美少女系漫画雑誌「漫画ブリッコ」って知ってる?
「漫画ブリッコ」という雑誌をみなさんご存知でしょうか?80年代に出版されていた美少女系の漫画雑誌です。みやすのんき(洋森しのぶ名義)、藤原カムイ、岡崎京子、白倉由美といった作家が活躍していました。

この雑誌ではとある騒動が勃発しました。
1983年6月号、7月号、8月号にて、「『おたく』の研究」なる記事が掲載されました。記事を書いたのは中森明夫という人物。ではどのような文章なのか、早速見てみましょう。
誌面で「オタク」を痛烈にdisる!!
1983年6月号にて、『おたく』の研究①「街には『おたく』がいっぱい」と題して、当時の漫画やアニメのファンを痛烈にdisる文章が掲載されました。実際の文面は以下の通り!

コミケット(コミケ)に参加する人たちを、自分も参加したにもかかわらず痛烈に批判!さりげなく将棋も標的に!

漫画・アニメファンの容姿に注文を付ける!!

加えて「栄養のいき届いてないようなガリガリ」「銀ブチメガネのつるを額に喰い込ませて笑う白ブタ」などと、体型も痛烈に批判!「余計なお世話だろうが!」と言いたくなります。

そしてついにあの単語が登場!
ついにメディア上に「おたく」という言葉が初登場!現在は「オタク」とカタカナ表記が一般的ですが、当時はひらがなだったんですね。

「おたく」叩きは第二回、第三回と続いた!!
第二回:「おたく」も人並みに恋をする?

確かに漫画ではよくあるポーズかもしれませんが、リアルではあまり見ないような・・・?また、「こんな奴らに女なんか出来るわけない」とも主張。余計なお世話だと言いたい!

これはいますね。しかし2冊では足りない!ここは「自分で読む用」「保存用」「布教用」の3冊じゃないでしょうか。当時は布教という概念が無かったのだろうか?

第三回:おたく地帯に迷い込んだで

確かにこれはありますね。話題についていけない人がいても、その人を置いてけぼりにして盛り上がっていました。ですが、万人に通じるネタなんて果たしてあるんでしょうかね?

案の定「おたく」とのBeefが勃発!!
漫画やアニメのファンが主な読者層であろう「漫画ブリッコ」でこのような文章が投下された結果、案の定、読者から物凄い反発がありました。そして読者と編集部との論争に発展してきます。

社会には色々な人がいますからね。その中にいる特定の人を「不快」という感情論で排除するのはよろしくないと思います!

「スクールカースト」「クラス内ヒエラルキー」といった単語をご存知でしょうか?カースト上位の集団(最近は「陽キャ」などとも呼ばれます)がカースト下位の集団(陰キャ)を貶して自己満足している構図が「おたく」叩きにも当てはまるということです。

「おたく」を不快だと感じるのは勝手ですが、それを口に出して批判した時点で、自分が不快だと感じている「おたく」同様の気持ち悪さを自分も醸し出しているんですよ。社会には色々な人がいるんですから、その存在を受容することも覚えましょう!

仕掛け人「中森明夫」とは?
今回の騒動の原因である「中森明夫」とは何者なのか?気になる方も多いかと思います。コラムニストとしても活動しており、wikipediaもありました。早速見てみると・・・

ペンネームは中森明菜から取ったそうです。中森明菜のファンだったのでしょうか?今では「アイドルオタク」という言葉もありますし、一連の文章は同属嫌悪の一種だった・・・?
これも炎上商法のひとつ?
最近よく聞く「炎上商法」という言葉。わざと問題発言をして騒動を起こし、その騒動に乗じて商売をする方々がいます。「おたく」という言葉も漫画ブリッコでの一連の文章で問題が発生した結果、爆発的に広まり、現在では完全に日本語として定着しました。今となってみれば炎上商法のひとつであったと言えるかもしれません。

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