アカデミー賞受賞を逃してしまった優秀傑作映画、あれこれ!!④

アカデミー賞受賞を逃してしまった優秀傑作映画、あれこれ!!④

アカデミー賞受賞を逃してしまった優秀傑作映画、あれこれ!!③では1970年頃までのアカデミー賞を受賞できなかった「名作・傑作」映画をご紹介したが、その続きを書こうと思う。さて、どんな作品があるのでしょうか!?


『ある愛の詩』(あるあいのうた、英: Love Story)は、1970年のアメリカ映画。恋愛映画。
エリック・シーガルによる同名の小説を原作とする。アカデミー作曲賞(フランシス・レイ)を受賞した他、複数の部門でアカデミーにノミネート及びゴールデングローブ賞を受賞している。
ライアン・オニール、アリ・マッグロー、レイ・ミランド、トミー・リー・ジョーンズなどが出演しが、特に、日本では1977年にTVで放送された際に、当時うわさの三浦友和と山口百恵が主人公の吹き替えを担当し、話題となった。

『ある愛の詩』一場面

“愛とは決して後悔しないこと”

かつて2人で遊んだ、誰もいないスケートリンクをオリバーがひとりで見つめているオープニング、そのスケートリンクで無邪気に遊ぶ2人の笑顔、ケンカして家を飛び出していったジェニーが見つからず戻ってきたオリバーに“鍵がないの”と涙を浮かべて笑いかけるシーン、そして彼女の亡くなった病院を後に、反対していた父に向かって“愛とは決して後悔しないこと”という名セリフ……。
裕福で代々名門ハーバード大学出身という家柄のオリバー・バレット4世(ライアン・オニール)と、イタリア移民でハーバード大学関連の女子大学に通うジェニー・カヴァレリ(アリ・マッグロー)が、大学の図書館で出会うところから始まる。最初はちょっぴり反発し合い、やがて本気になり、愛を誓い合う。若気の至りと言えばそうかもしれないが、父親と折り合いが悪いオリバーは反対を押し切ってジェニーと結婚。父親から援助を打ち切られたため、オリバーが法律学校を卒業するための学費と生活費は主にジェニーが働いて稼ぎ、貧乏暮らしをしながらも、ついにはオリバーは優秀な成績で卒業し、法律事務所での勤務が決まってニューヨークへ。新しい生活が始まろうとする中ジェニーは重い病を患っており、余命を宣告される……。

恋愛映画の王道中の王道!!

私は当時中学生だったと思うが、映画館でこの映画を見てとても甘酸っぱい気持ちになった覚えがある。私にとって、未だ一番好きな映画の一つである。
アメリカの大学に行っていた時もNYのセントラルパークのスケートリンクに佇んでこの映画のシーンを思い出していた。
あの時からあんな恋愛をしてみたいと思っていたが、今はもう無理でしょうな!!
ちなみに、この年のアカデミー賞・作品賞は、フランクリン・J・シャフナーが監督し、ジョージ・C・スコット、カール・マルデンなどが出演した『パットン大戦車軍団』だった。
戦車で愛が吹き飛ばされたのですかね??

公開当時から過激な暴力描写が賛否両論を呼び起こした『時計じかけのオレンジ』

『時計じかけのオレンジ』(とけいじかけのオレンジ, A CLOCKWORK ORANGE)は、1962年発表のイギリスの小説家アンソニー・バージェスによるディストピア小説、又はそれを原作にし1971年に公開(日本では1972年4月)されたアメリカ映画。スタンリー・キューブリックにより映画化された。
ミドル・エッジにてこの映画について語った記事がありますので、ご一読下さい。

『時計じかけのオレンジ』の一場面

【色んな意味でゾッとする】時計じかけのオレンジ - Middle Edge(ミドルエッジ)

世間の風当たりは非常に厳しかった!!

暴力描写や性的な描写が作中の至るところに散りばめられており、公開当時、この映画の内容を真似たとされる犯罪が度々起こったとの報道があり、本国イギリスでは公開から間もなくして上映が打ち切られたという経緯がある。これは監督であるキューブリックによる判断である。
一方で、本作は米国アカデミー賞の作品賞にノミネートされたが受賞は逃している(当たり前か!?)。また、ニューヨーク映画批評家協会賞を受賞しており、映画としての完成度は非常に高いとは思われるが、やはり、世間の風当たりは厳しいものがあったのだろう。
ちなみに、この年のアカデミー賞・作品賞は、ウイリアム・フリードキンが監督し、ジーン・ハックマン、ロイ・シャイダーなどが出演した『フレンチ・コネクション』だった。

フィルム・ノワールを現代に蘇らせた『チャイナタウン』!!

『チャイナタウン』(原題: Chinatown)はロマン・ポランスキーが監督した1974年のアメリカ映画。フィルム・ノワール(虚無的・悲観的・退廃的な指向性を持つ犯罪映画)を現代に蘇らせたポランスキー監督の傑作。ロバート・タウンの書いたオリジナル脚本はハードボイルド作家ロス・マクドナルドからの強い影響を受けたもので、アカデミー賞脚本賞を受賞した。
出演は、ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ほか。アメリカ西海岸最大の近代都市としての様相をととのえつつあった1930年代のロサンゼルスを舞台に、政治的陰謀に巻き込まれた私立探偵の活躍を描く。

『チャイナタウン』の一場面

私立探偵ジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)の事務所に、ミセス・モーレイと名乗るダム建設技師の妻が現れ、夫の浮気の調査を依頼した。ギテスは早速行動を開始した。まずモーレイ技師の身辺を洗い、彼がロサンゼルス川に異常な関心を持っていること、町をあげての新ダム建設には地盤がゆるくて危険だという理由で反対であること、そして若い娘のような恋人がいるらしいことをつきとめた。更に、モーレイは妻イブリンの父で町の実力者のノア・クロス(ジョン・ヒューストン)と、何かで対立しているらしかった。しかしギテスには、依頼された問題以外の争いや、水資源問題などどうでもよかった。だが、事件は意外な事が発端となった。モーレイの浮気がゴシップ新聞で暴露され、弁護士を共なったモーレイ夫人(フェイ・ダナウェイ)が名誉きそんで訴えるべく事務所に乗り込んできたのだ。しかも、夫人は最初に依頼してきた女とは違う人間だった。すると最初の女は何者で、何の目的があったのか。かつてチャイナタウンの警官だったギテスの第六感がはたらいた。数日後、モーレイが放水溝から溺死体となって発見された。貯水池に疑問を持ったギテスは、深夜、立入禁止の貯水池に忍び込むが、二人組の男に捕らえられてナイフで鼻を切られてしまう。こうなったら意地でもあとにはひけない。ギテスはイブリンに接しているうち、次第に事件の核心へと近づいていった。そこにはイブリンの父クロスが大きく浮かび上がってきていた。ギテスに問いつめられたイブリンの告白によると、モーレイと親しくしていた娘はキャサリン(ベリンダ・パーマー)といい、クロスの娘だった。そして驚くべきことに、キャサリンの母はイブリンだった。15のときに力づくで父親に犯されたイブリンは、キャサリンを妊んだままメキシコへ家出し、そこで知り合ったモーレイと結婚したのだった。今度の事件は義父と娘婿との対立だった。クロスは既にロス市郊外の砂漠地帯を手広く買い占めていた。モーレイが新ダムを建設し、砂漠へ水を流せばそれによって厖大な利益がころがり込む筈だが、理想主義者のモーレイが同調しなかった。事件は次第に解決の方向に向かったが娘を父の手から守るためにメキシコに逃げようとしてチャイナタウンにひそんでいたイブリンがクロスに発見された。イブリンをかばうギテスは操作に当っていたかつての同僚のエスコバー警部補にクロスの悪行をまくしたてたが、警部補は耳をかそうとはしなかった。その間にクロスがイブリンの車に近づき、キャサリンを降ろそうとしたため、イブリンが彼の腕を撃ち、車をスタートさせた。走り去る車に警官が発砲し、車は停まった。一同が駆け寄ると、イブリンは絶命していた。

超重厚なミステリー傑作映画!!

しがない探偵がある浮気調査をきっかけにビックビジネスの闇に巻き込まれる名作。笑えるシーンも所々あるけども基本的に哀愁が漂ってる。「嗅ぎ回るな」って言って鼻を切るシーンが印象的。
1940年代~50年代の作品にはあまりなかった、社会情勢の歪んだ側面を盛り込んでいるところなどが斬新で、1930年代の雰囲気を見事に再現したセットなども素晴らしい、1970年代を代表する、非常に評価が高い作品でもある。

ジェリー・ゴールドスミスの音楽も、空虚なイメージの作品を効果的に盛り上げる。
ちなみに、この年のアカデミー賞・作品賞は、フランシス・フォード・コッポラが監督し、アル・パチーノ, ロバート・デュバルなどが出演した『ゴッドファーザー Part II』だった。

テレビ業界の狂乱ぶりを描いた『ネットワーク』

『ネットワーク』(原題:Network)は、1976年製作のアメリカ映画。シドニー・ルメット監督作品。架空の系列局を舞台に、視聴率に踊らされるテレビ業界人の狂騒を痛烈に風刺する。フェイ・ダナウェイ、ウィリアム・ホールデン、ピーター・フィンチ、ロバート・デュヴァルら実力派俳優たちの競演も話題になった。

『ネットワーク』の一場面

マスメディアのモラル崩壊を予見した作品!!

最盛期に28%の視聴率を誇ったUBSのビール(ピーター・フィンチ)のイブニング・ニュースも今や12%という低落。1%の伸びが年200万ドルの増収となるTV界にあって、これは致命的な敗退を意味する。ましてそれがネットワークの顔の報道番組となればなおさらだ。これが直接の引金となり、ジェンセン(ネッド・ビーティ)率いるCCAがUBS乗取りを果たし、創立者は会長に追いやられ、CCAより新しい社長が就任した。報道部長マックス(ウィリアム・ホールデン)はそんなビールに番組解任を通告する。翌日、ビールは自分が辞めさせられる事、さらに自殺予告までを本番中にしゃべり、マックス達をあわてさせた。番組がオンエアされた。八方破れの暴言に視聴率は27%と上がった。野心家で報道部大改革以来クローズアップされているダイアナ(フェイ・ダナウェイ)は反応し、ビールを現代の偽善と戦う予言者として、再び売り出しを図ろうとした。ある雨の日、突然生本番中に入りこんだビールの社会不満の言動が大ヒット。次々にかかってくる問い合せの電話。金脈を掘り当てた喜びのダイアナ。新しい『ビール・ショー』は人気を博し、48%の大台へ。真に史上画期的な報道番組だ。ダイアナのアイデアはエスカレートする。次は過激派グループと契約し、ビールをからませた衝撃シリーズ。ダイアナの狙いはズバリ当った。UBS年次総会で認められる彼女。だが成功もつかの間、彼女達の足元が崩れ始めた。現代の予言者として過激化するビールが、UBSの親会社CCAを非難しだしたのだ。当然ジェンセンは、ビールの言動変更を迫った。翌週、ビールはジェンセンの理論を滔々とぶつ。だが低下する視聴率。ダイアナと社長はあわてた。なんとかジェンセンのお気に入りロボットとなったビールを番組から降ろさなくては。切羽詰まった彼女らが最後にとった手段は、想像を絶する凄まじいものだった。

アメリカの資本主義社会への痛烈なメッセージも込められている映画!!

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