは健在です。
単純なゲーム性でありながら兼ね揃えている爽快感
連鎖が無く、ただ単純に「根元を破壊すればいい」と言う単純ルールはプレイヤー層を更に広げました。それでいて大量のバブルを一度に崩す事で簡単に爽快感を得られるというのも魅力の一つです。
難点
パズルの皮をかぶったシューティング
これだけ簡潔にゲームとして完成していると短所も少ないですが、本作で要求されるのは「狙った隙間にバブルを正確に打ち込む技術」であり、パズルが得意と言う理由で始めた所でクリアは困難。という点は難点と言えるでしょうか。
一発の反射角の読み違い・隙間への入れ損ないが命取りになりやすく、正確な射撃技術が求められため、ゲーム自体は「単純」でも「簡単」ではなく難易度はかなり高いと言えます。
また、ラウンドによっては中央一直線に多くのバブルが積み上がっており、上部の数少ない支柱を狙い撃ちにできれば楽といった極端な例もありました。
総評
パズルゲームの新たな方向性を開拓すると同時に、とっつきやすさ、性別を問わず楽しめるデザインを両立させた傑作です。
シューティングという全く異なるジャンルを取り入れた事による弊害はあれど、それに対する配慮も忘れておらず、きちんと上達が目に見えるのも間口の広さを後押しする事となりました。
MVSによる元々の普及性の高さ、NESiCAxLiveによる配信など、現在でも気軽に楽しめる環境は多くあります。
ちょっとした空き時間でも十分楽しめる、パズルゲームの鑑とも言える作品です。
続編、派生作品の多さ
このゲームの隠れた利点として、「入力デバイスを選ばない」というものがあります。
左右の方向指定とショットさえできればプレイ可能なので、ジョイスティックや十字キーはもちろんのことキーボードやタッチパネルでも従来通りにゲームを楽しめるようになっています。
それゆえ、多数のプラットフォームで移植版や派生作品が販売されており、単純で分かりやすいゲーム性と優れた操作性を両立させた稀有なゲームであることがわかります。
1999年までのシリーズ作品と一部キャラゲーの紹介
この『パズルボブル』ですが、なんと続編、ライセンス作品含めて10作以上も登場しています。
更に携帯端末やニコニコ動画などでもプレイできると、プレイ方法の多彩さはかなり豊富。純正ライセンス品として見れば他の追随を許しません。
なお、続編等が出ても基本的なルールは変わっていません。
中には『サイキックフォースパズル大戦』『あずまんが大王パズルボブル』のようなキャラゲー作品もあります。
『パズルボブル2』

プレイステーション版『パズルボブル2』
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1995年発売。キャッチフレーズは「人気が出たからといってすぐ“2”を作っちゃうんだから」。
バブルを消していればクリアとなり、ボールがデッドラインを超えるとゲームオーバーという基本ルールは変わりません。
ゲーム開始時にゾーンを選択可能になり。全6ラウンド&30ステージとなりました。
私はこれのセガサターン版を持っていて、自分のだけのオリジナルステージを作成可能な専用モード「エディットモード」が大好きでした!
『パズルボブル3』

セガサターン版『パズルボブル3』
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1996年発売。
3から壁だけでなく天井にバブルを当てても跳ね返るようになりました。 そのためバブルは支点ブロックにくっついて現れるようになり、周囲のバブルを全部消すと消滅します。
また、隣でバブルが消えるとその色のバブルに変化する「レインボーバブル」なるものが追加されたりと、シリーズでは比較的新鮮なイメージでした。
『パズルボブル4』

ドリームキャスト版『パズルボブル4』
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1998年発売。
対戦モードに新要素「連鎖」が導入されました。バブルをちぎって落とした際に「落としたバブルと同じ色」のバブルが2個以上固まっていた場合、落としたバブルがその固まりにくっつくように飛んでいって消えるというものです。他のバブルに囲まれていても消すことができるため、状況次第では大量のバブルをちぎって落とすことができる反面、ゲーム性があまりにも変質してしまうためか、以後の作品に導入されているものは少ないです。
『スーパーパズルボブル』

プレイステーション2版『スーパーパズルボブル』
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1999年発売。
5作目からは「2人でパズル」というモードが初登場しました。
キャラクターゲーム作品
サイキックフォース パズル大戦
同社タイトルの対戦型格闘ゲーム『サイキックフォース』とのコラボレーション。
登場キャラクターがすべて『サイキックフォース』関連のキャラクターになっています。
あずまんが大王パズルボブル
漫画『あずまんが大王』のキャラクターを使用したキャラクターゲーム。
本作では「ブレイクシステム」というシステムが追加され(詳細は省きますが)ブレイクを行う際に出現するキャラクターの顔が画面のバブルを隠してしまうため、プレイの障害にもなってしまう、という特徴がありました。
感想と余談
最近『パズルボブル系アプリ』という言葉をよく目にします。
パズルボブルとほぼ同じシステムのパズルゲームで、デザインが違うだけでパズルとしての内容はまったく一緒というものです。勿論、上で紹介したコラボレーションではなく。
CMでよく見かけるものだとスマホゲームの『バブルウィッチシリーズ』や『LINEバブルシリーズ』等ですね。最近だとディズニーの『ツムツムランド』というアプリも、同じタイプのパズルゲームだそうです。
調べてみると、ゲームのルールというものはあくまでアイデアであり、著作権保護の対象ではないらしいです。
手軽に遊べてそれなりに頭を使うゲーム性からもスマホに適したジャンルといえるのかもしれませんね。
本稿で記載しております情報は、ゲームカタログ@wikiから引用させていただきました。
出典元はコチラです。
パズルボブル - ゲームカタログ@Wiki ~クソゲーから名作まで~ - アットウィキ