「有害コミック騒動」って覚えてますか?
1990年ごろに起きた「有害コミック騒動」って覚えてますか?漫画が子供に与える悪影響がクローズアップされ、性表現を中心とした大規模な規制が行われた騒動です。その結果、少年誌の漫画が書店から姿を消したり、「成年コミック」扱いされる事態が起こりました。

実際に規制された作品の数々!
当時書店から実際に姿を消した漫画を、少年誌・青年誌に掲載されていたものに絞って紹介していきます。これらの漫画を持っていた方も多いのではないでしょうか?

①上村純子「ルナ先生」など
一連の「有害コミック騒動」で最も煽りを受けたのが上村純子作品だと言われています。月刊少年マガジンに連載していた「あぶない!ルナ先生」「いけない!ルナ先生」「1+2=パラダイス」の全てが書店から姿を消しました。



②内山亜紀「あんどろトリオ」
1982年に週刊少年チャンピオンで連載されていた内山亜紀「あんどろトリオ」。こちらも少年誌であるにもかかわらず書店から存在が抹消されました。

現在でも絶賛焚書中!!
「あんどろトリオ」ですが、他の漫画の再販が進んでいる中で「未だに存在が抹消されている」ことで有名な本でもあります。21世紀に入り、なんとアマゾンで一度登録が抹消されました!

③遊人「ANGEL」など
上村純子に並んで当時槍玉に挙げられたのが「遊人」の作品です。特に「ANGEL」は規制の代表例と言えるでしょう。一般誌扱いでは3巻までしか出版できなかったのですが、後に「成年コミック」マークを付けて全7巻で出版されました。


④山本直樹「Blue」
1991年に出版された山本直樹「Blue」。東京都から不健全図書の指定を受けて、版元回収となったことで有名な作品です。

先手を打ち「成年コミック」扱いにして生き延びた作品!
①こしばてつや「IKENAI!いんびテーション」
1990年からヤンマガで連載されていた「IKENAI!いんびテーション」。有害コミック騒動のときに先手を打って「成年コミック」の第一号となった作品です。

ご覧の通り、成年コミックのマークがあるものと無いものが混在しています。正直、成年コミックにしてしまったのは過剰反応ではと思います・・・

②みやすのんき「冒険してもいい頃」
ビッグコミックスピリッツで連載されていた「冒険してもいい頃」。ミドルの方にとって、みやすのんきと言えば「やるっきゃ騎士」かもしれませんが、こちらも有名です。

次の画像の左上を見てください。「for ADULT ONLY」とあります。これは「成年コミック」のマークができる以前から記載されており、ある種の免罪符として使用していたと思われます。

一部修正で乗り切った作品!!
①桂正和「電影少女」
コミックスの3巻、5巻、6巻に修正が加えられています。特に5巻については、初版とそれ以降では結構な違いがあるので、古本屋で購入するときにはご注意を。

②萩原一至「BASTARD!! -暗黒の破壊神-」
現在も連載中の萩原一至「BASTARD!!」。もちろん騒動に巻き込まれ、9巻の表紙が変更になりました。差し替え前と差し替え後の表紙を比較した画像がこちらです。

この作品まで規制するの!?と当時物議を醸した作品!
①畑中純「百八の恋」
「まんだら屋の良太」が有名な畑中純の「百八の恋」。お色気要素は確かにあるものの、この絵柄で規制する意味があるのか?と当時疑問を呈されていた作品の一つです。


②ジョージ秋山「ラブリン・モンロー」
主人公が娼婦になるためか、動物を擬人化したキャラしか出てこないにも関わらず規制された作品です。これを規制する意味は果たしてあったのだろうか?

終わりに
この手の騒動は実は定期的に起こっていて、今でも有害図書に指定される少年漫画はあるのですが、「白河の清きに魚も住みかねて もとの濁りの田沼恋ひしき」という言葉もあるように、多少お下品な物も人生には必要だと思います。それは青少年も同じことで、そこから学ぶものも色々とあるんじゃないでしょうか。全く規制するなとは言いませんが、ほどほどにしてもらいたいものです。

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