三國志
言わずと知れたシリーズ1作目!
……と言って始めたいところですが1985年発売のうえ〝FDドライブが2台無ければプレイできない〟と書かれているので経験者はかなり少ないのではという気がします。
後になってコマンドやシナリオが省略された《抄本三國志》が発売されています。
抄本というのは《一部抜粋》という意味で、コンセプトとしては真逆なのですが現在の《パワーアップキット》に近いものと解釈すればわかりやすいかもしれません。
省略と軽量化が施されているので価格が安くなったりファミリーコンピュータに移植されたりしています。こちらをプレイされた方のほうがきっと多いのでしょう。

三國志
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呂布の能力
武力100
知力21
魅力86
呂布は最強です。最強なので武力が100です。
知性はありません。でも人間なので知力21ほど保有しています。
ちょっと盛りました。
呂布は史実でも高慢で傍若無人で野蛮で先読みができず高慢で野蛮で先読みができない高慢な男ですが、必要以上に誰かを陥れたり狡猾に動いたりはしていません。馬や鹿のような部分があるかもしれないけれど愚者でもないかなという印象。
そのあたりの情状酌量があるのかどうか魅力は86と高めの設定がされています。
実はこのゲーム、賢い武将が《書物》を与えれば《知力》が成長するし戦いで敵を倒せば《武力》が上がる――というステータス上昇ゲーム。
知力90代の呂布を見ることも可能となっております。すごいぞ陳宮塾。
三國志Ⅱ
キュッパチどころかPC8800にも実装可能なうえにファミリーコンピュータ、スーパーファミコン、メガドライブ、ワンダースワン、プレイステーション、Windows95から10までいれることができる殿堂ゲーム。
発売は1989年。なんと現在でもsteamで購入することが可能。三国志Ⅱ欠乏症への対策が万全です。

三國志Ⅱ
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【スーパー三国志Ⅱ】スーパーファミコンで遊べる光栄の三国志シリーズ第二弾! - Middle Edge(ミドルエッジ)
呂布の能力
武力100
知力25
魅力15
やっぱりこれからの時代は頭が良くないとな……ということで〝知力を4上げる代償として魅力を71失いました〟。孔明の罠では。
2はステータスを上げる方法が《戦利品》というかたちになってしまい成長の手間が増したように感じますが”美女を与えることで《魅力》も上がります”。
女のなかに呂布をつっこんでおけばいつの間にかイケメンになっているわけです。すごいシステム。
だったのですが、美女を与えるのはどうなのかと誰かが気づいてしまったのでしょうリメイク版では《美女》ではなく《装飾品》となっています。
具体的には勾玉とか冠とか耳飾りなのですが、そんなもんじゃらじゃら鳴らしていわす呂布に感じるのは魅力というより威圧だと思うのですがどうなのでしょう。

飾りものをいわす呂布さんの図
真・三國無双2 キャラクター一覧
三国志2は引き抜きの成否や忠誠に関わってくるマスクデータとして《義理》《人情》《人徳》が存在しています。
これが低いと戦場で裏切ったり太守なのに裏切ったりするわけですが、義理人情が低いキャラでランキングをつくると呂布が軒並みランクイン。
「戦争に使えない、内政もできない……呂布はどうやって使うの?」
という話になりますがそれは単純明快「単身で戦場につっこみ一騎打ちで敵を斬る」が正解とのこと。まるで爆弾ですね。史実でも爆弾みたいなものでしたが。
三國志Ⅲ
1992年に発売されてから各家庭用ゲーム機に移植されているタイトル。
支配単位が《国》から《都市》になったのでゲーム全体が奥深くなりました。
また信長の野望と比較して三国志のウリだと言われている《人》も増えに増え、合計するとなんと532人。

三國志Ⅲ
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呂布の能力
武力100
知力21
政治13
魅力12
新しく《政治》パラメータが追加。
政治のことに頭を割いたので〝魅力を犠牲にして手に入れた知性は21に戻り〟ました。
手に入れた政治力はわずか13。雀の涙とはまさにこのこと。もちろん魅力は戻りません。悲しすぎる。
そんな殺伐とした呂布の胸に染みわたる熱きバーボンが!
Ⅱでは1合戦につき1回きりだった《一騎打ち》が常時コマンドとして実装されました。
なので呂布は一騎打ちを連発することができます。相手が誘いに乗りさえすれば文字通り斬って斬って斬りまくれるわけです。
三國志シリーズの高武力武将はかなりの確率で脳筋なので相手が呂布だろうとホイホイ寄ってきます。哀れ。
なお呂布の裏切りやすい性格は相変わらずなので兵は与えないようにしましょう。爆弾がマシンガンに変わったようなものですね。
三國志Ⅳ
1994年発売。
やっぱり三国志と言えば人材だよね、ということでⅢで要素が増えていた内政面が簡略化されました。
その代わり武将に技能(スキル)がわりふられ、同じ能力ないし能力差10程度であれば技能を見たほうが良いという状況が出てきます。
軍事面でも新しい兵種の登場、野戦マップと攻城マップの登場、それにともなう攻城兵器の誕生と取れる選択肢が増えています。マルチプレイが盛りあがりますね?
三國志名物《パワーアップキット》が登場するのもⅣからです。システム的には三国志シリーズのひとつの集大成的な作品になっているかもしれません。

三國志Ⅳ
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呂布の能力
統率78
武力100
知力30
政治13
魅力40
兵と兵のぶつかりあいにおいては武力よりも統率の方が重要になっています。呂布の統率は低くはないけど中堅武将が戦って勝てないほどでもない。
呂布、アイデンティティを失う。
内政面での利点は例によって皆無。こうなってくるといよいよ一騎打ちマシーンとしての生き様しか許されなくなってきます。
もう三國志は呂布のためのゲームではなくなってしまったのか……。
三國志Ⅴ
1995年発売。95年発売なのでキュッパチに対応しています。
そりゃそうだろうと思ってしまうのですが〝キュッパチ時代でシリーズ5作目に入っていて現在でも遊べるゲーム〟ってどれくらいあるのでしょう。
Ⅴでは三國志序盤の代名詞《黄巾の乱》が重視されています。
しかし黄巾の武将は黄巾で滅ぶ宿命を背負っています。ゲーム開幕時のキャラ数が大幅に増えはするのですが彼らは雁首揃えて脳筋です。ゲーム全体にどれほど影響を与えているかと言われると……。

三國志Ⅴ
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呂布の能力
武力100
知力31
政治9
魅力67
祝 統 率 撤 廃
完全に勝訴です。やったね呂布ちゃん!
中途半端に優秀だった統率要素が消えることにより呂布の需要が元に戻ります。
またⅣからじわじわと上がっていた《魅力》がここにきて67と中央値を上回るステータスに。
さらにさらにⅤの《武力》は寡兵、徴兵、訓練といった軍事コマンド(内政の一部)に影響を与えることとなっています。これによって呂布も〝戦場に出ず、国内で精強な兵を育てる公務員〟という生き方ができるようになりました。
今までのうらがなしい人生が報われて良かったね呂布! なんで政治下がってるの?
三國志Ⅵ
1998年発売。やっと98年です。Windowsの時代が来ています。
これまで国家のトップは《君主》と呼称されていたのですが、Ⅵでは《群雄》と呼ばれます。
なぜか?
皇帝が登場するからです。
Ⅵには皇帝ともうひとつ《人徳》という数値が登場します。これはつまるところ名声なのですが、ゲーム内においては他の人物からの人気の度合いを示しています。三国志は歴史と戦いのゲームであると同時に人材、経営、外交のゲームでもあるので人気があるとそれぞれのやりやすさが上がります。逆に人気が低いと人は来てくれないし他国が喧嘩を売ってくるしでてんやわんやです。
この2つの要素が同時に登場したことに意味があります。
皇帝と仲良くすれば人徳が上がり、反逆や簒奪をしてしまうと下がっていく。
妙に生々しい話になっている気がしますね。

三國志VI
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呂布の能力
統率74
武力100
知力29
政治17
魅力81
統率復活のお知らせ。悲報です。
しかも統率数値が下がっています。やはり穏やかな人生を送ると腑抜けてしまうのか。
謎の政治力低下はもとに戻っていますが、82と90とかならまだしも〝政治9と政治17〟なんて馬と鹿程度の差でしかありません。
武将たちがステータスの他に《技能》を持っていることは既出設定ですが、今作では技能とは別に《夢》が追加されています。
それぞれの武将に好きなことをやらせると成果が上がるだけでなく忠誠も上がります。軍事好きには軍事を、内政好きには内政を。
すると仲間にしておきたい人材とそうではない人材というものが出てきます。そんな感じで序盤から選りすぐりをしているとある男が近づいてきます。
呂布です。
呂布が赤兎馬にまたがって敵としてこちらに襲いかかってくるのです。
呂布が裏切りやすいということは敵だろうと同じことなので買収する金さえあれば怖くないのですが、彼が活躍しているのは基本的に序盤であり、序盤は収入も人材も少ないのでわずかな金があれば全力で人材収集と内政整備にまわしたいところ。
呂布はそんなこと知ったこっちゃありません。運良くいた戦争担当中堅武将をボコってから平気で国を奪って帰っていくのです。あだ名はイナゴ。
三國志Ⅶ
君主、群雄を選んで勢力を拡大させるプレイとは別に《主人公武将》の設定が可能になりました。
劉備、曹操、董卓、孫権といった君主ではない武将として生きていくことができます。具体的に言うと呂布になれます。
乗るしかないッスよね、この呂布ウェーブってやつに。
発売は2000年ぴったり。

三國志Ⅶ
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呂布の能力
武力98
知力26
政治18
魅力32
なんで武力下がってるんですかね!?
とはいえ光栄三國志に呂布より武力的な人がいるはずもなく成績として相変わらずトップ。
それはいいのですが、前作に比べると武力知力魅力が軒並み低下しています。歳かな。上がっているのは政治だけで、数値としては1です。むしろなぜ1動かしたのか。
三國志というゲームはシリーズを重ねていくと同時に登場人物が増えたりプレイングが変わったりしています。特に内政軍事人事に関するコマンド増加は注目すべきで、〝乱世を統治するゲーム〟から〝乱世で生きていくゲーム〟に変化しているのではないかなという印象も。
こういう性質の変化や発展は後のタイトル9、10、11、12、13でも継続していくのですが、全体を通してみると〝呂布はどの作品でも大差無い〟ことがおわかりいただけるのではないか、とも。
とはいえ彼は対国家ボンバーマンからいっぱしの君主、主人公になることが可能になっています。君主になれば陳宮や張遼、高順といった地味に心強い仲間たちがいます。
ひとりで生きていくよりも仲間たちとともにあった方が強く生きていける、とはなんとも健気な呂布ではありませんか。
それに彼を君主か主人公にすれば〝裏切られることが無い〟です。
さあ、今日も一介の呂布となって大陸を駆け抜けましょう――