宗教抗争、政略結婚、粛清、暗殺、処刑・・・華麗なる王家はどこまで暗黒なのだろうか? 度肝を抜く!歴史大作『エリザベス』

宗教抗争、政略結婚、粛清、暗殺、処刑・・・華麗なる王家はどこまで暗黒なのだろうか? 度肝を抜く!歴史大作『エリザベス』

文芸作品と勘違いしてはいけない。もちろん、歴史大作だから、勉強にはなるが、まさにスリルとサスペンスの大活劇だ。宗教抗争、政略結婚、暗殺、処刑・・・暗黒の王室物語を目の当たりにする。エリザベス役のケイト・ブランショットの演技には度肝を抜く。曲者、ジェフリー・ラッシュの演技も見逃せない。とにかく、観ておきたい作品だ!


あなたは、英国王室の血なまぐさい歴史を目の当たりにする!!

 英国王室の物語である。
 ただ、現在のような華やかさばかりではない。宗教抗争、政略結婚、暗殺、処刑・・・と、とにかく血なまぐさい。
 当時、王室にとって結婚は政治の道具でしかなかった。政情次第では結婚がらみでの斬首、幽閉は当たり前だ。
 旧教カトリックと新教プロテスタント。その宗教対立も暗く激しい。王室はそうした宗教対立の渦中にいるのだ。王位に就いたメアリー1世は、熱心なカトリック教徒。英国内のプロテスタント勢力を片っ端から粛清する。「ブラッディー(血まみれ)メアリ」とも呼ばれた。
 異母姉妹のエリザベスは、メアリーへの謀反(改宗拒否)でロンドン塔へ幽閉される。やがて、メアリー王女が崩御。そこで、王位継承者であるエリザベスが即位する。
 しかし、国教がカトリックだというのに即位しても改宗しないエリザベスは、教会や家臣からも命を狙われるのだった・・・。
 とまあ、とにかく血なまぐさいのであった。
 アカデミー賞メイクアップ賞獲得のそこに注目をするのもいいし、豪華絢爛の衣装を楽しむのでもいいが、はっきり言ってスリルとサスペンスの大活劇をじっくり堪能するのが正解だと思う。

『エリザベス』とは?

1998年のイギリス映画。タイトルどおり、エリザベス1世の前半生を描いた歴史大作である。第71回アカデミー賞では作品賞、主演女優賞をはじめ、7部門にノミネート。しかし、受賞はメイクアップ賞のみとなっている。ただ、ゴールデングローブ賞主演女優賞、英国アカデミー賞主演女優賞、助演男優賞など6部門を受賞した。
 2007年に同監督・同主演で続編『エリザベス:ゴールデン・エイジ』が公開された。

あらすじ

女王になる前のあどけない表情のエリザベス。

恋人、初代レスター伯ロバート・ダドリーとのシーン。まだ、表情は柔らかい。
レスター伯役は、ジョセフ・ファインズ。

それが、しばらくすると、こんな顔に。
ケイト・ブランシェット、恐るべし。

ジェフリー・ラッシュは、エリザベスに重用され、反エリザベス陰謀の摘発にあたったフランシス・ウォルシンガムを演じた。

<キャスト&スタッフ>

エリザベス1世/ケイト・ブランシェット
ロバート・ダドリー/ジョセフ・ファインズ
フランシス・ウォルシンガム/ジェフリー・ラッシュ
ノーフォーク公/クリストファー・エクルストン
ウィリアム・セシル/リチャード・アッテンボロー
アランデル伯/エドワード・ハードウィック
メアリ・オブ・ギーズ/ファニー・アルダン
アンジュー公/ヴァンサン・カッセル
ローマ教皇/ジョン・ギールグッド
ジョン・バラード/ダニエル・クレイグ
侍女カット・アシュレー/エミリー・モーティマー
イザベル・ノリス/ケリー・マクドナルド
メアリー1世/キャシー・バーク
フランス大使ド・フォア/エリック・カントナ

監督/シェカール・カプール  脚本/マイケル・ハースト
製作/アリソン・オーウェン エリック・フェルナー ティム・ビーヴァン
音楽/デヴィッド・ハーシュフェルダー
撮影/レミ・アデファラシン 編集/ジル・ビルコック

続編『エリザベス:ゴールデン・エイジ』のケイトはさらにすごい!

 2007年に公開された続編『エリザベス:ゴールデン・エイジ』。2004年のマーチン・スコセッシ監督の『アビエイター』でアカデミー助演女優賞を獲得したケイト・ブランシェットの演技はさらに迫力を増す。再び、アカデミー主演女優賞にノミネートされたが惜しくも受賞を逃している。

ケイト・ブランシェットを語らずにこの映画はありえない!

 ケイト・ブランシェットは、米国アカデミー賞の常連である。そして、そのほか世界中で賞を獲得している。

『エリザベス』
ゴールデングローブ賞 主演女優賞受賞。アカデミー主演女優賞ノミネート。
『アビエイター』
アカデミー助演女優賞受賞。
『あるスキャンダルの覚え書き』
アカデミー助演女優賞、ゴールデングローブ賞助演女優賞ノミネート。
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』
アカデミー主演女優賞、英国アカデミー賞 主演女優賞ノミネート。
『アイム・ノット・ゼア』
ヴェネツィア国際映画祭 女優賞受賞。ゴールデングローブ賞助演女優賞。アカデミー助演女優賞、英国アカデミー賞 助演女優賞ノミネート。
『ブルージャスミン』
ゴールデングローブ賞主演女優賞、アカデミー主演女優を受賞。30以上の主演女優賞を獲得。
『キャロル』
アカデミー主演女優賞、英国アカデミー賞主演女優賞ノミネート。

 あまりにも多くて書ききれない受賞歴、ノミネート歴。まさに世界的評価というのはこのことをいう。他にも、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ、『ホビット』シリーズなど、ハリウッド的な大作にも出演している。

まさに、女優である。

関連する投稿


コミック『はだしのゲン』のマンガ家・中沢啓治が漫画界のアカデミー賞で殿堂入り!!

コミック『はだしのゲン』のマンガ家・中沢啓治が漫画界のアカデミー賞で殿堂入り!!

『はだしのゲン』(汐文社刊)で知られるマンガ家・中沢啓治が、アメリカ漫画界のアカデミー賞と言われるアイズナー賞で「コミックの殿堂」入りをしたことが、汐文社より発表されました。


【1998年】つんく vs. 小室プロデュース!? 日本レコード大賞新人賞の受賞曲は!?受賞者は今!?

【1998年】つんく vs. 小室プロデュース!? 日本レコード大賞新人賞の受賞曲は!?受賞者は今!?

昔は大晦日の夜といえば、テレビの前で一家団欒。『日本レコード大賞』と『紅白歌合戦』をはしごして視聴した方が多かったことでしょう。中でもドキドキするのが、日本レコード大賞の「大賞」と「最優秀新人賞」の発表の瞬間。今回は、日本レコード大賞の「新人賞」にフォーカスし、受賞曲と受賞者の今についてご紹介します。


【1998年洋楽】『タイタニック』の主題歌といえば・・・「日本」でヒットした洋楽トップ5

【1998年洋楽】『タイタニック』の主題歌といえば・・・「日本」でヒットした洋楽トップ5

「洋楽」と一言で言っても、アメリカやイギリスなど本場でヒットする曲と、日本国内でヒットする曲はかなり異なります。中には、日本でヒットしても、本国ではヒットしないという逆転現象も!? 今回は "1998年の日本" にフォーカスして、オリコンシングルチャートを中心に「日本でヒットした洋楽5選」をご紹介します。


【カッコーの巣の上で】アカデミー賞主要5部門独占!名演技を見せた俳優たちのその後

【カッコーの巣の上で】アカデミー賞主要5部門独占!名演技を見せた俳優たちのその後

映画『カッコーの巣の上で』といえば、アカデミー賞主要5部門を独占した歴史的作品です。作品としての評価もさることながら、出演した俳優陣も名演技で、今振り返ると、その後活躍する有名俳優が多く出演していることがわかります。今回は、本作に出演していた俳優の中から9名を選出し、彼らのその後を見てみます。


ミニスカート女王♡英デザイナー「メアリー・クワント」

ミニスカート女王♡英デザイナー「メアリー・クワント」

1960年代にミニスカートとホットパンツを流行させ、ファッション革命を起こし「ミニスカート女王」と称された英国出身のデザイナー、マリー・クワントの思い出。現在日本でライセンス生産されている「マリークワント」ブランドの軌跡。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。