野際陽子追悼記念! 「キイハンター」屈指の問題作、 第77話「人喰い人間現わる」のヤバ過ぎる内容とは?!

野際陽子追悼記念! 「キイハンター」屈指の問題作、 第77話「人喰い人間現わる」のヤバ過ぎる内容とは?!

「キイハンター」放送エピソードの中でも、屈指の問題回を紹介することにしよう。そのエピソードとは、第77話「人喰い人間現わる」!もう既にタイトルの時点でヤバイ空気が漂うこのエピソード、果たしてどんな内容だったのか?


オオカミ男、マジで怖い!

フランケンシュタインの怪物、微妙・・・。

脚本の無理矢理さに比べて、本作のモンスターのメイクには異様に力が入っていて、しかも良く出来ている。これも監督の趣味だろうか?

ミイラ男、怖過ぎ!

非常にもっともな、視聴者のこの疑問!だが、それも本作が「吸血鬼ゴケミドロ」と同じ監督・脚本だと知れば、何となく納得がいくような気が?
しかし、もちろんそれには充分な理由があるのだ。

瞬きせずキバをむいて襲ってくる吸血鬼の描写は、大川栄子の可愛いリアクションのお蔭で、どこかコメディの様に感じられる。これもポランスキー監督の「吸血鬼」からの影響と言える。

新井茂子の吸血鬼演技の素晴らしさ!

襲い掛かる吸血鬼の口に、咄嗟に本を噛ませて防ぐ。
これも映画「吸血鬼」へのオマージュ。

ユミちゃん、危機一髪!

実は本編中には、これらの画像でも明らかな様に、ロマン・ポランスキー監督の「吸血鬼」からの引用・オマージュが数箇所登場する。
不思議に思って調べた結果、この第77話の放送日が1969年9月20日、対してポランスキー監督の「吸血鬼」日本公開が1969年9月14日と判明!
そう、ポランスキー監督の映画「吸血鬼」公開から一週間後に、本作は放送されているのだ。

後の「川口浩探検隊シリーズ」は、既にここから始まっていた?

モンスター対川口浩!

「吸血鬼ゴケミドロ」で観客に強烈な印象を植え付けたあの恐怖演出に、ポランスキーの「吸血鬼」が見せた「笑い」の要素と、ゲスト出演の室田日出男と新井茂子の名演が加わり、本作はどこかコミカルで明るいが、恐怖シーンは異様に怖い!という、文字通り奇跡のバランスを保った傑作エピソードとなっている。

「吸血鬼ゴケミドロ」により、新たな発想と独自の映像美で日本に「吸血鬼物」を移植した、佐藤肇監督&高久進脚本コンビが、ポランスキー監督の「吸血鬼」に刺激を受けて、テレビで再び日本に「吸血鬼」を蘇らせた作品。そんな見方が出来るのが、この第77話「人喰い人間現わる」だと言えるだろう。
或いは、映画「吸血鬼」との何かしらのプロモーション絡み?などなど、その製作の裏側への勝手な想像は膨らむばかりだ。。

最後に

確かに本作は面白い!
だが内容的には全く意味不明であり、最後まで見ても謎だらけ・・・。更には、特定の国や宗教に対する差別的セリフが登場するため、恐らく地上波での再放送はムリかと思われる。

とにかく、何でネオナチがユニバーサル映画のモンスター達の変装をして、墓場から棺を運び入れるのか?(必要なのは女性の生き血であって、死体は必要無いはず)しかも、ドラキュラの格好で催眠術にかけ、さらに首に噛み付く意味って?(これも、後から吹雪の解説により語られるだけで、犠牲者に生えているキバも、実はニセモノ。そんな手間をかける必要あるのか?)

正直、ストーリーの辻褄はまるで合って無いし、恐ろしくトンデモな展開を見せる本作。だが、そこを楽しんで見るのが、本作の正しい鑑賞方法だと言えるかも知れない。
恐らく将来的には、全話の映像ソフト化が成されるであろう、この「キイハンター」。
この第77話の他にも、実はまだまだトンデモ無いエピソードや、再放送の際に放送されなかった「欠番回」が存在するので、今後も紹介して行きたいと思っている。

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