古き良きアメリカンコメディーの決定版『奥様は魔女』

古き良きアメリカンコメディーの決定版『奥様は魔女』

「ティロティロティン」のベルの音、ピクピク動く小鼻、軽快な音楽、コミック的なファッション、観客席風の笑い声。そんな『奥様は魔女』は古き良きアメリカンコメディーの代表であり、1960年代のキュートとオシャレが詰まったポップカルチャーでした。今回はそんな『奥様は魔女』の魅力に迫っていきましょう。


奥様は魔女ってどんなドラマ?

『奥様は魔女』は1964年から1972年まで、8シーズンに渡ってアメリカABCで放送された、大ヒットホームコメディーです。

『奥様の名前はサマンサ。そして、旦那様の名前はダーリン。ごく普通の二人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。でもただ一つ違っていたのは、奥様は魔女だったのです。』

お馴染みのこの名ナレーションで始まる『奥様は魔女』は、アニメ的でファンタジックな世界観、コケティッシュな主人公、「ティロティロティン」で始まるコミカルなシチュエーション、そして当時の憧れのアメリカンスタイルの生活の魅力がギュッと詰まっていて、日本でも大ヒットしました。

キャスト

サマンサ:エリザベス・モンゴメリー

魔法界ではエリート級の腕前を持つ魔女でしたが、人間界で出会ったダーリンと恋に落ち結婚。ダーリンとの約束で、魔法は使わない、周囲の人に魔女だと気付かれないように生活を送ろうとしますが、何かと毎回騒動を起こします。

シーズン2の撮影中に、エリザベス自身が妊娠しますが、そのまま撮影を続行。サマンサも妊娠したという設定にしました。

実はエリザベスの当時の旦那さんは、このドラマの監督のウィリアム・アッシャー。『奥様は魔女』の成功の背景には、主演女優と監督の持つファミリー感みたいなものがあったのかもしれませんね。しかしドラマ終了後に離婚してしまいましたが。

エリザベスは70年代後半~80年代前半にかけて、ロッテのビスケットのCMにサマンサの役で出演していましたね。

ダーリン:ディック・ヨーク/ディック・サージェント

初代ダーリンのディック・ヨーク

広告代理店勤務の真面目なサラリーマン。サマンサに魔法は使わないで、普通に生活するように懇願しますが、サマンサの親族の魔法に毎回振り回されます。

2代目ダーリンのディック・サージェント

初代ダーリンのディック・ヨークは、シーズン5で体調不要により降板。2代目ダーリンはディック・サージェントが務めました。

エンドラ:アグネス・ムーアヘッド

サマンサの母親にして魔女。人間であるダーリンを見下していて、毎回登場してはちょっかいを出し、サマンサ一家を振り回します。

アグネス・ムーアヘッドは1940年代から活躍し、オスカーにも4度もノミネートされている大女優。街で偶然合ったエリザベスに口説かれての出演になったそうです。ドラマ終了の2年後に他界しているので、エンドラは人生最後の当たり役になったと言えるでしょう。

タバサ

サマンサとタバサ

シーズン2で生まれた、ダーリンとサマンサの子供。小さいながらもしっかりと魔女の血統は受け継がれていて、魔法も使えます。

赤ちゃんから成長するにつれて、演じる子役は変わってきますが、長期にわたる撮影時間と、児童の労働時間の制限に対応するために、双子が選ばれて、代わる代わる演じていました。
ただ小さい子供たちは、撮影が終わって家に帰ってからも、魔法を使おうとしていたそうです。

ラリー・テイト:デヴィッド・ホワイト

ダーリンの勤める広告代理店の社長にして友人。
陽気なお調子者で、仕事の失敗をダーリンのせいにしたり、クライアントには常に低姿勢でどんな事でも調子を合わせます。ただ人種差別論者には厳しく接する一面も。

『奥様は魔女』が与えた影響

広告代理店勤務の真面目なダーリンが結婚した相手は、一見普通のかわいい奥様なのですが、魔法使いの国からやって来た魔女。時折使うイタズラじみた魔法が、楽しくて笑いを誘いますし、なんとも粋でオシャレでした。
広くて明るいキッチン、大きな冷蔵庫、広い庭にガレージ付きの家。そんな、ごく一般的なアメリカの家庭の光景に、当時の日本人は憧れを抱いたものです。

日本では1966年から放送されますが、『奥様は魔女』はその後の日本にも大きな影響を与えます。
ドラマの放送開始からわずか半年で、伝説のアニメの原作「魔法使いサリー」の連載がスタート。その後すぐにアニメ放送もスタートします。

その後に「魔女っ子メグちゃん」「魔法少女ララベル」「魔法の天使クリーミィマミ」などへと繋がる、【魔法少女もの】というカテゴリーを作っていく事になります。
ドラマでは、岡崎友紀さん主演の「おくさまは18歳」シリーズなどにも影響を与えたとも言われています。

ちなみに本国アメリカでも、『奥様は魔女』の大ヒットにあやかって、「かわいい魔女ジニー」などが放送され、ヒットしています。

日本版ドラマ

本家の放送終了から32年も経った2004年に、米倉涼子さん主演で放送されました。
設定はほぼ本家のものを踏襲した感じで、ダーリン役には原田泰造さん、魔女母役には夏木マリさんが出演。
そこそこヒット作となり、年末にはスペシャル版も放送されました。

映画版もリメイク?

2005年に、ニコール・キッドマン主演で製作。
こちらは純粋なリメイクではなく、『奥様は魔女』のリメイク映画の出演依頼が来た、という役者の物語。でもサマンサを演じている役者が本物の魔女だった、というもの。
評価は賛否両論分かれているようですが、ニコール・キッドマンのキュートさだけは間違いないようです。

サマンサタバサは関係あるの?

若い女性に人気のブランド「サマンサタバサ」は、魔法使いのサマンサと、娘のタバサの名前をくっつけた様な印象を受けます。
ただオーナー自身は、ブランド名が『奥様は魔女』由来説を一応否定しているようです。

「サマンサタバサ」は日本発祥のブランドなのですが、そのデザインと名前から、何となくアメリカっぽく感じている人も多いはず。
一応タバサの綴がドラマとは違っているので、全然関係ないのかもしれませんが、著作権に配慮しているのかもしれない、という説も浮上しています。
ただ、ネーミングの由来が話題なるだけでも、ブランドとしては成功と言えるかもしれませんね。

1960年代を象徴するポップカルチャー

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