この長さでありながら、橋げたは5本しかないそうです。
最新技術を駆使して、成し遂げたものだと想像できます。
橋げたを少なくすると、つなぎ目が少なくなるので、走っている時の振動を少なくすることができます。
橋の横風対策。
橋自体が横風を受けると、橋が振動し、構造物が痛む可能性があります。
そのために、「TMD」という装置が設置されました。
動吸振器 - Wikipedia
高層ビルなどにもこの装置が使われているようですね。
アクアラインの通行料金は5分の1以下に。
東京湾アクアライン料金800円には条件がある!! | 灯台もと、暮らしいい
アクアラインの開業前の通行料金は、なんと5,050円に設定されていたそうです。開業時には償還期間を延長するなどして若干安いものになりましたが、目の飛び出るような高額な通行料金のため、遠回りでも従来の高速道路を利用する車が多く、通過車両は伸びませんでした。
そのため、2009年から、「社会実験」と称される大幅値下げが行われました。
その値段は、開業当初のなんと5分の1以下の800円!。
ETCの普及による人件費の削減などの要因はあったにせよ、あまりにも採算度外視の料金設定により、通過台数も増えました。
インフラとしての難しい「採算」。
1兆円以上をかけて建設した道路が、800円で通行できるというのは、採算が取れないことを意味します。
実際、通過台数は増えましたが、通行料収入は値下げ前より下がってしまったとのことです。
このように、「アクアライン」単独では収支が大幅な赤字になってしまうことは、よくないことだと思われると思います。
しかも、おそらく多額の税金が投入されたことでしょうし、納税者の理解を得るのも難しい点もあると思います。
将来への「投資」とみる考えもある。
しかし、税金が投入されているからこそできる考え方もあります。
つまり、道路単独では赤字でも、その地域が発展して経済が潤えば、税収が増え、将来的には投入した税金以上の果実が回収できるという考え方です。
通行料が安くなったことにより通過台数が増え、産業が発展、観光客が増えるなどの良い効果が期待できます。
しかし、この考えも、現在のところあまりうまくいっているとは言い難いものがあります。
「東京」と「千葉県南部」との「活気の差」が激しいのです。
そのため、東京から千葉に行く量よりも、逆にヒト、モノが千葉から東京に流出してしまっている可能性もあるということです。
また、道路があまりにも劇的によくなったので、鉄道を利用する人が減り、東京から房総半島に向かう特急電車などはかなり削減されています。
ここで、クルマを運転できないいわゆる「交通弱者」の方に対する、鉄道の利便性の低下という問題も出てきます。
これらは、短期的な観測ではとても測定できるものではありません。
これからまだまだこれらの要素は変化していくと思われますが、せっかく造ったアクアライン、東京、千葉両方に、恵みをもたらしてくれるインフラになってほしいと思います。
