まるでハレー彗星?日本に存在する「72年に1回」開催される祭礼とは。

まるでハレー彗星?日本に存在する「72年に1回」開催される祭礼とは。

私が各地の祭礼を現地に見に行きだしてから、気が付けば20年ほど・・・思えば結構な年数です。今回はその中でも、「もう次は絶対見れない。その時には私は死んでいる、多分」的な礼を紹介いたします。


私が各地の祭礼を現地に見に行きだしてから、気が付けば20年ほど・・・思えば結構な年数です。
今回はその中でも、「もう次は絶対見れない。その時には私は死んでいる、多分」的な礼を紹介いたします。

「金砂神社磯出大祭礼」

その祭礼はあるのは茨城県。
常陸太田市~日立市と、市をまたいで行われる祭礼で「金砂神社磯出大祭礼」と言います。

この祭礼は東金砂神社と西金砂神社(ともに常陸太田市)の祭礼でして、両神社の氏子さんたちそれぞれが500人ほどの行列をつくり、両神社から日立市の海辺まで約75キロの道のりを1週間ほど掛けてテクテクと歩きながら往復します。単純に言うと山の中にある神社から海までお神輿を皆で運んで、海(海水)でお神輿を清めて、また山の神社に戻る・・・そんな行事です。

ちなみに、この祭礼で奉納される田楽舞「金砂田楽」は平安時代から伝わるもので茨城県指定無形民俗文化財、国選択無形民俗芸能などに指定されております。

しかし、その田楽よりも何よりもこの祭礼の凄いところは・・・開催周期!

72年に1回開催する祭礼

なんと・・・
恐ろしいことに・・・
72年に1回開催する祭礼なのです!

※ハレー彗星(約76年周期)は1986年に接近し、次回は2061年夏と言われています。

まるでハレー彗星!

1986年、世間をにぎわせた【ハレー彗星】、覚えてますか? - Middle Edge(ミドルエッジ)

記録を辿ると、851年(仁寿元年)が初回。以後、ゆるゆると今日まで。時代の影響も受けており、例えばある回では本当は1859年(安政6年)に開催するはずでしたが、この頃は幕末動乱期で当時の水戸藩では祭礼ができなかったようで、3年おくれの1862年(文久2年)に開催しています。その次の開催は1931年(昭和6年)。この年には満州事変がおきています。満州事変から最終的に太平洋戦争になっていく、そんな年でした。そしてその次は2003年(平成15年)に弟17回が開催されました。これは自分、行きました。お神輿が神社から出発するところから海にたどり着くまで・・・日にちをまたいで見学してきました。

正直、ヘトヘトになりました。75キロは長かった・・・でも、今見るしか無かったんです。
だって、これを逃したら次は72年後。計算したら2075年。

2075年!!その年まで生きている自信はありません。地元の人ですら2回見ることが出来る人は稀ですし、というか一度も見ないで終わる人も居る・・・そんな祭礼なのです。
そもそもなぜ72年周期なのか。その理由ははっきりしておりません。6年に一回周期で小田楽の祭礼があることに関係があるような気もいたしますが、現地の方にも明確な理由は分かっておりません。

ただ、確実な事は、世界にも稀な「72年に1度」のお祭が日本にはある、という事実です。

もし、次回2075年・・・生きていたら、ぜひ!

※ちなみに、2003年の金砂神社磯出祭礼はNHKでも番組特集を組んでおります。ネットなどに情報が出ていると思いますので、良かったら覗いてみてください。

関連する投稿


え、徳川綱吉が名君に?角川まんが『日本の歴史』最新研究でまさかのアップデート!

え、徳川綱吉が名君に?角川まんが『日本の歴史』最新研究でまさかのアップデート!

「学習まんがと言えばこれだよね!」と親世代も知る角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』が、刊行10周年で累計1000万部を突破。この節目に、なんと全15巻の内容を最新の研究に合わせて大改訂したというから驚きだ。東大の先生たちも加わったこの「アップデート」、あの「生類憐みの令」の評価まで変わっているらしい。自分の子どもや孫に教える前に、親父たちも要チェックだぞ!


武将の能力値記載のカードで歴史を学びながら遊べる!「信長の野望」のカードゲーム『信長の野望 戦国武将かるた』が発売!!

武将の能力値記載のカードで歴史を学びながら遊べる!「信長の野望」のカードゲーム『信長の野望 戦国武将かるた』が発売!!

講談社より、40年以上愛され続ける「信長の野望」シリーズの公式カルタ『信長の野望 戦国武将かるた』が現在好評発売中となっています。価格は2750円(税込)。


70年代前半に巻き起こった「日本語ロック論争」を特集したNHK Eテレ「世界サブカルチャー史」が放送決定!!

70年代前半に巻き起こった「日本語ロック論争」を特集したNHK Eテレ「世界サブカルチャー史」が放送決定!!

NHK Eテレにて、70年代前半を中心に邦楽ロックシーンに巻き起こった「日本語ロック論争」について特集した番組「世界サブカルチャー史 欲望の系譜 シーズン4 21世紀の地政学」ポップス編 第2回の放送が決定しました。


世界初はハリボー!日本初は?グミの歴史と人気商品をまとめてみた!

世界初はハリボー!日本初は?グミの歴史と人気商品をまとめてみた!

今ではコンビニお菓子の主役の1つともいわれているグミ。今では大人でも好きな人が多いですよね。日本にグミが浸透するまでの歴史をまとめてみました。


「どうする家康」と1983年の「徳川家康」のキャストを比べてみた!

「どうする家康」と1983年の「徳川家康」のキャストを比べてみた!

2023年の大河ドラマは「どうする家康」が放送されていますが、40年前の大河ドラマも「徳川家康」を放送していました。当時と現在のキャストや内容を比べてみました。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。