赤井英和!!!!!オリンピック日本代表! 破天荒なケンカボクシング! 破格の強打!! デビューから12連続KO!!!奇跡の生還!!! 浪速のロッキー!!!!

赤井英和!!!!!オリンピック日本代表! 破天荒なケンカボクシング! 破格の強打!! デビューから12連続KO!!!奇跡の生還!!! 浪速のロッキー!!!!

知らない人も多いけれど赤井英和は元ボクサー。 アマチュアでは(日本が参加をボイコットしたため幻となったが)モスクワオリンピック代表となり、プロデビュー後は12連続KO勝ちの日本タイ記録。 その強打と超のつく攻撃的インファイトから「浪速のロッキー」といわれた。 初の世界タイトル挑戦はKO負け。 再度、世界に挑戦するための前哨戦、vs大和田正春戦で、意識不明(頭蓋骨クモ膜下血腫および脳挫傷)の重体になった。 奇跡的に命はとりとめたが、ボクシングはできない体になってしまった。


高校生活はボクシング部の練習はしんどかったが、それさえクリアすれば天国。
面白くて仕方なかった。
とにかく楽しんだ。
名前を売りたい気持ちもあって、ケンカをするなら派手に電車と決めていた。
中学までは家と学校の周辺の狭い地域の中で肩をいからせていたが、電車通学となるといろんな見知らぬ学校と一緒になる。
先頭車両から巡回を始め、大股を開いて座っている者がいれば蹴りを入れ、お年寄りがいれば席を譲らせるなど世直しを行った。
そして
「なんや、お前。
デカい面しやがって。
降りろ!」
といわれたらホームに降りるや振り向きどついて電車とホームの間から線路に落とし、逃げようとする仲間を引きずり出してどつき回した。
「釜ヶ崎の赤井がまたやった」
「浪高の赤井はホンマにムチャしよる」
「アイツと会うたら逃げろ」
などといわれるのが好きだった。

自分を信じんかったらなんにもでけへん

津田博明

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悪さばかりして留年した赤井英和は2年生からボクシングの主将となった。
そして大阪代表としてインターハイに出場した。
大阪はボクシング部が少ないので大阪代表になるのは比較的かんたんだった。
しかし全国大会ともなると沖縄のようにボクシング部が多い県も含め強豪が集うため優勝するのは難しかった。
しかし同じ大阪代表の竹ノ内秀一という選手は楽々と決勝まで行っていた。
話してみるとプロのボクシングジム通いトレーナーに教えてもらっているという。
赤井英和はその津田博明トレーナーを訪ねた。
「赤井、お前はスピードもあるし馬力もある。
せやけどお前はボクシングを知らん。」
「ほな、教えてください。」
「よし明日から来い。」
次の日から練習は始まった。
目標は10月の秋の国体。
津田博明トレーナーは、自身は ボクシングの経験はあったがプロにはなれず、タクシーの仕事をしながらその合間にボクシングのトレーナーをしていた。
津田博明トレーナーと赤井英和は公園で、子供が遊んでいる横で滑り台にサンドバッグを縛りつけ打ったり、タイムを計り忘れて、砂煙を上げながら延々とミットを打った。
トレーナー1人、選手1人の練習は週1回が2日に1回になり、雨の日も不休で行われた。
ロードワークから戻って道路に大の字になる赤井英和に津田博明トレーナーはホースで水をかけた。
焼けたアスファルトの匂いがし青空がみえた。
最初、津田トレーナーは赤井英和に
「左、左、左・・・」
と延々と左ストレートだけを打たせた。
10月になり青森国体が始まった。
赤井英和の相手は佐賀県代表の吉田信二。
2年連続ライト級チャンピオンの超高校級のハードパンチャー、モスクワオリンピック代表の有力候補だった。
しかし試合開始後、赤井英和の左がきれいにヒットした。
吉田のパンチを食わずにバンバン打ちまくり、大阪代表の赤井英和は勝った。
「俺はやろうと思えばやれる男なんや。
自分を信じんかったらなんにもでけへん。」

翌年(昭和53年)、東西対抗戦が東京の後楽園ホールで行われ、ライトウェルター級の強打者、2年連続ライトウェルター級チャンピオン、オリンピックの有力候補の副島保彦選手と対戦。
赤井英和は相手のパンチをかわし有効なパンチを決め有利に試合を進めた。
しかし判定負け。
「なんでや。」
赤井英和は茫然とことばを失った。
日本アマチュアボクシング連盟の期待を背負っていた副島保彦選手と無名のローカル選手。
そういうものが判定に影響したかもしれない。
赤井英和は憧れだった後楽園ホールの便所で泣いた。
大阪に帰ってボクシングに嫌気がさしていた頃、一通の手紙が届いた。
「赤井君、あの試合は君が勝っている。
私もあの判定はおかしいと思っている。
とにかくボクシングは倒したら勝ちなんだから、この一件に負けずどうか強くなってください。
期待しています。」
アマチュアボクシング連盟の小林正三からの手紙だった。
「やった!」
赤井英和はうれしくてみんなに手紙をみせて回った。
たった一通の手紙が腐りかけていた心を叩き直し、赤井英和は気持ちを入れ替えで再びボクシングに取り組み、パキスタンのカラチで行われたアジアジュニア選手権のらライトウェルター級で優勝した。
高3の8月、インターハイ優勝。
12月、モスクワオリンピックベルト争奪戦をKO勝ち。
高校生活もあと数ヶ月、受験シーズンに入ると、各大学からお声がかかった。

大好きな大阪と津田トレーナーの教えから離れたくない赤井英和は近畿大学へ進んだ。
そして関西学生リーグで32連勝していた名門:近大ボクシング部で練習し、津田トレーナーともう1度練習してから帰るという日々を送った。
また当時の恋人の影響で茶道部にも籍を置いた。

消えたオリンピック

大学1年生の赤井英和は、オリンピックの国内予選を勝ち進みモスクワオリンピック代表となった。
その強化合宿に、エディ・タウンゼントがいた。
エディ・タウンゼントはたくさんチャンピオンを育てた名トレーナーで、赤井英和にとって高校時代から雲の上の人だった。
「左フックは下から上へアッパー気味に打つのよ。
こうよ!」
エディは自らポーズしてみせた。
「この左フック打てたら右手お尻かいててもいいよ。」
練習中、口から胃を吐きそうなくらいハードな状態になると、エディは魔法をつかって、その力を引き出した。
「アカイ、もう1発。
もう1発、力いっぱい。
これでもう相手倒れる。
疲れてる、 チャンス。」
赤井はエディの気さくでユーモラスな人柄に惹かれた。
「エディさんは暗示をかける名人です。
ボクサーを絶対けなしません。
トレーナーには『アホンダラ、ボケ、打たんかい、アホンダラ』とアホンダラ教みたいにいう奴がいますがエディさんは違います。
パンチをミットで受けながら
『Oh、ナイス。
ナイスパンチ。
それよ、それなのよ。』
『はい(お、そうかな)」』
『でもネ、アカイ、もうちょっとここで強く打ったらもっといいよ。』
こういわれるともう力がわくんです。
エディさんにミット持ってもらったら確かに強うなると思います。
チャンピオンが生まれるわけですわ。
練習が終わると今日はエディさんに稽古つけてもろてちょっと強くなったなと思ってしまうんですよ。
片言の日本語でジョーク入れながらの練習が楽しくてしょうがないんですよ。
10歳くらいから半世紀以上ボクシングやってらっしゃるんやから、そら重みが違いますわ。
とにかくエディさんの選手に暗示をかけて盛り立ててくれる上手さ、ほめることで力を引き出そうとするのは、凡人では到底まねのできない名人芸です。」

ソ連が隣国アフガニスタンへ侵攻し、アメリカのカーター大統領は、ソ連が1ヶ月以内に撤退しなければモスクワオリンピックは参加すべきではないと事実上のボイコットを表明し各国に同調を求めた。
IOC(国際オリンピック委員会)は、カーター声明をオリンピックの基本精神に対する挑戦として拒否。
モスクワオリンピックを予定通り開くことを決め、参加するかしないかは各国のオリンピック委員会の判断に委ねられた
日本国内の世論調査では、日本選手がモスクワオリンピックに「行くべき」55%、、「行くべきでない」45%。
「選手の率直な気持ちを話そうではないか。」
と柔道の佐藤宣践コーチが呼びかけ、日本体育協会に各競技の代表候補選手とコーチが集い涙ながらに参加を訴えた。
しかし西ドイツ、カナダ、オーストラリア、日本などの西側諸国は不参加を決定。
赤井英和を含め、多くの選手が日本がモスクワオリンピックをボイコットしたことに今でも納得していない。
アメリカでは、カーター大統領はホワイトハウスに代表選手を招待して、ボイコット決定を説明し納得してほしいと訴え、順にテーブルを回って不満の声に耳を傾けた。
日本では「認定証」が発行されただけで政府やJOCからはひと言の説明も謝罪もなかった。

金メダルを獲って表彰台に上がる自分をみて涙ぐむ両親、熱狂する日本国民、自分を好きになるたくさんの女性をイメージしてハードなトレーニングしていた赤井英和は、ふてくされ、酒を飲み乱れた。
しかしやがてアマチュアの頂点ではなくプロの頂点を目指してやろうと思い始めた。
「よし、プロボクサーになるで!」
プロ入りするからには学校から身を引くべきと考え、退学届を近畿大学ボクシング部監督:吉川昊允に提出した。
すると吉川昊允監督はそれを破り捨てた。
「プロになるならそれもよかろう。
しかしボクシングだけのために大学に来たんやあるまい。
親は君に勉強してもらいたいから進学させたんじゃないのか。
その気持ちに応えるのが赤井、君のとるべき態度のはずだ。
あと3年間勉強を続けることだ。」
例えば元世界ウェルター級チャンピオンの平仲明信も、赤井英和同様、大学在学中にオリンピックに出場し、その後、プロに転向した。
看板選手を失いたくない大学側はアマチュアとして続けるよういったが、平仲がそれを拒否すると、早々に大学から出ていくようにいい渡し、プロになっても大学に残りたかった平仲は1人の見送りもいない中、寮から去った。
ボクサーである前に、まず人としての道を大切にするように諭した吉川昊允監督は、赤井英和の大切な恩師の1人となった。

KOしかない

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