思い出の「昭和有名人伝記マンガ劇場」第1回:涙と苦労の男「せんだみつお物語」!

思い出の「昭和有名人伝記マンガ劇場」第1回:涙と苦労の男「せんだみつお物語」!

当時の芸能界やテレビ・ラジオなどメディアの話題を独り占めし、今も我々ミドルエッジ世代の記憶に残る、昭和の様々な有名人たち。そんな昭和有名人がマンガになっていた作品を紹介する新企画。第1回は、まさに昭和のお笑いの酸いも甘いも知り尽くした男「せんだみつお物語」です。


当時の芸能界やテレビ・ラジオなどメディアの話題を独り占めし、今も我々ミドルエッジ世代の記憶に残る、昭和の様々な有名人たち。
ただ、現在ではすっかりメディアから遠ざかってしまった人や、残念ながら既に引退・他界してしまった人など、今や我々の記憶の中にその姿を留めるだけの人も多かったりする。

既にミドルエッジのサイトでも何回か紹介して来た、映画のコミカライズ作品の数々。
実は70年代には、これら昭和の有名人の伝記マンガが、映画のコミカライズ作品と同時掲載されることが、ごく一般的となっていた。
残念ながら雑誌掲載後は単行本にも収録されず、本人の活躍終了と共に人々の記憶からも消え去ってしまった、これら無数の伝記マンガたち。
そんな昭和の人気タレント・スポーツ選手や、漫画家・政治家たちの伝記マンガを紹介しようという、この連載企画。
記念すべき第1回は、ミドルエッジ世代にとっては、今も強烈な記憶を残すあの男!
そう、あの70年代を駆け抜けた人気コメディアン、「せんだみつお」物語を紹介することにしよう。

その活動時期は、ちょうどブルース・リーが日本中に大ブームを巻き起こした時期と重なる。
当時は、テレビで彼の姿を見ない日は無い程の大人気だった。

ラジオ出演中のせんだみつお。

深夜ラジオやテレビで大人気!せんだみつおとは何者だったのか?

ミドルエッジ世代なら、恐らく一度は見たことのある人気コメディアン、せんだみつお。
とにかく当時の勢いは物凄く、正に70年代の空気の中で時代を駆け抜けたコメディアンだったと言える。
現代で例えると、外見的にはムロツヨシ、芸風は出川哲郎&山崎方正といった感じだろうか?
彼の持ち味と言えば、とにかくハイテンションの喋りと適度な下ネタ!同時期にやはり深夜放送で活躍していた、笑福亭鶴光ほどエロく無いその芸風は、当時の小学生にも非常に馴染み易い物だったのだ。

残念ながら後述する理由により、人気コメディアンとしての活動期間は思ったよりも短く、その後は俳優や司会などが中心となり、次第にお茶の間のテレビからは消えて行った、せんだみつお。
テレビCMやバラエティ番組で大活躍だった、せんだみつおだが、やはり当時の小中学生には、TBSテレビ夕方の人気番組「ぎんざNOW」の名司会としての印象が強いのではないだろうか?
説明だけで無く、やはり世代的にご存知無い方には、実際の映像を見て頂いた方が良いだろう。
それでは、まずテレビCMと代表的なテレビ番組の映像から。

一緒にいるのは、この番組の人気コーナー「素人コメディアン道場」より誕生した、人気グループ「ハンダース」と榊原郁恵。

「ぎんざNOW」出演中のせんだみつお。

「ぎんざNOW」放送より

ちなみに「ぎんざNOW」の司会は、1972年からスタート。翌年1973年の10月からは、あの人気番組「うわさのチャンネル」がスタートすることになる。

「うわさのチャンネル」1977年放送の映像から。

これ以外にも、アイドルが出演する歌番組や30分物の番組に多数出演しており、特にTBS系で放送されていた30分番組、「せんみつ・湯原ドット30」や「たまりまセブン大放送!」などは、記憶に残っている方も多いのでは?

実は、これらのテレビ出演で本格的にブレイクする以前、最初にせんだみつおの人気に火を点けたのは、ラジオの深夜放送での軽快なトークだった。絵が出ない分、その喋りのスピードとパワーが、当時のリスナーの心を直接鷲掴みにしたのは言うまでも無い。
中でも代表作と言える、ニッポン放送 土曜日夜のワイド番組「燃えよ!せんみつ・足かけ二日大進撃」は、1974年4月20日に放送を開始し、6年間の長きに渡って放送されたが、その後は「所ジョージの足かけ二日大進撃」にバトンタッチすることになる。
ではこちらのラジオ放送も、是非当時の貴重な音源でお聞き頂ければと思う。

せんだみつおは、シリーズ後半の3作品に、第3のトラック野郎「桶川玉三郎」として登場。
この「トラック野郎」シリーズには、「ぎんざNOW」の「素人コメディアン道場」出身である関根勤も、ラビット関根の名前で出演していた。

映画「トラック野郎」予告編より。

これ以外にも、せんだみつおは映画やドラマ、そしてなんと歌にも進出!当時の東映人気シリーズ「トラック野郎」にも、第三の男「桶川玉三郎」役として、シリーズ後半の3作品に準レギュラー出演することに。
特に1977年の活躍振りは素晴らしく、この年には意外な名曲「高原の二人」のリリースや、あの人気漫画の実写映画化にして初の主演映画、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」も公開!正に70年代中期~後期にかけて、マルチタレントとして大活躍していたのだった。

近年も実写化・アニメ化されているが、キャラクターの再現度的には、断然こっちが上!
幻の迷作?として有名なこの映画、とにかく一日も早いソフト化が望まれる。

「こちら葛飾区亀有公演前派出所」ポスター

しかし、残念ながらこの映画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、1981年に1度だけかなりの高額でビデオがリリースされたのみで、現在に至るまで再発売・DVD化はおろか、東映チャンネルにおいても放送されておらず、文字通り「封印映像」の代表格となっている。
ただ近年、長らくソフト化されていなかった作品群が、一気に東映チャンネルでも放送されるようになっており、なんとあの「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」も遂に10月にDVD化!
こうして封印映像解禁の動きが活発になりつつある中、本作にも再びソフト化の動きが出ることを願ってやまない。

以上、駆け足で紹介して来たが、せんだみつおについて更に詳しく知りたい方は、以下のリンクからご覧頂ければ幸いです。

せんだみつお - Wikipedia

マンガ「せんだみつお物語」その概略

この頃の月刊少年ジャンプには、こうした有名人の伝記マンガが毎月掲載されていた。

「月刊少年ジャンプ」1975年10月号の表紙

本作「実録・せんみつ大行進」が掲載されたのは、月刊少年ジャンプ1975年10月号。同時期に掲載されていた「けっこう仮面」読みたさに、この頃毎月買って読まれていたミドルエッジ世代の方も多いのでは?
この頃の月刊少年ジャンプには、松竹新喜劇の看板俳優「藤山寛美」の伝記マンガも掲載されており、その他にもドリフターズやコント55号、当時の人気番組だった「ヤングおーおー」などのマンガが掲載されるなど、70年代少年ジャンプとお笑い芸人との相性はバツグンに良かったと言える。
実際、この「せんだみつお物語」以外にも、この頃の月刊少年ジャンプには、「萩本欽一」や「堺正章」「オール阪神巨人」など、様々な有名人の半生が漫画化され、毎月掲載されていた。今後は是非それらの漫画を通して、昭和の有名人の知られざるバックグラウンドを紹介して行きたいと思っているので、お楽しみに!

マンガ「せんだみつお物語」紹介

念のため言っておくが、決して「ムロツヨシ」ではない。

本編の扉絵

見開きを使って、せんだみつおの過去が語られる。パジャマ姿が度々出て来るのは、当時出演していた「うわさのチャンネル」の中でのイメージかららしい。

本編の冒頭部分

せんだみつおの友達とは、なんと後のビリーバンバンだった!

芸能界入りの意外なきっかけとは?

コックの夢を諦めて芸能界へ!

こうして、友人であるビリーバンバンの芸能界デビューをきっかけに、中野光男は、せんだみつおとして自身も芸能界に足を踏み入れることになるのだが・・・。

実は意外にも、最初はビリーバンバンのアシスタント兼付き人として、ステージの司会や裏方の仕事をしていた、せんだみつお。

厳しい下積み時代!

後に結婚する幸子夫人との出会い。

運命の出会い!

ビリーバンバンのステージでの喋りが面白いと評判になり、遂にせんだみつおはラジオで和田アキ子と共演することになる。

そしてラジオ番組への出演へ。

ここから若者を中心に、遂にせんだみつおはブレイクを果たす。
これ以後、彼の快進撃が始まることに。

更に深夜放送へ進出!

ついに結婚!そしてあの代表作が!

後に結婚する幸子夫人との出会いや、様々な下積みの苦労を経て、遂に、せんだみつおは代表作となる「うわさのチャンネル」に出演することになる。

当時の思い出が蘇る!

代表作「うわさのチャンネル」の様子。

急激に人気者となって行く、せんだみつおだったが、その私生活は決して楽な物では無かった。

知られざる苦労と苦悩・・・

母親が心配する程のイジメられっぷり!

妻が見ている中で・・・。

まだ「リアクション芸」という言葉すら無かった70年代。せんだみつおこそ、現代の人気芸人たちの手本であり、先駆者だったのだ!

見よ、せんだみつおのプロ根性!

仕事に手抜き無し!それが、せんだみつお!

自身の個性を生かし、必死にテレビの中で自分のポジションを掴み取ろうとする、せんだみつお。彼の苦労が報われる日は、もうすぐそこまで来ていたのだった。

やはり、見る人はちゃんと評価してくれる!

ミドルエッジ世代なら、恐らく一度は見たり聞いたりしたことがあるはず。

そして始まるせんだみつお黄金期!

ついに、母親にも認められて・・・。

マンガはここで終わるが、実はせんだみつおの黄金期はここからなのだ!

そしてエンディング。

このマンガが掲載されたのは1975年の10月号で、「うわさのチャンネル」放送開始から2年目の時期にあたる。そのため、「頑張れ!せんだみつお」的なエンディングになっているのだが、実はこの後も、せんだみつおの人気は止まることを知らず、1977年には遂にNHKのドラマに出演!更に同じ年、隠れた名曲として知られる「高原の二人」をリリース。
更には初の主演映画にして問題作「こちら葛飾区亀有公園前派出所」がこの年に公開されるなど、正に70年代を代表する人気タレントとして君臨していたのだ。
ただ、マンガにも描かれている通り、本作が掲載された1975年以降のせんだみつおのスケジュールは、正に殺人的過密さであり、そのため1978年12月に健康上の理由から半年間の休業を余儀なくされる。

復帰後は、以前の様な人気を取り戻すことが出来なかったのが残念だが、文字通り70年代と共に我々の前を駆け抜けて行った男、それが、せんだみつおなのだ。

最後に

いかがだっただろうか?
やっぱり我々ミドルエッジ世代にとっては、「壇蜜」よりも「せんみつ」!
この作品を久々に読み返してみて、いかに自分が当時、せんだみつおに楽しませてもらっていたか、改めて再確認することが出来た。

もちろんマンガなので、多少エピソード上の「盛ってる」感はあるだろうが、彼の芸風の裏に隠された、ブレイクまでの試行錯誤や苦労の数々は、初めて知ったという方も多かったのでは?
学校から帰って楽しみに見ていた「ぎんざNOW」、親に内緒でこっそり見ていた「うわさのチャンネル」以降も、「水戸黄門」や大河ドラマへの出演など、多少の浮き沈みはあっても未だに現役で活躍されている、せんだみつお。

この記事で初めて彼の名前を知った方、久々に彼の雄姿を見たくなった方は、是非Youtubeなどで当時の彼の映像を検索・鑑賞して頂ければと思う。
頑張れ、せんだみつお!そして、ありがとう、せんだみつお!

せんだみつおオフィシャルブログ「ナハ!ナハ!物語」Powered by Ameba

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