原宿から延びるおしゃれへの道。
現在でも休日になると、例えば新宿から品川方面行きの山手線に乗ると、休日なのにその混雑には驚かされます。しかしその混雑は長距離は続きません。2つ先の「原宿」で、どっと降りる老若男女。さらに次の渋谷でもどっと降りるので、新宿を出た時のあの混雑は何だったというほど電車は空きます。
それほどまでに現在でも人々の注目を集める「原宿」「渋谷」の街。
そしてそこからほど近いところにある、近年特に注目が集まっている「表参道」があります。

山手線。
山手線 - Wikipedia

原宿駅。
原宿駅 - Wikipedia
1906年に開業、現在の駅舎は1924年に建築されました(wikipediaより参照)。
駅舎からしておしゃれ。
このおしゃれな駅にも、戦時中に空爆の爆弾が直撃したそうですが、爆弾が不発で破壊をまぬがれたという歴史があるそうです。
表参道の一般的なイメージとは?
「表参道」と聞いて一般的に思い出すイメージは、原宿駅から都心側に青山のほうへ向かう広い道路のことを思い浮かべるのではないでしょうか。
様々なカフェやブティックが沿道に連なる、まさに東京のファッションタウンの中でも中心となるストリートであることは、ド田舎者の私にもすぐに空気でわかったものです。
その原宿と、今の表参道駅の中間あたりに、とても風流な建築物がありました。
老朽化で惜しまれながら解体されたアパート。
同潤会アパート。

かつての表参道「同潤会青山アパート」。
Harajuku Tokyo 1997.8 「表参道ヒルズ」になる前の「同潤会青山アパート」 - YouTube
非常にレトロな雰囲気でありながら、なぜかそのストリートの風景の一コマに溶け込んでいたため、自然過ぎて、老朽化で解体されるということになるまで風景の一つであり続けた「同潤会青山アパート」。
表参道のものがあまりにも有名なのでそこだけの建築物かと思っていたら、各地にあるそうです。
東京と横浜に16か所あったようです。
何げにすごいこの「同潤会青山アパート」
つまり「表参道」の名は戦前からあったということ。
東京の人が「表参道」と聞くと、港区の表参道を思い浮かべる人が多いと思いますが、表参道という言葉自体は、社寺に参拝に行くときのメインストリートですよということですので、全国各地にあります。
ちなみに港区の表参道はもちろん明治神宮の「表参道」であり、表があるということは、実は裏参道という交差点もありますし、北参道に至っては、東京メトロ副都心線の駅名にもなっています。

北参道駅
北参道駅 - Wikipedia
地下鉄銀座線の開業時の駅名は、まんま地名だった。
現在の表参道駅の地点に地下鉄が到達したのは、銀座線が最初です。
開業当時の駅名は、なんと、「青山六丁目駅」という名前だったそうです。
1938年とのこと。(wikipediaより。)
なんとも地名そのまんまの、何の工夫もない駅名。
現代だとバス停の名前まで凝った名前にしているというのに、なかなかシュールな名づけだと思います。
1年後、「神宮前」駅に改称。
やはり1年後に改称されていますね。
地名丸出しより、せっかくの駅なので、この名前がしっくりきます。
しかし、まだ「表参道」の名前は出てきません。
前にも述べたように、各地の社寺参拝参詣のメインストリートという意味でどこにでもある名称だったからなのかもしれません。
1972年、地下鉄千代田線が乗り入れることに。

千代田線の主力だった6000系電車。
営団6000系電車 - Wikipedia

1日数本だけある珍しい「明治神宮前」行き。
【平日の朝ダイヤのみ!】 明治神宮前行き 接近放送@柏駅 - YouTube
銀座線の「神宮前」駅よりさらに明治神宮に近い場所に、1972年、千代田線が開業します。
そのため、銀座線は神宮前の名前を千代田線に譲り、千代田線「明治神宮前」駅が開業。
そして元・銀座線神宮前駅は、「表参道」駅と名前を変え、千代田線にも明治神宮前駅のひとつ手前に「表参道駅」を開業し、銀座線の駅を少し移設して、銀座線表参道駅として千代田線との乗り換え駅となります。
ここにようやく、表参道の名が駅としてつけられたことになります。
後に1978年には、半蔵門線もこの表参道駅に乗り入れます。
表参道ヒルズが完成、一躍「東京最先端の人気の街」へ。
表参道の同潤会青山アパートは惜しまれながら老朽化により解体され、その跡地に、「表参道ヒルズ」が2006年に完成します。
表参道に、あらたな名所が誕生。
もちろん、もとからおしゃれな街ですが、巨大ビルのテナント効果もあり、表参道のネームバリューは一気に上がります。

表参道ヒルズ。
表参道ヒルズ - Wikipedia
増え続ける表参道駅の利用者数。
wikipediaによりますと、表参道駅の1日の平均乗降客数は、1992年に109,187人だったのが、2016年には177,078人と、相当な増え方をしています。
ファッションのニーズを支える若者の数は、少子高齢化で絶対数は減少しているはずですが、それをはねのけて、幅広い層からの客を受け入れる街として発展を続けていることがうかがえる数字だと思います。
表参道駅 - Wikipedia
豊洲、お台場など、新しいスポットが今でも次々生まれてくる東京の街。
しかしその中で、1938年に開業した表参道は、今では昔よりさらに「おしゃれな街」としてのステータスを上げて、ますます発展していっているようです。
今後の表参道の街の発展にも注目ですね!。