どれも低視聴率…93年に放送されていた「Jリーグドラマ」

どれも低視聴率…93年に放送されていた「Jリーグドラマ」

1993年に華々しく誕生したJリーグ。当時の盛り上がりっぷりは凄まじく、社会現象化していたその勢いに乗っかろうと、『オレたちのオーレ!』『もうひとつのJリーグ』『青春オフサイド!女教師と熱血イレブン』という3本の「Jリーグドラマ」が制作されたことをご存知でしょうか?


1993年のJリーグ元年の盛り上がりはすごかった!

1993年5月15日。東京・国立競技場で、ヴェルディ川崎vs横浜マリノスが開催されました。Jリーグの開幕です。マスコットキャラクター・Jリーグキングの巨大人形が、スタジアム中央にムクムクと立ち上がる華々しいオープニングセレモニーの映像を、Jリーグ元年の象徴的風景として覚えている方も多いのではないでしょうか?

このセレモニーに代表されるように、当時の盛り上がりといたら、それはもう大変なものでした。週末の試合が当たり前のように地上波で放送され、高視聴率を連発。もちろん、スタジアムはどこも超満員。テレビCMには人気選手が多数出演し、Jリーグカレー、Jリーグチップスといったコラボ商品が飛ぶように売れたものです。

こうした中で制作されたのが、以下に紹介するJリーグ関連ドラマです。Jリーグ人気に一役買いつつ、同時に、そのブームに便乗して高視聴率を獲得しようという意図によってつくられた3本の作品を、今回、紹介していきます。

『もうひとつのJリーグ』1993年10月22日~12月3日(全5回放送)‐日本テレビ系

言うまでもなく、Jリーグの発足は、国内におけるサッカーの競技レベル向上を目的としていました。もちろん、トップレベルのJリーグで試合に出られる選手はごくわずか。そこで、公式戦出場の少ない若手選手に活躍の場を与えるため、Jリーグ創設と同時に設けられたのが「Jサテライトリーグ」です。

【Jリーグ】2016シーズンより「Jサテライトリーグ」が再開

【Jリーグ】2016シーズンより「Jサテライトリーグ」が再開:Jリーグ.jp

『もうひとつのJリーグ』は、この一般にはあまり知られていない「Jサテライトリーグ」を舞台にした作品であり、架空のチーム「東京セインツ」に所属する選手たちの青春・恋愛模様を描いた物語となっていました。特筆すべきは、リアリティを出すためサッカー経験のある若手俳優を抜擢したところ。また、日テレ放送ということで、読売グループが運営するヴェルディ川崎の全面支援のもと、当時同チームに所属していた永井秀樹や阿部良則も出演。それゆえ、試合のシーンはひじょうにリアルで、臨場感抜群です。

ヒロインは高橋由美子だった

もうひとつのJリーグ サントラCD

Amazon | もうひとつのJリーグ | TVサントラ | サウンドトラック | 音楽 通販

しかし、どこかで見たことのあるようなスポ根モノ・青春ドラマの焼き直しのようなストーリーと、サッカー選手役に無名の若手ばかりを起用したのがアダとなり視聴率は低迷。全11話放送のはずが、たった5話で打ち切られるという憂き目に遭ってしまいました。

『青春オフサイド!女教師と熱血イレブン』1993年10月19日~11月9日(全4回放送)‐朝日放送

このドラマが唯一賢明だったのは、当初から1ヶ月・全4回の放送としていたところ。『もうひとつのJリーグ』も後述する『オレたちのオーレ!』も低視聴率で打ち切られてしまったことを考えると、いくら社会現象化しているとはいえ、サッカーを前面に押し出すだけの作風には、やはり無理があったのかもしれません。
主人公の女教師役はかたせ梨乃。菊池健一郎、布施博、丹波哲郎などがわきを固め、全4話が放送されたものの、やはりパッとしないまま終了しています。

『オレたちのオーレ!』1993年10月14日~12月23日(全11回放送)‐TBS系

思えば、1993年のJリーグ開幕期。「オーレー♪オレ♪オレ♪オレ♪」でお馴染みの『WE ARE THE CHAMP ~THE NAME OF THE GAME~』がいたるところで流れていました。そもそも、オレ(Olé)とは、ポルトガル語で「行け」とか「進め」とかいう意味。なので、『オレたちのオーレ!』というのは、ちょっと意味が通らない気もするのですが…そこは言わぬが華ということで。

光GENJIのメンバーを年齢順・誕生日順に並べた際に、若い方から数えた4人で結成されているユニットでカバー

WE ARE THE CHAMP ~THE NAME OF THE GAME~

佐藤アツヒロ/赤坂晃/計4名「WE ARE THE CHAMP/SAY・S and J・World」 | 中古 | 男性アイドル・俳優系テレホンカード | 通販ショップの駿河屋

このドラマが放送されたのは、『世界まるごとHOWマッチ!!』や『ダウトをさがせ!』などの番組と同じTBSの木曜20時台であり、バラエティ枠からドラマ枠に変更しての第1弾作品でした。当初は、バラエティ番組同様に長期運用が見込まれ、2クール(半年間)の放送を予定していたといいます。

内容としては、ナンパばかりしているちゃらいブラジル在住のサッカー選手(大鶴義丹)が、怪しいコーディネーターの友人(寺脇康文)と共に日本へ帰国後、ひょんなことから、サッカーを通じた町おこしのプロジェクトへ参画していくといもの。各話ごとのタイトルを振り返ってみると、「アミーゴのコンビは脳天気」「町から3億!今宵はサンバ」「ちぎれたミサンガ」など、サッカー&ブラジル推しが目立ち、何とも時代を感じさせます。

「オレたちのオーレ」出演時くらいの大鶴義丹

大鶴義丹 1ダースのセーターシーン

大鶴義丹 1ダースのセーターシーン | |本 | 通販 | Amazon

関連する投稿


昭和の名作ドラマ「中学生日記」が舞台で蘇る!小南光司主演「2025」上演決定

昭和の名作ドラマ「中学生日記」が舞台で蘇る!小南光司主演「2025」上演決定

1972年から2012年までNHKで放送された学園ドラマ「中学生日記」が、昭和100年の節目となる2025年12月に舞台化決定。受験を控えた中学生たちの不器用ながら熱い青春を描いたオリジナル脚本で、主役を小南光司が務める。当時の悩みが令和にどう響くのか、若手からベテランまで総勢25名の俳優陣による熱演に注目が集まります。


KAZU&YASUの原点が復活!「GOAL BASE SHIZUOKA」が静岡のカルチャー交差点に

KAZU&YASUの原点が復活!「GOAL BASE SHIZUOKA」が静岡のカルチャー交差点に

サッカー界のレジェンド、三浦知良選手と兄・泰年氏の少年時代の原点である「サッカーショップ ゴール」発祥の地に、ミュージアム型カルチャースポット「GOAL BASE SHIZUOKA」が2025年11月11日にオープンします。三浦兄弟の軌跡を辿る貴重な展示と、往年の「ゴール」を再現したショップ、カフェが融合。サッカーを軸に、ファッション、アート、若者カルチャーをつなぎ、静岡から新たな文化を発信する「基地(BASE)」を目指します。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


「世界・ふしぎ発見!」のミステリーハンターも務めた女優『ジュリー・ドレフュス』!!

「世界・ふしぎ発見!」のミステリーハンターも務めた女優『ジュリー・ドレフュス』!!

1991年3月にミステリーハンターとして登場されると出演回数8回で、出演回数ランキング33位となるジュリー・ドレフュス さん。2013年出演のドラマ「老舗旅館の女将日記」を最後にメディアで見かけなくなり気になりまとめてみました。


「ひとりでできるもん!」の主人公で3代目まいちゃんの『伊倉愛美』現在は?!

「ひとりでできるもん!」の主人公で3代目まいちゃんの『伊倉愛美』現在は?!

2000年4月から『ひとりでできるもん!』に主人公・今田まい(3代目まいちゃん)役としてレギュラー出演した伊倉愛美さん。現在は結婚されお母さんに・・・。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。